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2007年10月30日

露西亜は「健康」への鍵

インシュリンを打つほどでもないが糖尿病の人がいる。
運動不足、ストレス、日ごろの食生活など、ありとあらゆる要因ははかりしれない。
運動不足の原因は車。北海道は田舎に行けば田舎に行くほど歩かない。
車と家とのドアtoドアであり、寒くなればなるほど歩く事は少なくもなっていく。
さて、糖尿病というものをどう対処するのか…。
もちろん病院へ通い薬療法もある。運動のために歩く、そして食事のカロリー制限。
血糖値をいかに上げないようにするかを考えさせられる。

そんな中、頭の中で「露西亜」生活と結びついた。
ロシアで私達は歩き…歩き…歩き、買い物へ行った。
電停まで、バス停まで、駅まで。歩く距離もまた結構長かった。
帰り道、水やジャガイモなど重たい荷物を持ち、嫌々登った坂道。
汗を掻き、歩く。それによって血液の循環を良くし、健康的だったようだ…。
歩く事が知らず知らずに運動不足解消へつながっていたのだろう。
人によってさまざまだと思うが、私はロシアの食生活でも元気だった。
ロシアで食への不満は特になかった。
ロシアは黒パンが主流である…。そうこれだ、このライ麦パンが良いのだ。
最近ダイエット食とも言われているが、ライ麦パンは、食後の血糖値の上昇が少ないらしい。
日本で日常的にあまり食されていない。
ロシアの黒パンはおいしいだけでなく「健康」への道なのだ。
ロシアのパン屋さんに整然と並ぶ黒パンが、なんとも薬のように思えてくる。

「ライ麦パンだけかなぁ~」と思いにふけっていたところ、テレビ番組から情報がいくつかやってきた。
『赤ビーツに含まれるベタレイン(赤い色素は、ベタシアニン)には血糖を下げる作用があります』
これには、びっくりしました。驚きです。
いやはや、さまざまな食品を大学で研究されている教授、生徒の皆様に感謝です。
ロシアで赤ビーツはボルシチやサラダにはかかせない。
ボルシチは「多くの野菜が取れるおいしい赤いスープ」のようにただ思っていたが…。
赤ビーツが血糖を下げるとは、朗報です。
日本における赤ビーツ栽培が盛んになる事を、今まで以上に大きく期待した事はないです。
ロシアの代表的野菜とも言えるスビョークラ(赤ビーツ)は、すばらしい野菜の薬です。

その番組からの朗報は続いていきました。
『ピーナッツの渋皮にはポリフェノールを含み、これも血糖を下げる作用がある』
私の頭の中ではまた「露西亜」生活へ飛ぶ。
ロシアの市場や道端でコップに入って売られている渋皮付のピーナッツ。
それをポケットに忍ばせ歩きながらポリポリ食べるロシア男性。
ロシアで多くの渋皮が食されているであろうと推測。
そして、渋皮ごと食べていたロシア男性を教授のようにさえ思う。
渋皮を剥いて捨てて食べる私。今ごろ捨てられた渋皮が薬に見えてくる。

悩める子羊を抱える私は「露西亜ってやっぱり健康だったのだ…」と結論付けてしまった…。
まだまだいろんな「健康」要素がロシアにもいっぱいあるに違いない。
日本料理は健康的とブームを呼んでいるロシアだけれど、ロシア料理もまた健康的だと私は思うのだ。
もちろん食べ過ぎや飲み過ぎによるカロリーの取りすぎは良くない。
そう、日本食であったって、日本酒であったって、食べすぎても飲みすぎてもダメなのだ。
ライ麦パンも、赤ビーツも、渋皮も、食べすぎては「健康」にはつながらない。
でも、ほどほどの何かさらなる「健康」の鍵を、「露西亜」から見つけようとしている。

ダーチャへと向かう。
畑の土に触れ。
汗を流し。
収穫を喜ぶ。
恵みでの料理。
バーニャに入り。
家族と気の合う仲間で杯をかたむけ。
詩を歌い。
語らい。
心を休ませる。
きれいな空気を体に取り入れてながら。
ゆったりと時はながれる。

ロシアに行かなくても、少しだけ、ほんの少しだけロシアを生活に入れて…
きっと病も楽しく改善されていくに違いない。
つづく…「健康」へ……。「露西亜」ってステキ…。

函館校卒業生 山 名 康 恵

日本にいながらロシアの大学へ!ロシア極東連邦総合大学函館校
ネイティブのロシア人教授陣より生きたロシア語と
ロシアの文化,歴史,経済,政治などを学ぶ、日本で唯一のロシアの大学の分校です。

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