月別過去の記事

2016年12月28日

2016年を振り返る

 いつも「極東の窓」をご覧いただき、ありがとうございます。
 2016年、函館は3月の北海道新幹線開業に沸いた1年でありました。運行開始の3月26日にはブルーインパルスが上空を飛行してお祝い、今では飛行機のほかに新幹線で東京に行く、という選択肢が生まれました。
 10月にウラジオストクの極東大学本学から日本語を学びにきた留学生たちは、ウラジオストクから韓国の仁川経由で青森空港に到着、乗り換えて新幹線で函館に入るというように、交通手段が増えたことは、ますます函館への距離も近くなったことを意味します。どうぞ身近になった函館へお越しください。

 今年ブログでは、過去の「はこだてロシアまつり」で作ったスタッフTシャツをアーカイブとして振り返りました。
 ロシアまつりは秋、夏、冬と時期を移しながら、過去18回開催していますがTシャツは第4回から作り始め、今までに15枚のTシャツができ上がりました。その時のまつりのテーマは何だったか、誰がデザインしたか。その時々で学生からいろいろなアイディアが出て、みんなで作り上げたまつりの楽しかったことを思い出します。頭を悩ませ、時間をかけてのまつり準備は大変ですが、大変なほど、お客様にもたくさん来ていただけるし、喜んでいただけるものでもあります。

 ところで今年は事務局の職員がロシアに出張する機会にも恵まれました。
 私は8月末から9月の初め、JT奨学金夏季短期インターンシップに参加する学生3名に同行し、初めてサンクトペテルブルクとモスクワを訪れることができました。
 今までは学生だけでロシアに送り出していましたが、インターンシップが3年目にあたる今年、一度検証が必要だったことと、受け入れ先へのご挨拶も兼ねて職員が同行することになったのです。
 学生時代に東京やロシアで企業訪問をし、現地で働く日本人に話を聞く機会などそうあるものではありません。企業訪問以外にも、留学実習で必ず訪れるウラジオストク以外のロシアを見ることができ、今まで学習してきたロシア語の力を試す機会でもあります。学生にとって将来進むべき方向を定めるためにも、大変有意義なプログラムであることがよくわかりました。
 そして現地で活躍される日本のビジネスマンたちは、自分の仕事に誇りを持ち、ものすごく優秀であり、努力もしている方々でありました。学生には高い目標でありますが、自分の夢を叶えるために何をすべきか、考えるきっかけになったことでしょう。

 私自身は、過去2回訪れたウラジオストクとはまた違う、ペテルブルクとモスクワの歴史の重厚さに圧倒されながら、ロシアの奥深さを再認識した旅でした。そして知っている限りのロシア語を使い、何とか目的地にたどり着いたり、ほしい物を手に入れたり。例えば窓口で列車の切符を買うこと一つにしても、前の人の表現を真似てみたり、たとえ片言でもこちらが一生懸命話そうとすれば、向こうもわかろうとしてくれるので、何とか通じる。そのような肌で感じたロシアについては、この「極東の窓」でも訪問記として追々お伝えできればと思っております。

 また、事務局の福尾瞳さんが初めてのロシアとして、10月にウラジオストク本学へ出張しました。サンクトペテルブルク、モスクワ、そしてウラジオストク。出張の合間にそれぞれが撮ってきた写真があまりにも絵になるので、カレンダーを作ってはどうか、という話になりました。
 写真を選び、月や曜日もロシア語で入れよう、だったらロシアの祝祭日も加えて、巻末に意味も載せようと、どんどん盛り上がっていきました。カレンダーのデザインや構成は福尾さんが担当してくれました。ロシア語の表記についてはロシア人の先生方の力を借りて、とても素人が作ったとは思えない、満足のいく仕上がりになりました。
 このカレンダーは来る2月11日(土・祝)の第19回はこだてロシアまつりで販売するほか、その前でも事務局にて販売します。収益はロシアまつりの収入とし、学生の活動に役立てようと考えています。
 
 最初からカレンダーにするつもりはなく写したスナップばかりですが、それでも切り取った景色からこのような写真が撮れてしまうのは、ロシアのすごいところだと思います。
 来年もまた、ガイドブックやウィキペディアではわからない、私たちにしか伝えられないロシアの魅力を書いていければと思います。
 みなさまにとりまして、来年もよい年でありますよう。

 

ロシア極東連邦総合大学函館校 事務局 大 渡 涼 子


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2016年12月27日

ロシアまつりTシャツアーカイブ 15

<第18回 2016年2月11日>
 
 Tシャツアーカイブシリーズもいよいよ最終回です。今年2月に行われたまつりのテーマは「春の祭典」。デルカーチ先生製作によるポスターもTシャツも、同じデザインで、「2016はこだてロシアまつり 春の祭典」ロゴに、太陽がにっこり笑っています。白地に濃いピンクのプリントでした。

 さあ、次はいよいよ「2017 はこだてロシアまつり」です!来る2月11日(土・祝)11~15時です。ただいま楽しいプログラムを考え準備中です。
 そして今年のTシャツもどんなものができ上がるか?どうぞご期待ください!

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2016年12月22日

ロシアまつりTシャツアーカイブ 14

<第17回 2015年2月11日>
 
 まつりのテーマは「春の始まり」。Tシャツは燃える雪の結晶と“МАСЛЕНИЦА ХАКОДАТЭ(マースレニッツァ ハコダテ)”の文字。デルカーチ先生のデザインで、ポスターにも同じ燃える雪の結晶が使われました。
 白地に赤いプリントです。

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2016年12月16日

ペテルブルク・モスクワ旅行記2

<2日目>
 サンクトペテルブルクの朝、時差ボケか4時ごろに目が覚めてしまう。朝食にも早いので、外はまだ薄暗いが散歩に出かける。今年の夏は異常に寒いそうで吐く息が白く、とても8月とは思えない。街行く人々はライトダウンやウールのコートにマフラーをぐるぐる巻きにした冬の格好だ。
 ホテルの前のアレクサンドル・ネフスキー大修道院に行ってみると、日曜日の礼拝のため、朝早いにも関わらずプラトーク(ロシアのスカーフ)で頭を覆った女性たちが多く訪れていた。

 

 それにしても寒い。ホテルに戻り、朝食会場に向かう。ビュッフェスタイルでアラディ(パンケーキ)やビーツのサラダ、キュウリやトマトの塩漬け、チーズなどロシア料理が多く並ぶ。

 この日は休日なので、学生3人とともに日本から申し込んだオプショナルツアーでペテルゴフとツァールスコエ・セローの見学に出かける。出発前、誰に聞いてもペテルゴフは絶対に見るべきと言われたので、とても楽しみだ。
 ホテルのロビーに昨日のガイド、リーヤさんが運転手とともに迎えに来てくれた。ツアーの料金は一人あたり18,800円と少々高めだが、値段の価値はあると思う。というのも、この頃は主に中国人を中心に団体観光客が増えたため入場制限があり、個人で訪れてもチケットすら買えない場合があるそうだ。それにガイドは必見のポイントを日本語で効率的に案内してくれる。

 車で1時間ほどでペテルゴフに到着。気温は上がり、空の濃い青が、緯度の高いところにいることを実感させてくれる。フランス式の上の庭園を通り、大宮殿の中を見学する。絢爛豪華なホールを次々と抜ける。大変混雑しているため立ち止まることは許されず、リーヤさんは年号や皇帝一家の名前、部屋の特徴などを何も見ずに早口の日本語でまくしたてる。すごい。

 大宮殿を出ると、眼下にはフィンランド湾に注ぐ大滝とそれに続く運河が。ピョートル大帝の命により作られたこの庭園には全部で150以上もの噴水があるというが、ポンプなど一切使わず、自然の高低差だけを利用し、噴出しているという。
 「いたずらの噴水」や「傘の噴水」など、人が近づくと水が噴き出す遊び心あふれる仕掛けがたくさんあり、とても楽しい。
 

 
 リーヤさんのおすすめという大きなアイスクリームを食べ、ツァールスコエ・セローへ移動する。

 エカテリーナ宮殿の見えるレストランでランチの後、宮殿内に入る。横に300mも広がる建物の大きさに圧倒され、細やかな装飾の美しさに目を見張る。

 中に入ってからも、天井まで届くほど大きな陶器でできたペチカや当時のままのシャンデリアなど、華麗な調度品に心を奪われる。

 そして大黒屋光太夫がエカテリーナ2世に謁見し、日本帰国の許可を得たという大広間。実際に見るとどこもかしこもキンキラキンで目もくらみそうだ。江戸時代の漂流民が日本に帰りたい一心でペテルブルクまでたどり着き、こんな豪奢な場所で女帝陛下に帰国を願い出るとは、いったいどのような気持ちだっただろう。想像するだけで涙が出そうだ。

 宮殿内はフラッシュさえ焚かなければ写真撮影は自由であるが、続く「琥珀の間」だけは禁止であった。第二次世界大戦時、ナチス・ドイツに壁ごと持ち去られ、2003年に復元された「琥珀の間」はさほど大きくはないが、四方の壁一面に琥珀が張りめぐらされた部屋など、ほかで見ることはできないだろう。しかしここが一番混雑しており、「早く出て!」という係の女性の言葉で、すぐ出て行かなければならない。

 リーヤさんによれば、ここ数年は日本人観光客が激減し、日本語ガイドにとっては死活問題なのだそう。代わりにビザなしで観光できる中国人がバス何台もで乗りつけるようになったため、リーヤさんも中国語の勉強を始めたが、日本人のガイドをした後に中国人のガイドは我慢できない、つまり日本人ほどマナーのいいお客さんはいないので、中国語の勉強はやめてしまったそうである。

 ツァールスコエ・セローは「皇帝の村」というその名のとおり、宮殿のほかにも美しく整えられた庭園の中に、エカテリーナ2世の食堂やお風呂など、別棟の建物が点在している。天気に恵まれ、建物のブルーやイエローといったヨーロッパ独特のパステルカラーが青空に映えて、一日いっぱいの散策もとても楽しかった。

 再びペテルブルク市内に戻る。街中のショッピングセンターで下ろしてもらい、ガイドのリーヤさんとはここでお別れ。夏休みで保養地に行っていた小学生の息子が明日帰ってくるの、と携帯電話の待ち受けでイケメンの少年の写真を嬉しそうに見せてくれた。大変お世話になりました。

 学生ともショッピングセンターで解散し、一人で夕食をとりにブリヌィ(ロシアのクレープ)のファストフード店“Чайная Ложка(チャイナヤ・ローシカ=ティー・スプーン)に入る。じゃがいもとキノコのブリヌィと、アクローシカという冷たい夏のスープにスメタナ(サワークリーム)を添えてもらい、207ルーブル(約400円)。
 ブリヌィは中の具がおかず風の物から甘いものまで様々選べるので、簡単な食事としては便利である。アクローシカも黒パンを発酵させた“クワス”というロシアの夏の飲み物で作るため、この時期に飲んでみるとよいでしょう。

ロシア極東連邦総合大学函館校 事務局 大 渡 涼 子


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2016年12月15日

ロシアまつりTシャツアーカイブ 13

<第16回 2014年2月11日>
 
 この年度からロシアまつりは趣向を変えて冬に行うこととなりました。毎年開催していたロシア伝統の冬を追い出し春を呼ぶお祭り、「マースレニッツァ」と合体させることになったのです。冬の象徴である「モレーナ」という2メートルもあるワラ人形を燃やすイベントです。テーマもそれを意識して、「冬を燃やせ!」。

 そしてこの年、学生発案のゆるキャラコンテストで誕生したのが極東大自治会公認キャラクターの「スーシキン」です。ロシアの国民的詩人・プーシキンをモチーフに、くせ毛の髪を「スーシカ」という小さなドーナツ型の乾パンのようなお菓子で表現したイケメンです。燦々と太陽が降り注ぎ、“До сбидания зима!(さようなら、冬)”の文字。燃えるような赤いTシャツでした。

 またこの年は、函館高専の学生とコラボしてスーシキンのキーホルダーも4種類作成・販売し、好評でした。

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2016年12月13日

peeps hakodate 12月号”に学生が載りました

 函館蔦屋書店が発行するタウン誌“peeps hakodate vol.37/12月号”にロシア地域学科1年 山之内アナスタシアさんが紹介されました。

 アナスタシアさんは今号から始まった巻頭連載「街と、人と。」の第1回目を飾っています。ロシア・ハバロフスク出身で5歳の時から日本に暮らすアナスタシアさんが函館校でロシア語を学ぶ理由など、インタビューに答えています。

 “peeps”は市内各所で無料配布していますが、日本タウン誌•フリーペーパー大賞2014で大賞を受賞するなど、大変人気の雑誌です。ぜひお手に取ってご覧ください。

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2016年12月08日

ロシアまつりTシャツアーカイブ 12

<第15回 2012年7月14日>
 
 この年のまつりテーマは「森のロシア、海の日本」。
 気仙沼市の牡蠣養殖家で“カキじいさん”として名高い畠山重篤さん著作の児童書「カキじいさんとしげぼう」のロシア語翻訳を本校グラチェンコフ先生が担当したのを縁に、畠山さんをお招きして、まつりの中で講演会を開催しました。

 Tシャツは学生のデザインで、ロシアの民族衣装ルバーシカ(男性用シャツ)と耳あて付きの帽子を身につけた熊のイラストをメインに、上にはロシア語で“Русский лес(ロシアの森)”、下には“Японское море(日本の海)”と書かれています。色も森と海を表したブルーグリーン、ロシアと日本がマッチした素敵なTシャツです。
 

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2016年12月01日

ロシアまつりTシャツアーカイブ 11

<第14回 2011年7月16日>
 
 函館ハリストス正教会と縁の深い聖ニコライが来日して150周年だった2011年は、記念するイベントや「函館ハリストス正教会史」刊行など

「ロシアより愛をこめて~ニコライがくれたもの」がテーマに、記念講演会や函館ハリストス正教会聖歌隊によるコンサート、イースターエッグの絵付け実演などを行いました。

 Tシャツは、学生のデザインで、鶴を抱いたエキゾチックなマトリョーシカです。バックには津軽海峡の荒波と函館山が見えています。150年前の函館をイメージした?日露融合のイラストです。

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