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2008年06月27日

ミリオン・ズビョースト 第56号

 函館校の学報であり、函館日ロ親善協会の会報であるミリオン・ズビョースト/百万の星 第56号を函館校のページに掲載しました。

 今回の巻頭言は、パドスーシヌィ・ワレリー教授による「『主要8カ国』サミット-歴史と意義-」。まもなく開催のG8北海道洞爺湖サミットと、関連行事であり我が極東大学も参加するG8大学サミットについてのお話です。

 また、今春日本各地から函館校の仲間となった1年生による投稿では、3ヵ月を過ぎた学生生活について、それぞれの思いが語られています。ウラジオストク1ヵ月留学を終えた2年生による感想文もあります。是非ご一読を。

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日本にいながらロシアの大学へ!ロシア極東連邦総合大学函館校
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ロシアの文化,歴史,経済,政治などを学ぶ、日本で唯一のロシアの大学の分校です。

2008年06月24日

グータラ猫のウラジオ日記9  一番かわいいウチの子たち

長らくお待たせしました・・・。グータラです。ブログを書かなかったのは、けしてグータラしていたわけではありません。ただ、何を書いたらいいのか分からないのです。あまりにもウラジオストクに慣れてしまったため話題が見つからない。

う~ん、じゃあ、今回は私のかわいい学生の、うぃ~(よい)お話をしましょう。前々回、ブログで「ある学生の書いた宿題」について書きました。その学生がなんと今回のスピーチコンテストに出場したのです。期待はしていなかったので、彼女に「賞をもらえなくてもスピーチコンテストは出ることに意義があるのです。」と、遠まわしにあんたのスピーチでは優勝できないから、期待せずにがんばりなさい(By・鬼)。的なことを言っておいたんです。やさしいでしょ?もともと性格のいい子なので、私にそんなことをチクチクと言われながらも、一生懸命練習をしました。原稿もありとあらゆるバリエーション(5パターンくらい)で作ったし、すべての原稿全部に発音記号をふったし、常にMP3を持ちあるいて発音の練習をするなど、淡々と仕上がっていきました。なにが凄いかというと、彼女は大学の勉強のほかに毎日「秘書」の仕事を5時過ぎまでしているのです。その後にまたスピーチの練習をして、家に帰ったら宿題もやって、原稿も覚えて・・・というハードスケジュール。でも、すべてをこなしてしまう人っているんです。1度も授業を休まない。1度も宿題をやってこなかったことがない。手をぬかない。性格もよく礼儀正しい。人を羨ましがらない。素直だから、ちゃんと言ったことをそのまんまやってくるので手がかからない。全く私と正反対の彼女。こういう人と一緒にいると気持ちがいいモンです。

こんな学生生活を送ったら、将来有望間違いなし!いい会社に入っていいお給料をもらえること間違いなし!!ウ・ハ・ウ・ハ☆ なんでしょうが、知っていてもなかなか出来ないのが人間。努力ほど報われるものはないのにね。
っとっと、そうそう、彼女の話。彼女の努力のおかげであまりにも発音が綺麗に直っていくもんですから、(こりゃあ、もしかしたら優勝いける?)と、まるで親心に欲が出たかのように、むしろ私に気合いがON。彼女に、ジェスチャーをつけるように指示。ジェスチャーがあるほうが観客の目を惹き、表現力もアップする。そうすれば、もちろん評価も上がりやすい~。すると、

女学生「私はジャスチャーを使いません。」
わたし「ジャスチャーを加えた方が評価は上がりやすいのよ。」
女学生「私は、普段からジャスチャーをあまり使いません。だから、私のスピーチでもジャスチャーを使う必要はありません。」

・・・その通りである。彼女は、自分らしさを曲げず、けして欲に引っ張られない強さがある。
神。えらい!あたしって、なんて欲の塊・・・。別にスピーチコンテストって試験じゃないし、上手に話せたか、観客に気に入られたかはただの結果にしか過ぎない。自分のスピーチを、自分らしさを消してまで話す必要はない。発音を直すのも評価のためではなく、スピーチを分かりやすく伝えるため。それは、全部自分のためにすること。ジャスチャーや大げさな表情をすると、実に表現力があるように思われ、スピーチコンテストには欠かせないトッピングのようだが、言葉だけでも魅力的ではないか。

ただし、余程スピーチが上手でなければ、トッピングなしのカレーなど・・・おっとと、スピーチなど味気ないもの。観客は3時間も言葉を聴きっぱなしので、視覚に届くものがないと飽きてしまう。

まあ、彼女の性格上、先代から続いてきたカレーの味をカツやエビフライをのせず、そのままのすっぴんカレーで勝負するタイプかな~と思う(カレー屋?)。
ということで、コトコトとじっくりカレーを煮込むように、練習を重ねてきて、いよいよ本番。いつもどおりに緊張を加えた控えめなスピーチでした。

はっきり言って私の感想。・・・・花がない!! と・いいますと、他の学生に比べてインパクトや声の張りや面白みに欠ける。ですから、(よかったね、日本語の勉強になったしいい思い出だったね)と心の中で、少し残念なような一つ仕事を終えたような気持ちでいたら・・・・なんと!優勝してしまいました。喜び以前に、マジ超意外なんだけど!って顔した女学生。驚きで泣いてしまった私(あほ)。それを見た応援団(彼女のクラスメイト達)が、真っ先に、私のほうに来て「先生おめでとうございます!」。

いえいえ、何にもしてないし、私が優勝したんじゃないし!むしろ、自分の教え子の実力も分からず、諦めさせようとした薄情な教師だし!!でも、私が泣いているもんだから、なんとなく私に「おめでとう」って言っちゃったのね。そばで、当の優勝者が大きなクエッションマークを頭にくっつけて、どんな反応をしたらいいのか困っている。滑稽である。

後で審査員に伺ったところ、他の人に比べて一番日本語が自然で、内容も悪くないし聞きやすかったそうだ。ふむふむ。いろいろなラーメンがあるけど、やっぱりシンプルなしょうゆラーメンにたどり着いてしまう・・・ということではないか!?

まあ、花があるとかないとか、物足りないとか、誰の意見も見解もどうでもよくて、「一番かわいいウチの子」が賞もらえて最高な気分なのである。

そして「一番かわいいウチの大学の学生達」が応援してくれてとっても感動!!かわいいかわいいかわいい。あーかわいい。

教師とは教える側だけど、実際教わる方が多いし、彼女のような学生なら、私よりもずっと知識があるし、これはもう、「私が学生に教えさせて頂いている」と言っても過言ではない。

ロシアの学生達はいつも私にプレゼントをくれる。それは物ではなく(物も結構もらう。ぐへへ。)彼らのがんばる姿や笑顔や優しさや純粋さ。それが時々何かの形になって現れて私を喜ばせてくれる。  ・・・チョコレート付きね。

彼らの側に居られる事は本当に幸せなことだと思う。今回もまた、ロシア人に「ドモ☆アリガト」なんである。

* ロシア人は「どうもありがとう」を「ドモ☆アリガト」と言います。「☆」がポイントです。

極東国立総合大学附属東洋学大学 日本語講師 長谷川里子

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2008年06月18日

北海道しらかばラムネ

 白樺(берёза:ベリョーザ)はロシアで最も愛されている木。函館校で市民向けに開催しているロシア文化講座、「はこだてベリョースカ(берёзка:白樺の若木)クラブ」は、白樺のように親しまれる講座になるように、との願いを込めて名づけられたものです。
 白樺はまた、古くから習俗やロシア正教会の儀式の中で使用されるなど、重要な役割を果たしてきました。ロシア人は白樺を特別な力が備わったものと考えていたのです。
 ベレスタ(бреста)という白樺の皮でできた小箱や櫛、髪飾りなどは、精巧な細工が施され、軽くて柔らかい手触りを特徴とする、シベリア特産の工芸品です。白樺には自然の防腐・殺菌作用があるため、食料品の保存や薬箱としても重宝されていました。ガムでおなじみのキシリトールは白樺から採れる甘味料。そのほか、抗酸化作用や保湿効果もあるため、最近では化粧品にも白樺エキスが配合されるなど、注目を集めています。

 でも、白樺の一番の楽しみ方はその樹液(берёзовый сок)を飲むこと。雪解けが始まるとロシア人は森に入り、白樺の幹に小さな穴を開け、ストローを差し込んで樹液を吸います。春を目の前に、大地の養分をぐんぐんと吸った白樺の木は、樹液を豊潤に蓄えています。樹液といっても水のようにさらさらで、そのまま飲むことができるのです。ロシア人はこの白樺樹液が大好きです。無色透明でほのかに甘く、くせがない柔らかな口当たり。白樺の恩恵に与ったら、今度はその穴から虫が入り込まないように、松脂などできちんと蓋をします。
 残念なことに、貴重な樹液は雪解けからのほんの4週間ほどしか採取できません。芽が吹く季節になると、樹液はぴたりと流れ出るのをやめてしまうのです。樹液自体も時間が経つとすぐに味が変わってしまうほどデリケートなので、保存するのも難しい、だからこそロシア人は厳しい冬を越え、春の訪れを待ちわびて森に入るのです。この習慣はアイヌや他の北方民族にもあるようです。

 北海道でも最近では白樺樹液を製品化し、販売しているところがあります。函館の隣町、七飯町にはこの白樺樹液を10%配合した「北海道しらかばラムネ」を作っている工場があります。コアップ・ガラナで有名な株式会社小原さんが、今年はじめて、道内限定で3万本生産したもので、空港や道の駅などの土産物屋でしか手に入れることが出来ません。

 このラムネを今年のロシアまつりで販売できることになりました。暑い夏、北海道の青空の下でさわやかにラムネをあおる姿を想像してみてください。少しでもロシアの風を感じませんか?

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2008年06月09日

シャシリクは男の料理

 シャシリク、と言えばロシア人の大好きな串焼肉。ハーブやスパイスを用いてマリネにした肉を炭火で焼く料理です。
 ボルシチがそうであるように、シャシリクの味付けも地域や作る人によって様々。使う肉も豚だったり牛だったり、時には羊だったり。3cm角の肉を金串に刺し、炭火でふっくらジューシーに焼き上げます。
 函館校でも年に何回か、シャシリクパーティーを開きます。シャシリクというのはたくさん作らなければおいしくないし、大勢で食べたほうが絶対においしい!つまり家のキッチンで作るものではなく、屋外でわいわいと楽しむものなのです。

 函館校では毎年、教職員がロシア人墓地の清掃作業をしたあとはシャシリクパーティーと決まっています。これを楽しみに、札幌の領事館からも大勢のロシア人が集まります。仕込みを担当するのは、シャシリク名人・アニケーエフ先生です。
 アニケーエフ先生のシャシリクはいつも豚肉。目分量で味を見ながら漬けていくので、決まったレシピはありませんが、それはもう、先生の魔法としかいいようがないくらい、おいしい。誰にも真似が出来ないのです。
 味付けにはたくさんの野菜とスパイスを使います。玉ねぎ、パセリ、万能ねぎ、ときには三つ葉(ロシア人にとって香りのいい草は全部ハーブだそうです。日本人は通常、おひたしやお吸い物など日本料理にしか使いませんけど!)などを刻みます。つぶしたにんにく、塩、黒胡椒、ローリエ、レモン汁、酢などで味付け、アニケーエフ先生は使いませんが、赤ワインを混ぜる場合もあります。そして一晩寝かせるのですが、大量に作るので、肉を揉み込んで味を浸み込ませるのも一仕事。だからシャシリクは男の料理なのです。

 翌日、よく漬かった肉を串に刺し、炭をおこしてじっくりと焼く。そこら中に香ばしい匂いが広がります。熱々をほおばると肉汁が滴り落ちて、そのおいしいことと言ったら!
 集まった仲間で酒を酌み交わし、話に花を咲かせ、興に乗じて歌が飛び出す。だからみんな、シャシリクパーティーが大好きなのです。

*そのシャシリクが今年のはこだてロシアまつりで味わえます。是非ご来場を!

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