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2021年07月02日

ソ連 名作曲家ゲオルギー・スヴィリードフ

一般向け文化講座「はこだてベリョースカクラブ」の今年度第1回目の講話内容です。
テーマ:「ソ連 名作曲家ゲオルギー・スヴィリードフ」
講 師:デルカーチ・フョードル(副校長)

 ゲオルギー・スヴィリードフは、20世紀後半のロシアを代表する作曲家です。彼の作品はロシアの民族的主題に基づいており、現代でも人気があります。今日は、彼の作った音楽の背景を知るべく、スヴィリードフの一生についてお話しします。
 
 ゲオルギー・スヴィリードフは、1915年にクルスク地方で生まれました。幼いころに父親を亡くし、母親と暮らしていました。母親の仕事は教師でした。彼女はよく働いている褒美として、町から牛かピアノかをプレゼントされる機会が与えられました。選んだのはピアノです。これでスヴィリードフの傍に音楽の存在ができたのです。
 しかし、すぐにスヴィリードフはピアノよりもバラライカに興味を奪われました。民俗楽器の地元のアンサンブルにも受け入れられるほどの才能でした。
 そして、その当時の小学校の先生から、レニングラードの音楽校に行くことを勧められます。現在のサンクトペテルブルク音楽学校です。在学中に初の声楽曲「プーシキンの詩による六つのロマンス」を作曲します。これが認められ、レニングラード音楽院に入学し、ショスタコーヴィチを師として音楽の才能をさらに磨いていきます。ショスタコーヴィチの音楽は、交響曲や弦楽四重奏曲が有名で、いわゆる伝統的な、昔ながらの重厚な音楽が特徴でした。スヴィリードフは、ショスタコーヴィチの弟子でありながら、新しい作曲家でした。伝統と改革を兼ね備えたバランスの取れた人でした。
 卒業後は、レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団に所属し、1940年代彼は戦争の歌を作りました。その中で最も有名なものは「勇者の歌」です。
 1956年にモスクワに引っ越したあとは、交響曲、カンタータ、ロマンス、非常に多くの曲を作りました。あまりにも多くの曲があり、またそれらは今でもBGMとして何気なく使われているものが多く、知らず知らずの内に耳にしており、調べてみて初めて「この曲もスヴィリードフなのか!?」となります。
 1965年公開の映画「時よ、前進!」の主題歌は、今でもニュース番組のオープニング曲で使われています。とても力強い音楽です。
 最後に余談ですが、彼には息子がいました。息子はレニングラード大学の東洋学部日本学科を卒業しています。ロシア人で初めて日本中世のおとぎ話を紹介した日本学者です。息子は、京都で教鞭をとっていたのですが、残念なことに病気で1997年12月に亡くなります。そしてその後を追うように、1998年1月にゲオルギー・スヴィリードフも死去しました。

☆下記は講話の中で紹介した曲です。
  曲名をクリックするとリンク先のyoutubeで視聴できます。
・「吹雪」(ライブ)

・「トロイカ

・「マリターナの歌

・「時よ、前進!


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