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2008年01月15日

FMいるか 遠峯エレーナさんを迎えて 2

FMいるか「ONE WORLD WAVE」で放送された内容をご紹介する第2回目です。

ゲスト:遠峯 エレーナ(以下レナ)

聞き手:財団法人 北海道国際交流センター 
      事務局長 池田 誠(以下池田)
     ロシア極東国立総合大学函館校
      事務局 大渡 涼子(以下大渡)

<11月10日放送 第2回 ロシア料理について>

池田:さて、2週目に入りました。前回はエカテリンブルグ、エレーナさんの出身地についてお話をお聞きしましたが、やはり食べ物の話を聞きたいですよね。

大渡:そうですね。みなさん共通に興味があるのは食べ物だと思いますよね。

池田:僕も興味があるんですけれども、エレーナさんは料理はされるんでしょうか?

レナ:専業主婦ってことで、毎日することになっていますね。

池田:義務!?

レナ:義務ですね。

池田:あんまりやる気がないけれども、しょうがないと…。

レナ:それは女性同士だとすごくわかると思うんですけれども、義務になるとやる気がある日とやりたくない日がありますね。

池田:作るのはロシア料理なんですか?

レナ:ロシア料理も作るんですけれども、やはり旦那は日本人なので和食も勉強して作っています。

池田:大変ですねー、ロシア料理も和食も。

レナ:洋食もお弁当も。料理の本を買って、それと旦那のお母さんに教えてもらってますね。

池田:なるほどね。味が違いますよね、日本食とロシアの料理では。

レナ:そうですね。味も違いますし、私は和食の味、もちろんわからないんですね。なのでレストランとか、お母さんのうちで食べたりするんですけれども、なかなか、自分で作るとなると、この味でいいのかなって迷ったりしてますね。

池田:しょうゆとか使わないんですよね、ロシアでは。

レナ:最近は使ってるんですけれども、ロシア料理には使わないですね。

池田:ではここで、エレーナさんの得意料理を伺いたいと思いますが、ベスト3を教えてください。

レナ:そうですねー、みなさんよく知っているピロシキ。ロシアでは作ったことがない料理だったんですけれども。

池田:ロシアでは売ってるの?

レナ:はい、売ってますが、どちらかと言えばみんな作っていますね。うちだけは作らなかったんですけれども。函館でも売ってますよ。

池田:僕も買って食べるんですけれども、揚げた感じのと焼いた感じのがありますよね。どっちが主流なんでしょう?

レナ:どっちもやってますね。たぶんシベリアのほうは揚げていて、ヨーロッパのほうは焼いたもの。

池田:大渡さんはどっちが好きですか?

大渡:私は焼いたのも好きですね。日本だとパン粉がついて揚げてますけれどもロシアじゃパン粉はついてないですもんね。

レナ:ついてないですね。

大渡:あれは日本だけなんですよ。

レナ:日本人はやっぱりピロシキって言うと多くの人は揚げたものって思ってますね。

大渡:あと日本人はひき肉が入ったものがピロシキと思ってますけれども、中身もいろいろあるんですよ。

池田:えーっ!

レナ:でもお肉が一番おいしいです。

池田:肉が入ってると思って餡とかジャムが入ってたら大変ですよね。

レナ:ジャムは入ってますよ。

大渡:りんごの、アップルパイの中身みたいのが入ってたり、じゃがいものつぶしたのとか、卵とか…。

レナ:きのことか。

大渡:キャベツとか。いろいろおいしいですよ。

池田:へえー、ちゃんと表示しておいてほしいですよね。食べるときの覚悟ってありますからね。ほかの料理はどうですか?

レナ:あとは日本にない赤カブを使ってボルシチを作りますね。

大渡:日本の赤カブは外が赤くて中は白いんですけど、中まで赤いカブですね。

池田:知ってます、赤ビーツ。僕、昔農業やってましたから、赤ビーツ作ってたんですよ。真っ赤になりますよね、ほんとにすごい色ですよね。あれがないとボルシチは作れない?

レナ:作れますが、ロシアは広いので、家庭によってボルシチの作り方は違いますね。ウラルは赤カブがないとボルシチじゃないって言われますけれども、私のおばあちゃんがウクライナに近いところの出身で、ウクライナのほうは、トマトと酢を使って作りますね。

池田:ボルシチにはどんな野菜が入ってるんですか?

レナ:まずお肉が入って、キャベツとじゃがいもと玉ねぎとにんじんと、赤カブ。

池田:上にサワークリームかなんかかけますよね。

レナ:サワークリームですね。私サワークリームがなくて本当に困っています。大好きでロシアではサワークリームだけをスプーンで食べるくらいだったので、日本にはなくてちょっと…。

池田:あれは売ってないですか?

大渡:最近売ってますけど、小さくて高くて、硬いですよね。

レナ:硬いですよね、ちょっと違います。

大渡:だからうちの学校で何かやるときには生クリームとプレーンヨーグルトを1パックづつ混ぜ合わせて、そうするとゆるい、ロシアのサワークリームに近いものになります。

池田:ボルシチはエレーナさんの家では週1回くらい?

レナ:週1回はないんですけれども、1ヵ月に2回は絶対作ります。

池田:あともう一つくらい得意な料理を教えてください。

レナ:クレープかな。

池田:クレープ?ロシア料理ですか?

レナ:ロシア料理ですね。ロシア語ではブリヌィって言いますけど。

池田:あれはデザートですか?

レナ:食事にもなります。作り方によっては食べ方も違います。

大渡:日本だとクリームとかジャムとか、甘いイメージしかないですけど、きのこを炒めたり、ひき肉を炒めたり、そういうものを包むと食事になりますよね。

池田:そうかそうか、それはピロシキと一緒ですね。食べたくなってきましたね。ロシア料理は特に冬の季節にいいような気がしますけどね。

大渡:あったまるような気がしますよね。

池田:あとそうだ、極東大学でお祝い事にでっかいパンで何かやってましたよね、なんでしたっけ?

大渡:「フレップ・ソリ」という歓迎の儀式がロシアにありまして、直径40センチくらいで高さが20センチくらいある大きいパンを用意して、お客様がいらしたときにパンをちぎって塩をつけて食べていただく。「フレップ・ソリ」というのは「パンと塩」という意味なんですけれど、それで歓迎するという儀式があります。

レナ:それはなぜかというと、パンは主食ですよね、塩はどの料理にも必ず使うものですよね、一番大事なものです。そういうことで、お客さんが来たときに一番大事なものを出します。

池田:なるほどね。意外とあれがおいしいですよね。パンと塩だけなのにね。

大渡:うちの学校では入学式に必ずやります。新入生をお迎えします、ということで。あとはこの前、ベールィ駐日ロシア大使が函館にいらしたときにもうちの学生がロシアの民族衣装を着て、フレップ・ソリでお出迎えしました。

池田:エレーナさんはフレップ・ソリのパンは作りますか?

大渡:あの大きいのは家庭のオーブンでは作れないんじゃないですか?

レナ:そうですよね。

池田:ロシアというと、やはりパンは黒パンという感じがするんですけれど、食べてますか?

レナ:黒パンはサハリンから飛行機の直行便で、友だちとか知り合いが持ってきてくれますけども、1回だけ自分で作ってみたんです。ロシア料理の本に載ってて、ライ麦を買ってきて、作ったんですけれども、ちょっと失敗して。おいしいのはおいしいんですけれど重くなって。

大渡:もともとむっちりしてますよね。

レナ:はい。またがんばりますので、作れたら黒パン屋さんでも。

池田:是非是非!そのときには連絡ください。

日本にいながらロシアの大学へ!ロシア極東連邦総合大学函館校
ネイティブのロシア人教授陣より生きたロシア語と
ロシアの文化,歴史,経済,政治などを学ぶ、日本で唯一のロシアの大学の分校です。

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