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2007年12月28日

2007年を思う

 今年も残りわずかとなりました。こうして1年を振り返ると、実に様々な人の手をお借りして、この「極東の窓」は成り立っていると感じます。書き手はもちろんのこと、こちらからは見えない、どこかで読んでいてくださるみなさんにも。

 このブログにとっての今年は、新コーナー「八幡坂ノート」や、通訳・翻訳サークル「訳者小屋」の活動紹介など、函館校をもっと身近に感じていただこうという思いとともに、外へも広げるべく、ロシアという国を様々な角度から紹介しようと試みてきました。そんな中、「ウラジオストクのうまいものめぐり」を書いてくださった山崎淳司さんや、いつも楽しい話題を提供してくれる卒業生のみなさんには大変感謝しております。

 一番嬉しかった出来事は、「元気娘のウラジオ便り」を連載してくれていた寺越弓恵さんが、外国人として初めて極東大学本学の修士号を取り、卒業されたということでしょう。函館校の卒業生が世界のどこかでがんばっている、彼女はその好例だと思います。ウラジオ便りとしての連載は終了しましたが、また新たな形で参加してくれることを望んでいます。
 そのほか、今まで函館校および領事館関係者だけだった函館市在住のロシア人に遠峯エレーナさんが加わり、ラジオ出演という形でこのブログにも参加してくださったことも喜びです。こうして函館校に関わる人が増え、ロシアの輪が広がっていくことが私たちの願いです。

 来る2008年は、北海道洞爺湖サミットが開催されます。ロシア関係のイベントも増え、私たちがお手伝いできることも出てくるでしょう。サミット関連の行事として開催されるG8大学サミットにはロシアを代表して極東大学本学が招待される予定です。世界各国から錚々たる大学が集まる中に名を連ねることは、函館校にとっても誇りです。

 まだまだ寒い日が続きますが、学校の裏にある猫柳はもう赤い芽をつけ始めました。この芽がふくらみ、3月頃、銀色の花穂に変わるのをいつも楽しみに眺めています。みなさまにもよい春が訪れますように。

函館校の前「八幡坂のイルミネーション」

ロシア極東国立総合大学函館校 事務局 大 渡 涼 子


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2007年12月21日

FMいるか 遠峯エレーナさんを迎えて 1

 今回は2007年11月、FMいるか「ONE WORLD WAVE」で放送された内容をご紹介します。
 この番組では毎月いろいろな国の方をゲストに迎えてお話を聞いていますが、11月はロシアをテーマに、遠峯エレーナさんがゲスト出演しました。

 エレーナさんはロシア・エカテリンブルグ出身。大阪留学中に知り合った現在のご主人と結婚して、2007年3月から函館在住になりました。主婦をしながら通訳・翻訳の仕事もこなされるエレーナさんのバイタリティあふれるお話を聞いてみましょう。
 3回に渡り放送された内容を随時掲載しますので、今後もお楽しみに!

ゲスト:遠峯 エレーナ(以下 レナ)

聞き手:財団法人  北海道国際交流センター
     事務局長 池田 誠(以下 池田)
    ロシア極東国立総合大学函館校 
     事務局 大渡 涼子(以下 大渡)

<11月3日放送 第1回 エカテリンブルグについて>

池田:今月はロシアということでお届けしていきたいと思いますが、特別にロシア極東大学の大渡涼子さんと一緒にお届けしたいと思います。大渡さんにロシアの方をご紹介していただきました。遠峯エレーナさんをお迎えしています。こんにちは。

レナ:こんにちは。

池田:エレーナさんはエカテリンブルグ出身ということなんですが、場所がどの辺かをイメージしたいので教えてください。

レナ:まず、みなさんはモスクワがどこにあるか知っているかと思うんですけれども、モスクワからシベリア鉄道に乗って列車で30時間ぐらいかかりますね。

池田:30時間!?

レナ:飛行機だと2時間くらいで着きますね。モスクワから東の方ですね。

池田:遠いですねー。ちなみに乗ったことはないと思いますが、モスクワからシベリア鉄道で一番端のウラジオストクまではどのくらい時間がかかるんですか?

レナ:ウラジオストクまでは8日間ですね。

池田:じゃあ30時間は近いんだ。

レナ:そうですね。ちょっと覚えてないんですけど、千七百何十キロですね。

池田:大渡さんもロシアは何回か行ってると思いますけど…。

大渡:私はウラジオストクに1回行っただけなので、エカテリンブルグの方は行ったことはないんです。

池田:今は函館に住んでいらっしゃるんですけれども、気候的にはどうなんでしょうか。

レナ:気候は、エカテリンブルグよりも、ちょっとこちらがやわらかい。

池田:それじゃあ、エカテリンブルグは寒いんですね。

レナ:はい。

池田:実は今日は半袖でいらしてるんですけれども、寒くないですか?

レナ:寒くないです。

池田:冬が本当に寒いということなんですけれども、暖房なんかはどういう感じなんですか?

レナ:暖房は集中暖房なので…。

池田:集中暖房。別に自分で灯油を買ってきたりはしなくても。

レナ:しないんですね。町が管理しているので、光熱費として毎月料金を払って、町が決めた日に暖房が点くっていう形になっています。

池田:ああ、ちょっと今日は寒いからストーブ点けよう、なんて言っても点かないってことですよね。

レナ:そうですね。

池田:ロシアには極東大学の学生さんも行っていると思いますが…。

大渡:うちの学生はウラジオストクに留学するんですけれども、寮もそういう感じで夏場はお湯も出ないし…。

池田:夏はお湯ないの!?

大渡:はい。

池田:寒くないですかね。

大渡:そんなに函館と変わりはないと思うんですけれども。ただ社会主義時代の名残なんでしょうかね、国が管理して一斉に暖房が入る、切るっていうのは。

レナ:例えば真冬にとても熱くなることがありますよ。最近ロシアもちょっと変わって、お金持ちの人が結構出てきて、家の暖房機械を変えて、それでお湯を切って冷たくすることは出来るんですけれども、暖房はなかったらないってことですね。それだけは自分で管理出来ないんです。

池田:すごい、国の力!夏の冷房なんて入れてくれないんですよね?

レナ:冷房はないんですけれどもエアコンを付ける人はいますね。

池田:それはOKなんですね。そういう意味ではだんだんお金持ちの人も出てきてると。

レナ:はい。

池田:今エカテリンブルグを地図で見てたら、ここにウラル山脈ってありますけど、聞いたことないですか?

大渡:地理で必ず習いますよね。

池田:習ったような気がしますよね!

レナ:でも、日本のイメージでは山脈って山が高いですよね。だけどウラル山脈ってそんなに高くはないんですよ。山がもう古いので、低くなってますね。

池田:またまたー、そんな知らないと思って!山が低くなりますか?

レナ:はい。もう低くなってて、町から山は見えないし、私が大阪に行ったときに山の景色はどちらかというと不思議に思いました。

池田:だんだん低くなるんですか?

レナ:はい、古くなるとそうですね。

池田:へえー。なかなか興味深いですね、エカテリンブルグ。ここは観光地なんでしょうかね。

レナ:私は大学にいたときに日本人の団体旅行者のガイドをしていたんですね。それでシベリア鉄道に乗っている人が、ウラジオストクからモスクワまで8日間はちょっとつらいので、途中で降りたりしています。
エカテリンブルグは大きな町なので、途中で降りる人がいて、それでガイドしたりしてたんですけれども、観光地としてはまだ有名ではないと思います。なぜかというと、ソ連の時には外国人は入っちゃだめな都市だったんです。

池田:じゃあ、今は入れるんですね。

レナ:入れるのは入れるんですけど、まだそんな有名ではないので、観光客の数が少ないです。

池田:でも行ったことないところはみんな行きたいですからね、これから来るかもしれませんよね。

レナ:よろしくお願いします。

池田:そういえば僕、ご紹介もせず、遠峯エレーナさんがなぜ函館にいるのかを説明してませんでしたが…。

レナ:エカテリンブルグで生まれて、ウラル大学で日本学を勉強して、一回短期留学で大阪外国語大学で勉強して、そのときに今の旦那と知り合ったんです。
それからまたロシアに帰って、それでまた日本に戻るってことになって、大阪外大で修士課程を卒業して、旦那と結婚して、旦那の仕事の関係で函館に引っ越して来ました。

池田:ほおー、すごいですね。ますます日本が好きになりましたよね。どうですか、函館は。

レナ:函館は大阪よりはエカテリンブルグに近いという感じで、それとロシアとの関係・歴史が深いので、好きなところです。どちらかというと、函館に住みたいと思っていました。

池田:よかったですね。極東大学にロシアの先生方がいらっしゃいますけど、お話とかはされます?

大渡:ときどき遊びに来てくれます。

池田:いいですよね、やっぱりいるとね。日本語で話すんですか?

大渡:ロシア人同士が?

池田:でも、みんな日本語が上手だから、日本語で話してますよね?

大渡:ロシア人同士はやっぱりロシア語ですよ。

池田:そうですよね。でも、ここはいいですよね、ロシアのハリストス正教会もありますしね。

レナ:日本のロシア正教会で一番古いって言われています。

池田:何回も行きましたか?

レナ:はい、何回も行っています。ガイドとかもしてるし、友だちを誘ったときも必ず行く場所なので、百回近く行ってますね。

池田:百回!? 来たのは今年の3月ですよね。百回ってのはちょっとオーバーじゃないですか?

レナ:函館に来たのは今年の3月ですが、大阪にいたのは合わせて5年間です。
今の旦那は最初は大阪にいたんですけれども、その後2年間函館にいて、旦那の実家も函館なので、夏休み・春休みは絶対函館に来てたんですね。それと大阪から友だちも連れて来たり、ロシア人の友だちも連れて来たり。私は函館行きの飛行機のスチュワーデスさんの顔を知っています。スチュワーデスさんも私の顔を知っています。

大渡:いつも函館に来る人って?

池田:顔なじみになるくらいってすごいですよね。楽しいですね、函館。

レナ:そうですね、観光地もたくさんありますし、おもしろいところに友だちを連れて行けるんです。主婦なので、時々自分一人でも散歩したり写真撮ったりしています。

池田:大渡さんと遊びに行ったりするんですか?

大渡:それはまだないんですけれども、毎年函館公園で学校のお花見をするんですね。ちょうど今年、エレーナさんのお母様もエカテリンブルグからいらしたのでご招待して、みんなでお花見しました。

池田:ロシアにはお花見の習慣はあるんですか?

レナ:ロシアではまず桜がないんですね。

池田:日本もでも、桜がなくても別にいいんですよ、お酒があれば。桜じゃなくても花は何かあります?

レナ:りんごの木とか咲いてますけれども、5月末ですね。

池田:だんだんエカテリンブルグがわかってきたような気分になりましたね。この続きはまた来週お伺いしたいと思います。
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2007年12月17日

雪も降り止む愛の力!卒業生が結婚

 八幡坂は函館を観光するほとんどの人が記念撮影をする、とても景色のいい場所。毎日朝から夕方まで、人が途切れることはありません。映画やドラマのロケも度々行われているほか、婚礼の写真を撮っている花嫁・花婿もよく見かけます。

 そんな中、ともに函館校卒業生である小柏哲史さん・めぐみさん(旧姓 谷中)夫妻が函館校の前で写真撮りを行いました。
 哲史さんはロシア語科を2003年卒業、めぐみさんはロシア地域学科を2006年卒業と所属も年齢も違いましたが、ロシアまつりなどの学校行事を通じて親しくなり、愛を深めていったようです。

 11月22日、この日は入籍1年の記念日で、二人の出会いの場である八幡坂で記念撮影をしたいとの希望で、急遽教職員や在校生も仲間に入れてもらい、みんなで祝福しました。
 外は吹雪で非常に寒い日でしたが、撮影のときは幸せそうな二人にあてられたのか雪も止み、後輩の女の子たちが花嫁さんを羨望のまなざしで見つめていました。

 末永くお幸せに!

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2007年12月08日

ロシアまつりの裏側で

 はこだてロシアまつりの前日から当日までのオフショットを、時間を追ってご紹介します。

前日17:40、留学生も卒業生も一緒になって、カフェで出すブリヌイを200枚ほど焼いています。
18:25、ボルシチを作る準備をしています。アニケーエフ先生が作るボルシチは最高です!
19:00、人形劇の最終リハーサル兼関係者向けのプレ・公演。
準備の手を止め、学生・教職員が一足お先に堪能しました。
当日10:00、開場時にはロシア人留学生が民族衣装でお出迎え。華やかですねー。
10:20、クリーロフ学長がまつりに合わせ来函。オープニング・セレモニーでは実行委員の学生も、日本語とロシア語でごあいさつ。
11:00、キオスクにて。全部かわいらしくて、どれにしようか迷っちゃうなー。
11:30、みんなのお目当てはロシア料理レストラン!食券売り場には長ーい行列が。
11:40 おねえちゃん、きれい!体験コーナーで留学生に民族衣装を着せてもらう。

いかがでしたか?少しでもまつりの様子がおわかりいただけたでしょうか。今年来られなかった方は来年遊びに来てくださいね。

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2007年12月04日

素敵なチェスの贈り物

 見たこともない素敵なチェスが、このたびチェス好きのイリイン校長に贈られました。函館校校長就任10周年のお祝いとして、在札幌ロシア連邦総領事館のシェフチューック・レオニード総領事から贈呈されたものです。

 ガラスのチェス盤の上に置かれた駒は、なんと小さなグラス!クイーンやキング、ナイトなど、白黒それぞれ絵が描かれています。グラスに酒を満たし、ゲーム開始。敵の駒を獲得したらそのグラスを飲み干すのだとか。勝負がつく頃にはお互いすっかり酔っ払ってしまいますね。

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