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2009年05月26日

20世紀のポピュラー音楽(ソ連・ロシア)

 一般向け文化講座「はこだてベリョースカクラブ」の今年度第1回目の講話内容です。

  テーマ:「20世紀のポピュラー音楽(ソ連・ロシア)」
  講 師:デルカーチ・フョードル(本校講師)

 音楽は言語に合わせて出来ています。日本には日本語に合った音楽、ロシアにはロシア語に合った音楽というように、です。加えて、ソ連時代には社会主義の国を作るための音楽や美術といったものが存在していました。労働組合が文化・芸術をコントロールしていたのです。例えば、労働組合から外れた人間は音楽をリリースしたり、画材を購入したりすることも出来ませんでした。ですから従うしかない。アメリカのブルジョア音楽であるジャズを聴いた者は、明日は国の裏切り者になる、とされたのです。
 ソ連は多民族国家であるため、それぞれの民族のスターが集まるという意味で、モスクワに集まる歌手たちの層は厚いものでした。また、国家から優遇される国民的芸術家となるため、彼らは優先権を争いました。国民的芸術家、日本の人間国宝のようなものになれば、生活は保障され、待遇が全然違いましたから。
 ソ連のポピュラー音楽は、“ロマンス”という特別なメロディーに乗せて心で歌う、日本の演歌に当たるものです。
 例えて言うなら、イオシフ・コブソンは日本の北島三郎、エディータ・ピエーハは小林幸子、といったところでしょうか。

 以下、実際に画像を見ながら曲を聴きました。

  ①レオニード・ウチョーソフ Леонид Утёсов 「月のラプソディー」
  ②マルク・ベルネス Марк Бернес 「オデッサの船乗り」
  ③ムスリム・マゴマエフ Муслим Магомаев 「結婚式」
  ④エドワード・ヒーリ Эдуард Хиль 「冬」
  ⑤エディータ・ピエーハ Эдита Пьеха 「隣の音楽家」
  ⑥イオシフ・コブソン Иосиф Кобзон 「ノクターン」
  ⑦ソフィア・ロタル София Ротару 「赤のヘンルーダ」
  ⑧アラー・プガチョワ Алла Пугачёва 「アルルカン」


<今日のひとことロシア語> 
 Доброе утро(ドーブラエ・ウートラ=おはようございます)!

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2009年05月15日

ゲオルギーのリボン

 ロシアが対ドイツ戦に勝利した戦勝記念日5月9日は、60年以上経った今でも重要な祝日として位置づけられている。近年、その傾向がより強くなり、「強いロシア」を誇示するための軍事パレードがモスクワの赤の広場で盛大に行われるようになった。日本のニュースでもその様子が報じられているが、ミサイルや戦闘機といった最新兵器が続々と登場し、一糸乱れず兵士が行進する姿は圧巻である。

 戦勝記念日に合わせて、2005年から行われている「ゲオルギー・リボン活動(Георгиевская ленточка)」というものがある。この日が近づく頃、オレンジと黒のストライプ模様のリボンが街なかで配布される。これは帝政時代の聖ゲオルギー勲章やソ連時代の栄光勲章の綬を模したもので、兵士の勇敢さを讃え、記憶するものとして、人々は車のアンテナや、バックの持ち手に結んだりするそうだ。

 先日、この活動に賛同しているモスクワの放送局「ロシアの声」から世界各地にある「ロシアの世界」基金ロシアセンターにこのリボンが送られた。ロシア文化への接点として、訪問者に配布してほしいとのことだ。到着が遅れ、今年の記念日は過ぎてしまったが函館校のロシアセンターでも配布していますので、興味のある方はお洒落にご利用を。

ロシア極東国立総合大学函館校 事務局 大 渡 涼 子

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2009年05月13日

にぎやかに、新入生歓迎会

 今年も学生自治会が企画した新入生歓迎会が、にぎやかに行われました。ベイエリアにあるレストランで学生・教職員ほぼ全員が、函館校の新しい仲間を温かく迎えました。

 今年の新入生は函館市内はもとより、遠くは大阪・下関からも来ています。高校を卒業したばかりの人から30代まで、年齢も様々。自己紹介を聞く限り、個性派ぞろい、今年も楽しみです。

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2009年05月08日

知識へのキー

 函館校の入学式で行われている「知識へのキー」授与。 “КЛЮЧ К ЗНАНИЯМ”と書かれた大きなキーが、校長から新入生の手に渡されます。これから勉学の道を進むにあたり、まずはこのキーでその扉を開けましょう、という意味で、ロシアでは多くの学校の入学式で行われている風習です。
 
 本来、ロシアの入学式は9月1日。この日、新一年生たちはおめかしして、お花を手に登校し、担任の先生にプレゼントする、というとてもかわいらしい風習があります。また、ある先生の通った学校では、一番体の大きな男の子が一番小さな新一年生の女の子を抱え、女の子がベルを鳴らして歩くという慣わしがあったそうです。

 そういえば1994年、函館校の開学式でも、女性の先生が玄関でベルを鳴らして開学を告げている写真が残っています。どれも、私たちが大切にしているロシアの風習です。


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