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2007年02月26日

元気娘のウラジオ便り 番外編その2

 ええ、前回に引き続き番外編をお伝えいたします。今回はウラジオ激安ツアーにもってこいのルーシ号について。ルーシ号には今回7回目の乗船。私、ルーシマスターとでも申しましょうか?夏のアルバイトのガイドのお仕事も船の中でゲットし、勤労学生としてますますルーシ好きに。フフフ。なんでもお聞きくださいマシ。
 近くて遠い国、ロシア。ウラジオなんて本当に近いのに、飛行機代が韓国旅行と比べるとやたらとお高いです。やな感じです。070226.jpgなるべく交通費は安く、そして現地でかわいい女の子と少しでも多く遊びたいあなた!買い物三昧したいあなた!そこのあなたにお薦めなのがルーシなのです!!ルーシ号はウラジオー富山の伏木港を2泊3日かけて結ぶ客船。でも私が見る限り、客はついでに乗せててメインは車です。絶対!ちなみに写真の真ん中の穴はプールらしいのですが水を抜いて車を入れている状態です。定員人数は超えてないとは思いますが重量は限界を超えていないのでしょうか? 

 ではご説明に参りましょう。まずは出航まで。チケットは日本でもウラジオでも買えますが、どちらにせよイラつきます。いや、ロシアで買うほうが丁寧に扱ってくれますね。だから最初から対応の良さと正確さには期待せず、あきらめてください。ロシアで買う場合は、当日の夕方まで何度か電話で集合時間を確認してください。まあ今までの経験上、大体夜6時から7時くらいに集合指定され、結局深夜12時くらいまで待合室で待機することになるので広い心で行きましょう。そんなに遅くになっても、船にはいってから夜ご飯出してくれますので胃に自信がない方は適当に買って済ましてください。日本からでもやっぱり集合から出航まで4時間くらいありますが、それでも日本では入管さんが来るので、その時間に間に合わなければ大量の人に迷惑がかかり、たまに船長さんが乗船を断ってそのまま日本の港に残る羽目になるのでこっちはどれだけ暇でもおとなしく1,2時くらいに港に着くようにしましょう。

 で、ルーシの中です。ここは完全にロシアです。ほとんどがロシア人で、ルールもロシア、料理もロシアです。放送もロシア語ですが、独学でがんばったアレクサンドルさんが、がんばって日本語でも放送してくれているのでご飯の放送は聞き逃さないようにしてください。放送から15分くらい経ってしまうと、食堂に行っても料理を断られることがあります。放送がなったらすぐに向いましょう。ちなみにボリュームはすごいです。慣れない船旅のせいかほとんどの人がダラダラと寝ています。で、3食たっぷり出るのでまるで豚のように感じます。ブヒブヒ。
 全てがロシアだとは言え、でもまだ完璧にお湯が出るシャワーが部屋についているので、ロシアに向うあなたはここで最後のお湯を存分に浴びて後悔のない様にしてください。石鹸、フェイスタオル、バスタオル、1~2つのハンガー、コップ、シーツ、トイレットペーパーはついています。もっていくといいのはティーバック、スリッパ、室内で着る楽な服、暇つぶしの道具に酔い止めくらいでしょうかねえ。ちなみに7回中たった1回だけでしたが、かなり揺れて寝ていても枕が動くし、目をつぶって片足上げたら2秒持たないくらい揺れて、そのときの私の部屋が一番下の階の部屋で海水面から2メートルくらい上に窓があったのですが、揺れて完璧に海の水の下にもぐって水族館のようになっていたことがあります。個人的には昔、ヨット部にて海の女をしていたのでむしろ心地よかったのですが、おそらく普通はトイレにずっとこもる事になると思われます。
 そうそう、もしもロシアのプラグ(先が丸いやつ)と、PC、DVDをお持ちでしたら部屋で映画鑑賞が2泊3日できます。今回私はコーヒー片手に何度も一人で泣いて映画鑑賞にいそしみました。のんびりできていいですよお。

 そして夜。ミュージックサロンにて生演奏が聴けます。もしも女性お一人なら、なるべくやめたほうがいいですが船の中で誰か友達が出来たなら是非のぞいてみて下さい。他にもたくさんのロシア人としゃべれて、面白いし音楽もなかなかいいですよ☆今回は船の中で、ウラジオからシベリア鉄道に乗るという日本人大学生2人とロシアの至るとこでスキーをするというアメリカ人と知り合ったので夜は4人で音楽を楽しみました。で、途中からロシア人がどんどん寄ってきて、飲んで踊って大騒ぎ。その中でも一番仲良くなったロシア人のおじさんがウラジオでマフィアの一味を仕切っていると、酔っ払って自分で暴露。銃創や刺し傷、いろんな貴重なお話まで聞けて楽しかったですが、まあ、あまり深入りはしないつもりです。命は惜しい。もしも何かあったときに名前を使わせていただくことにしましょう。

 こんな感じで2泊3日はあっという間。下船も人に手伝ってもらって、女性万歳な感じです。荷物が重いのは、卒論の資料のせいではなくお土産のお酒のせいでした。ごめんなさい、セルゲイさん・・・
 下船してロシアの懐かしい臭いを・・・もとい匂いにくらくらしながら入管で待っているときに今回初めて麻薬犬が。でも日本の警察犬みたいのじゃなくて、村山元総理みたいな眉毛部分がやたらと長い、あくびばかりしている犬。私のかばんに鼻を押し付けていたけどお前が反応しているのは麻薬でなく、私の食べかけのイチゴポッキーだあ!やる気のなさが前面に出ている素敵なお犬様でした☆

 こんな感じでルーシの旅は終わりました。願わくば、知り合った3人の日本人とアメリカ人、無事にロシア脱出できますように。ちなみに誰一人ロシア語を理解しておらず、全部英語とジェスチャーでした。尊敬します。命を大切に。
 これからルーシに乗ってウラジオに来ようかと考えている方、このルーシマスターに何なりとお聞きくださいね☆

 以上、番外編終了。次回からはまたウラジオからお伝えいたします。お楽しみに!

極東国立総合大学附属国際関係大学政治科学・社会経営学部
6年 寺 越 弓 恵

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2007年02月19日

ウラジオストクのうまいものめぐり 3

<老婆心ながら:アドバイス編>
その1:最低限の料理名と注文の仕方は覚えておきましょう。スタローヴァヤでは後ろに人がつかえているし、モタモタしているとスープ係のおばさんもいら立ってきます。また、カフェ以上なら、メニューを読んで手際よく注文するスタイリッシュさも持ち合わせたいものです。めったやたらに注文しても、自分が望む料理に出会える可能性は低いでしょう。それこそ「ロシアン・ルーレット」を避けたければ、予習あるのみです。

その2:「カフェに入ったが高くて注文できなかった」「メニューを見てから高いのに気づいたが、店を出るのもカッコ悪いから注文してしまった」という話を時々聞きます。もし高い店に入ってしまっても、あわてる必要はありません。紅茶だけ注文すれば良いのです。そうすれば、せいぜい20~40ルーブルです。
またはボルシチとパンだけ注文しても良いでしょう。どこの店でもボルシチの値段は安くおさえています。(80ルーブルぐらいまで。) あるいはもっと正直に、最初に店に入る時に、「この店は高いですか」「一品いくらぐらいですか」とアフィツィアントカにと聞いてもよいでしょう、もし高ければ「今お金がないのでまた来ます」と言えばいいのです。
いずれにせよ、ロシアの人達だって、皆がお金持ちではないはずなので、我々が日本的な感覚で体面を繕う必要はないと思います。実際、私もそのように言って特段恥ずかしい思いをしたことはありません。紅茶一杯でも良いかと聞けば、たいてい「ダー、ダー、パジャールスタ」と言って迎えてくれます。

その3:会計編。スタローヴァヤなら問題なさそうですが、概して「小銭ありませんか」と聞かれます。手持ちがあれば出してあげましょう。もし小銭がなければ「ニェット」といえば、レジの女性はどこかで両替して戻って来ます。
問題は183ルーブルとか端数のある時で、200ルーブル出せば、普通は3ルーブルないかと聞かれます(=この辺の感覚は日本的ですね!)が、33ルーブルくれと言われる(=50ルーブル札を釣りに出したい)こともあり、その辺は臨機応変に対応する必要があります。(皆さん、数字はしっかり覚えましょう!)。
カフェ以上だと「ショート、パジャールスタ(計算お願いします)」といえば、アフィツィアントカが計算書を持って来て、テーブルに置きます。合計額ピッタリのお金が手元にあれば、計算書のファイルの中にお金を挟んでテーブルに置き、席を立ちます。お釣りの必要な時は、アフィツィアントカに手渡します。
ただし、カフェ以上だと店によっては小額(10ルーブルぐらい)のお釣りはくれないことがあります。事情はよくわかりませんが、計算違いではないようです。その程度のサービスはしていますよと言うことでしょうか。

<おわりに:反省編> 概してウラジオストクの食料は豊富と言っていいと思います。外食をしても、肉・魚・野菜・乳製品など比較的バランスよく食事を取ることができました。(と思ったのがいけなかったです!)。
但し、インフレのせいか、思ったより食費は高くつきました。毎日夕食を外で食べていた私は、その分、朝昼を素食(粗食?)にしました。朝は部屋でパン・コーヒー・チーズ・カルバサー(ソーセージ)、昼は学食でボルシチとパン1切れ。夜だけしっかり食べれば良いだろうと思っていたのです。しかし、今思えばこれが間違いでした。毎日たくさん歩いたこともあって、夜しっかり食べたつもりが実はカロリー不足だったのです。体重は2ヶ月で4~5キロ減りました。おそらく、ご飯(米)を食べなかったのが最大の原因でしょう。ロシアの人達に黒パンが必要なように、日本人には米が欠かせないのです。帰国する少し前、函館校のK君達に招かれて、久しぶりに食べさせてもらった白いご飯と味噌鍋がとても美味かったのを思い出します。
外食は所詮外食です。当然、安全性や栄養面で問題は多いはずです。またカフェの料理が本当の意味でのロシアの家庭料理と同じはずがありません。そのあたりをくれぐれも誤解のないようにしたいものです。しかし、偉大なる好奇心と食欲をもって、うまく自炊と組み合わせて栄養のバランスを考えて食べるなら、ウラジオストクでの外食はとても楽しく、あなたをきっと満足させてくれることでしょう。

(おわり)

山崎 淳司(函館校にてロシア語研修中)

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2007年02月14日

FMいるか 多言語みんたる 3

FMいるかで放送された ONE WORLD WAVE「多言語みんたる」の内容をご紹介する第3回目です。

ゲスト:ロシア極東国立総合大学函館校
    教頭 アニケーエフ・セルゲイ(以下アニ)
聞き手:財団法人 北海道国際交流センター
    事務局長 池田 誠(以下池田)

<12月16日放送 第3回 ウラジオストクとシベリア鉄道>

池田:こんにちは!

アニ:Добрый день(ド-ブルイ ヂェーニ)!

池田:今日はアニケーエフ先生の出身地、ウラジオストクについて伺います。函館の方もずいぶん行ったことがあるのではないかと思いますが(函館市とウラジオストク市は姉妹都市)、函館よりウラジオストクのほうが北になりますかね?

アニ:場所的にはウラジオは札幌と同じ緯度ですね。だからウラジオがちょっと北にあります。でもウラジオへ行く場合、我が校の教員たちはみんな新潟経由です。新潟が一番短く感じられる。新潟まで行って、そして飛行機で1時間20分でウラジオストクへ到着。

池田:近いですよねー。

アニ:近いです。東京へ行くのと同じ時間じゃないですか?

池田:新潟へ行くまでが遠い気がしますけど。

アニ:列車で9時間。昔、夏は函館から飛行機が飛んでいましたが、今はもうないです。だから不便です。ウラジオへは富山からでも、大阪からでも、東京からでも飛んでいます。

池田:そうなると、東京から行ったほうが近いかもしれない。

アニ:うーん、なぜか新潟に親しみがあります。

池田:なるほど。気候的には函館より寒いでしょうか?

アニ:だいたい函館と同じだと思いますが、違う点はウラジオストクは大陸だから冬が寒いです。寒いというだけでなく、風が強くて雪があまり降らない。降ったとしてもすぐ飛ばされてしまいます。だから街の中の風景はほとんどグレーなんです。ホワイトクリスマスという言い方がありますが、ウラジオストクの街中は残念ながらホワイトではないです。グレークリスマスになります。郊外へ行けばスキーもスケートも出来ます。だから雪は郊外からダンプカーで運んできます。それは札幌の雪まつりと同じです。

池田:なるほど。観光で行く場合にここはお勧めですよというところはありますか?

アニ:日本人にとって、一番近いヨーロッパと言えばウラジオストクじゃないですか?アジアの中にあるヨーロッパ風の街なんです。街の景色は函館に似ていますけれども、山ではなく、丘があります。湾から見てみたら函館そのものです。きれいです。

池田:でも函館よりももっとヨーロッパ風な感じなんですよね?

アニ:建築物などはヨーロッパ風です。街の中心の古い建物は19世紀終わり頃のもの、そのままです。見どころは、私は生まれたところだから当たり前で何もおもしろいところはないと思いますが、初めてきた人は驚くところもあります。ああ、きれいだなって。時間と希望があれば必ずウラジオストクに行ってください。今は私は函館に住んでいるので、ここはきれいだなって思います。住めば都です。

池田:やっぱり僕らが行くと、新鮮に見れるものはきっといっぱいありますよね?

アニ:自然がきれいです。トラもいますよ。

池田:トラ!

アニ:街まで入ったことがあります。子どもの頃、ウラジオでも報道されたんです。トラが街にいるって。

池田:何トラですか?

アニ:アムールトラです。

池田:よく北海道では、ヒグマが家の前まで来ました、とかニュースになっていますけど…。

アニ:ウラジオストクではトラなんです。

池田:トラも怖いですよね?

アニ:怖いです。熊もいますけど、熊は近づかないんです。トラはなぜか、人間が好きじゃないかと思います。

池田:熊は食べ物がそれなりに豊富にあるということじゃないですかね?

アニ:そうでしょう。トラは肉です。野獣の肉を食べます。だからイノシシの数が少なくなったときは、郊外に住んでいる農民の飼っている家畜を狙うんです。

池田:野生のトラがたくさんいるということですよね。

アニ:数が増えているという話を聞きました。

池田:ところでウラジオには函館校の本学があるんですよね?こちらのほうはどのくらいの大きさ、学生は何名くらいいるんですか?

アニ:学生は3万6千人以上。

池田:すごいですよね?総合大学ですから大きいですよね。

アニ:非常に大きいです。先生の数は5千人です。

池田:おお、すごいですね。そこに行ってみるのもおもしろいですね。

アニ:はい。ウラジオで一番大きな大学です。歴史もあります。

池田:そこで学食に入って食べてみるなんていうのもおもしろそうですよね。
ロシアはとにかく広いんですけれども、ウラジオというと、シベリア鉄道の出発駅ですよね。ここからモスクワまで鉄道がずっとつながっているわけですよね。

アニ:列車に乗って、ずっとモスクワまで行きますよ。

池田:どのくらいかかるんですか?

アニ:それは信じがたいと思いますが、7日間です。

池田:ええっ!? 7日間!!

アニ:同じ列車に乗って、朝は窓から昇る日を見ながら、夜は沈む日を見ながら、単調でたまらない景色なんですけど。

池田:それは日本でいう普通列車なのか、あるいは特急列車なのか…。

アニ:特急です。早いほうです。

池田:特急ですか!ちなみに乗ったことはありますか?

アニ:あります。子どもの頃、7日間。

池田:食事はどうするんですか?

アニ:レストランです。あるいは停車場で停まったとき、おばさんたちが何か売っています。外へ出て、市場みたいに好きなものを買って食べます。

池田:停車時間が長い駅があるんですね。

アニ:15分から20分くらい。

池田:それにしても7日間は長いですよね。

アニ:長いです。乗り合ってる人同士、ほとんどもう親戚になるくらいです。

池田:それでまた7日かけて帰ってくるといったら…。

アニ:2週間くらいの休みが必要です。日本人にとっては、そんなに休暇が取れないでしょう。

池田:2週間だと行って帰ってくるだけですよね。やっぱり広いということがわかりますね。

アニ:だからロシア人の心も広いとよく言われます。それは自然と密接につながりがあります。

池田:たしかにそれはあるでしょうね。狭いところにいると広く考えられなかったり。

アニ:ロシア人から見れば日本人の性格は「気が短い」。結構怒るのも早いじゃないですか。ロシア人が怒るまでは時間がかかります。でもカンカンに怒ったときはもう、むき出しに、目的に向かうしかないです。

池田:だんだん怒りが溜まっていく。

アニ:そうそう。だからロシア人の性格はよく「熊」と言われます。熊みたいにのろい、のろいけれども、怒ったときは恐ろしい。熊もそうですね。

池田:日本にはよくキレる子どもがいますけれども、ロシアにはいないんですね?どちらかというと辛抱強い。

アニ:私が日本語でなぜかロシア人にぴったりだと思うのは、「一に辛抱二に我慢、三四がなくて、五が忍耐」、これがロシア人の性格なんです。

池田:いやー、毎回話を聞いてるんですけれども、本当にロシアに対する認識が変わってきますねー。それではまた来週。

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2007年02月07日

元気娘のウラジオ便り 番外編その1

 待ちに待った冬休みです!帰国した次の日から移動、実家石川から遠くはなれた静岡までやってきました!!!今回はいかにウラジオ便りではありませんが、ロシアと日本の文化の違いを痛感した出来事をご報告いたします。

 冬休み-それは私にとっては絶好の出稼ぎ労働期間といえます。今回お世話になったのは、浜名湖のそばにたたずむ「鞠水亭」さん、年末年始の3週間。着物を着たまま常に走り続けていた気がします。階段は常に2段とび。はだけて太ももまで見えていたこともありますが、色気とは無縁でした。山猿、弓恵とでもお呼びください。帰国前にロシア人に「仲居さん」の仕事をすると説明したところ、どれだけ言っても「芸者」だと勘違いされましたがこんな品のない芸者はまずいないと断言できます。

 実は私、2年前にロシア留学する前も3ヶ月仲居さんをしたことがありまして、結構なめてかかっておりました。いや、仕事を、でなく、自分の脳みその容量を、ですかね。過信していました。今回何が一番大変だったかというと、ロシアで当たり前のようにやっていた癖をいかにして出さずに接客するか、ということでした。
 例えば舌打ち。ロシアに行ったことのある方なら誰でもご存知。金髪碧眼の美しいご令嬢でもロシアでは些細な事で舌打ちをします。むしろ、単なる息つぎのときの舌打ちもすることありますよね??最初は「なんでかかなり怒らせちゃったのかな??」なんてどきどきしていた私も、今では癖になっていて簡単に出ちゃうんです。ところがどっこい、日本でやっちゃうとそれは大ひんしゅくもの。特に着物着て接客している間は最低です。いつもは文化の違いを意識して、出さないようにしているのですが今回は帰国して3日目。しかも船で戻ったためなんだか頭がボケていたようです。労働1日目、出ちゃいました。お客さんの前で。鞠水亭さん、ごめんなさい・・・ ついでに言うと、ロシアで何か聞き返すときは「ああっ?」って、暴走族のように勢いよく、かつ眉間に皺寄せて聞くのは普通。日本でやったら単なるアホ。ちなみに私はアホです。年末の忙しい中、この山猿のせいでクレームがついていなかったことを切に願います。

 さらに大公開しますと、「しゃもじ」という単語を忘れ、お客さんの前でジェスチャーでご飯を手ですくい上げるまねをしていきなりクイズを出したりってことも。いやあ、若年性健忘症か、それとも留学生の宿命か。がんがん日本語を忘れていました。
 ついでに、仲居さんたちとの意思疎通も難しかった!「おたたみお願い」と言われ、私の頭の中で2つの日本語が浮かび上がります。「畳-日本式の床のこと」、「たたみ-洋服などをきれいにまとめること」・・・常識で考えるべきですよね、はい。でもそのときは本気で目が点。さらにはやかんを渡され「かけておいて」と言われたときに「かける-①火にかける ②かべなどにひっかける」の両方が頭に浮かび、くそ忙しいときに聞きなおす始末。外国人の気持ちがよくわかりました。ニホンゴムズカシイ・・・
こんな妙な日本人でも、旅館の従業員の方々はとっても優しく(我慢強く)接してくださいました。本当にありがとうございます!!おいしいものも食べさせていただき、楽しいお酒に参加させていただき、さらに稼がせていただき本当に感謝です。

 そして何より嬉しかったのは仕事後のでっかい温泉と、洗濯機。蛇口をひねると常にお湯が出て、一日の終わりには馬鹿でかい浴槽に、身を沈めることができたこと!星がきれいで毎日感動。さらにはジーンズまで手洗いしていた私が、洗濯機に洗濯物を入れてボタンを押すだけの生活に戻れたこと!!!!!感激でした。幸せでした。文明よ、ありがとう。
 皆さん、ロシアに来てください。どんな小さなことでも幸せと感謝の気持ちを抱けるようになりますよ。日本最高。毎日自然と笑顔になります。
 鞠水亭さん、今回はみょうちくりんな日本人の身元引受人になっていただき、誠にありがとうございました♪

極東国立総合大学附属国際関係大学政治科学・社会経営学部
6年 寺 越 弓 恵


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2007年02月03日

函館市国際交流展示会とロマノフ王朝展のお知らせ

2月5日(月)~9(金)の期間、函館市役所1F市民ホールにおいて、函館市国際交流展示会が開催されます。

また、3月22日(木)~4月5日(木)には北海道立函館美術館において、「ロマノフ王朝と近代日本展」が開催されます。
期間中、3月24日(土)には函館校の通訳・翻訳サークル「訳者小屋」が、バイカルに伝わる民話の朗読会を行います。

詳細は函館校のホームページをご覧ください。

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