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2010年02月22日

ウラジオストク訪問記 1

 2009年10月20日から24日の日程で、ウラジオストクを訪れた。函館市公式訪問団(団長・工藤壽樹副市長、6人)の一員として、10月21日の極東大学創立110周年記念式典に出席するためである。
 函館市がウラジオストク市と姉妹都市提携を結んだのは1992年、以降両市は相互訪問や文化交流を続けてきている。極東大学が国外第1号となる分校を函館に開いたのも、そのうちの一つである。
 私にとっては4年ぶり、2度目のウラジオストク。2012年APEC首脳会議開催に向けて変わりゆくウラジオストクの様子をお伝えしたいと思う。

*   *   *   *   *

<1日目>
 ウラジオストクは近くて遠い。日本から飛行機に乗れば2時間ちょっとでウラジオの地を踏めるというのに、函館から日本を脱出するまでに、とても時間が掛かる。
 今回、私たちは富山発のウラジオストク航空で行くことになった。朝8時に函館空港に集合する。ADOの函館発8:40発、羽田着10:00。羽田で11:10発のANAに乗り換えて富山に着いたのは12:10。ウラジオストク便の出発15:25まで3時間以上。空港内の食堂で富山名物・ますの寿しを食べ終わると、それ以上することもない。国際線のチェックインが始まるまで、売店を眺めたり、ラウンジで雑誌を読むなどして過ごす。

 ウラジオストク航空840便(як40)は20人乗り。乗客のほとんどはロシア人である。カウンターで荷物を預け、出国手続きを取る。広い出発ロビーには、ウラジオ行きに乗る20人だけ。
 ようやく改札が始まり、ボーディングブリッジを渡っても飛行機の姿が見えない。つまりそれほど小さい飛行機なのだ。だいたい20人乗りなんて、バスより小さい!ブリッジから直接搭乗ではなく、いったん外に降りて、飛行機のおしりから伸びる簡易な階段を上る。先ほど預けた荷物が両脇にネットで括りつけられているだけの通路を通り、座席へ。
 15:25、函館を出てこんな小さな旧型ソ連の飛行機で2時間40分の国際線、本当に大丈夫なのかと不安になった。

 しかし、その不安はすぐに消えた。離陸もスムーズで、飛行中の揺れもほとんどなかった。むしろ東京-富山の405人乗りのほうが、揺れて怖かったくらいだ。天候に恵まれたせいかもしれないが、我々は無事に日本海を越えた。
 機内には客室乗務員がいて、ロシアの新聞や機内食のサービスもある。座席はとても狭くて、日本人女子の私でもきついのに、体の大きなロシア人はどうするのだろうと思うが、平然と乗っている。だって、たった2時間の辛抱だもの…、そんな感じだ。

 ウラジオストクに着陸したのは現地時間20:05。時差が+2時間あるとは言え、あたりは既に真っ暗だ。函館を出発してから3つも飛行機を乗り継いで約10時間、早く休みたい。
 飛行機から降りようと立ち上がったら、警備員のような制服を着てマスクをした太めのおばさんが乗り込んできて、席に戻れという。インフルエンザの検査官だった。乗客一人ひとりにスピードガンのようなものを向け、体温検査をする。この旧態依然としたソ連の飛行機でこのようなことをされると、もしかして撃たれるのではないかという緊張感が走る。しかしロシア人の女の子供一人に熱反応があった以外は無事で、ようやく機外に出ることを許される。

 入国・税関の手続きを済ませ、出口に行くと、極東大学のディカレフ副学長が出迎えに来てくれていた。今回我々の通訳・ガイドをしてくれるのは、極東大学附属東洋学大学5年生のポリカルポワ・アンナ(アーニャ)さん。アーニャは2008年、ロシア極東大学留学生支援実行委員会の招待により4週間、函館校で日本語を勉強していたので、顔なじみだ。私としても心強い。アーニャはおとなしいけれど、我々の滞在中、誠実に仕事をこなしてくれた。
 空港で応対してくれた、現地の旅行会社インツーリストのスタッフ・ナターシャも、1998年に函館校に留学していた経験があると言い、イリイン校長との再会を懐かしんでいた。
 分乗して、アルチョム市にある空港から暗い道路を飛ばして走る。中心部に近づくにつれ、灯りも増えて、ロシア語の看板がウラジオに着いたことを実感させる。ずい分とマンションや大型店が増えた気がする。

 今回宿泊するのはホテルプリモーリエ。ウラジオストク駅のそばにある、豪華ではないが清潔なホテルで、最近は日本人ビジネスマンの利用も多いという。部屋もベットもバスルームも狭かったが、ちゃんとお湯は出るし、私にはこれで十分。
 各自部屋に荷物を置いて、私たちはホテルの中にある24時間営業のピザハウスで安着祝いを兼ねた遅い夕食を取り、明日からの仕事に備えて休んだ。現地時間24時、ようやく横になる。やっぱりウラジオストクは、近くて遠い。 (つづく)

ロシア極東国立総合大学函館校 事務局 大 渡 涼 子

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2010年02月19日

ウクライナ風イースターエッグ講習会のご案内

 正教会では、復活祭の間際に卵を赤く染めて飾り、親しい人と交換する習慣があります。それに伴い、今回函館ハリストス正教会で、ウクライナ風イースターエッグ講習会が開催されます。ウクライナ地方に広まった伝統工芸の技法を用いて、復活祭の飾り卵(イースターエッグ)を作ってみませんか?

日 時:2010年2月27日(土)・28日(日)
    13:00~16:00
*2日間で一つのエッグを作成します。

場 所:函館ハリストス正教会 信徒会館(函館市元町3-13)

会 費:実費(300円程度)

申 込:ハガキに住所・氏名・年齢・連絡先を明記の上、教会宛に送付して下さい(2月24日(水)締切)。人数に限りがあります。
    
送付先・お問合せ:〒040-0054 函館市元町3-13
          函館ハリストス正教会 TEL0138-23-7387

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2010年02月15日

日ロ関係ゼミナール~函館から北方領土を考える~のご案内

 本校の学生には毎年、北方四島の青少年が根室市で交流を行う際のボランティア通訳や、北方領土ビザなし訪問への参加など、貴重な体験をする機会が与えられています。
 北方領土に関する外交交渉は長期化しておりますが、問題の解決には日ロ両国の交流増進と相互理解の構築が大切という趣旨から、社団法人北方領土復帰期成同盟渡島地方支部主催により、下記のゼミナールが開催されます。
 この中で、今年度根室市の青少年交流と色丹島訪問の両方に参加した学生が、体験発表を行います。また、昨年10月、函館市公式訪問団の一員としてウラジオストクを訪問した職員が、ウラジオと函館の交流を柱にお話しします。
 函館は1858年の最初のロシア領事館開設以来、ロシアとの長い交流の歴史があり、択捉島とは幕末から漁業関係で深いつながりのある地域です。この機会に函館から北方領土を考える一助となるよう、ご案内申し上げます。

日ロ関係ゼミナール~函館から北方領土を考える~

日 時:平成22年2月27日(土) 13:30~16:00

場 所:函館市国際交流プラザ 大会議室(本校建物1F)

内 容:1.講演「ウラジオストクと函館をつなぐ橋」
       ロシア極東国立総合大学函館校 総務課長 大 渡 涼 子

     2.北方四島交流(ビザなし交流)参加体験発表
      (1)択捉島訪問体験発表  佐 藤 陽 三 氏

      (2)根室の日ロ青少年交流、色丹島訪問体験発表
        ロシア極東国立総合大学函館校
         ロシア地域学科2年 芹 澤 寛 人

      3.質疑応答

主 催:社団法人 北方領土復帰期成同盟渡島地方支部(外務省所管法人)  ℡0138-26-1653

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2010年02月12日

ラジオ番組のお知らせ

 2月も半ばに入りましたが、函館校では来年度の入学生をまだまだ募集しております。つきましては、以下のラジオ番組に職員が出演し、みなさんからご質問の多い、函館校のしくみや卒業時の資格等について、ご説明いたします。
 また、函館校が行っている市民向けの講座や取り組みについてもご紹介します。
函館地区のみの放送となりますが、是非お聴きください。


HBCラジオ 函館市広報番組「市民の時間(市政パトロール)」
2010年2月17日(水) 11:45~11:50
出演:ロシア極東国立総合大学函館校
   講師  工藤 久栄

FMいるか 函館市広報番組「市政だより」
2010年2月18日(木) 8:20~8:25、17:45~17:50(再放送)
出演:ロシア極東国立総合大学函館校
   講師  工藤 久栄


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2010年02月10日

泉山元写真展「日本人の目から見る日本とロシア」のご案内

 このたび本校では、校内函館ロシアセンターにて標記写真展を開催することとなりました。泉山氏は青森県八戸市に拠点を置く三八五グループの会長として会社経営のほか、地元の名士として八戸市や青森県の公職を歴任、現在も青森県日ロ交易(前・青森県日ソ交流協会)取締役を兼任するなど、日ロ交流の発展に大きな理解と功績がございます。
 系列の八戸パークホテル、二戸パークホテルでは昨年から開催しているロシア料理フェアが好評を博しており、本校や在札幌ロシア連邦総領事館函館事務所も、展示民芸品の貸出や資料提供などで協力しております。
 また、泉山氏は財界人のメンバーで組織する経友写真クラブや有限責任中間法人二科会写真部青森支部会員として写真家の顔を持ち、二科展において多数の受賞歴がございます。
 今回の展示作品は14点、うち東北の祭りや風景を撮影したものが9点、ロシアで撮影したものが5点(モスクワ、サンクト・ペテルブルク、ハバロフスク)です。この機会に多くの皆様にご覧いただきたく、ご案内申し上げます。

  会 期:平成22年2月19日(金)~25日(木) ※土日を除く
      10:00~17:00 (初日のみ、オープニング 11:15)
  場 所:ロシア極東国立総合大学函館校内 函館ロシアセンター
       函館市元町14-1 ℡0138-26-6523
  主 催:ロシア極東国立総合大学函館校
  後 援:在札幌ロシア連邦総領事館函館事務所
  協 力:三八五流通株式会社

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2010年02月01日

感動を再び!芸術団公演テレビ放映のお知らせ

 昨年12月に行われた「ロシア極東国立総合大学附属芸術団函館公演」が、地元のケーブルテレビNCVで全9回放映されます。
 函館地区のみとなりますが、オープニングからカーテンコールまで、丸ごと2時間の放映です。感動のステージを再びご覧ください。当日来られなかった方もこのチャンスをお見逃しなく!

NCVスペシャル「ロシア極東国立総合大学附属芸術団函館公演」

【放送日】
2月8日(月)・10日(水)・12日(金)19:00~ 
9日(火)・11日(木)14:00~
13日(土)13:00~、21:00~
14日(日)9:00~、19:00~

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