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作成:2003/12/29 gonza
追加・訂正:2004.1.1 (g)

遅くなりましたが…
総括!タトゥ東京ドームライブ です。


どんなコンサートだったのか?

繰り返される扇動的な見出し、熱烈な声援と期待と心配、吹き荒れるネットの荒らしとデマ、さまざまな非難や憶測・・・。世間の注目を一身に引き受け、もみくちゃにされながらも、とにもかくにも実現したタトゥの日本公演

「t.A.T.u. -Show Me Love JAPAN TOUR 2003- in TokyoDome」。

とにかく、ロシア人ポップアーチストがここまで衆目の的となったのも、東京ドームなんてでかいところでコンサートしたのも、前代未聞の出来事だったのです。

実際のところ、どんな感じのコンサートだったのでしょうか?


北海道のぴえるばやさんは、タトゥ&ロシアポップスの大ファンで、仕事の関係で行けるかどうか分からなかったのですが、記念だけにでもとチケットを確保します。結局、飛行機で東京ドームにかけつけられました。12月1日のコンサート直後に送ってくださった「緊急レポート」です(ぴえるばやさん、ありがとうございました!)。


いざ!東京ドームへ
 東京ドームへは今回はじめて来たのですが、夕方5時頃に到着、「おぉ結構来ているねぇー」とひと時は思ったのですが入場開始となり中に入ると・・・

アレ?スカスカじゃないか????・・・・そう、実は5万人を見込んでいたにもかかわらず半分程度しか埋まっていないのです。予想通りといえば予想通りなのですが・・・ところがあまりにもスカスカで会場全体にアナウンスが入り、2階席の観客を無条件でアリーナへ移動させるという・・・

つまりこの日2階席だった観客はアリーナ席で見られるという待遇になったのです。

さぁ始まったぞ!

映像の上映が始まってしばらくすると「まだ出てこないのか?」「長いな・・・」「まさか来てないんじゃねーかー」という声が周囲でしてきました。
10分たっても20分たっても30分たってもライブが始まらないのです。セルゲイさんは「困った事になった」と言う始末で、私も段々不安になってきました。

40分くらい過ぎた頃でしょうか、いきなり2人が出てきてAll The Thingsからスタートし歌い始めました。観客は少なかったもののかなり盛り上がり、一般応募されたタトゥーガールズという人たちも出てきて、10曲ちょっと歌ったのですが、すぐタトゥーの2人は下がってしまったのです。

結局1時間10分か20分程度で「休憩してるんだよきっと」・・・・会場のアナウンスが流れ「アーティストはすでに会場を離れました。本日の公演はこれで終了です」「え?!!!!!」 「ふざけるなよ」 というブーイングが・・・・結局、トコトコと歩いて出て行く道中、前を歩いていた高校生風の子は「ドタキャンされなかっただけいいよ」とブツブツ言ってました。

ロシアで過去に1度見た「ライブ」では内容も濃くて満足なライブだったしそれが日本で見られる・・・という期待感が強かっただけに淡々と進行され「ハイ終わりです」という状況はタトゥーファンとして少し残念でした。でも、ライブ自体はとても楽しく満足でした。

(ぴえるばや)
http://russiajapan.hp.infoseek.co.jp/ChatIndex.htm


ロシアで実際にタトゥの内容の濃いライブを目の当たりにし、今後のロシア人アーティストの日本招聘は、タトゥの成果いかんにかかっていることを誰よりも知っておられるぴえるばやさん。我が子の初舞台を見守る父親のような心境だったと思います。

タトゥーの凄さをいち早く日本に紹介し、ロシアのアーチストを応援してきたロシぴろとしては、ロシアのポップアーチスト初の大舞台・東京ドームライブが半分程度しか埋まらず、スポーツ新聞などで「不人気ぶりが明らか」(スポニチ)などと、「大失敗」として、大きく報じられていることが残念でなりません。

タトゥー 客が”ドタキャン” 東京ドーム公演(東京中日スポーツ)

t.A.T.u.不人気!ガラガラ1時間公演(スポニチ)

ガラガラ東京ドーム、タトゥー公演はやっぱり!…(サンスポ)

「探偵ファイル」さんの、コンサートの雰囲気が克明に描写された突撃レポート「t.A.T.uコンサート激写!in東京ドーム 〜 ギャラ3億円の中身はどうよ!? 〜」は、ファンには胸が締め付けられるような内容です。

これらの報道がクローズアップしているのは、客の入りの少なさ(ガラガラ)と、開始時間の遅れ(イライラ)、上演時間の短さ(異例の短さ)、アンコールがなかったこと(ブーイング)です。
つまり、興行上の問題や、進行の不手際、客の受けといった「ハード」面の問題です。

しかし、「ソフト」面の評価。つまり肝心のコンサートの内容や音楽がどうだったについては、ほとんど触れられていません。

音楽を聴きに会場に足を運んだ一般のファンの感想はどうだったのでしょうか?

タトゥの音楽を心から愛するЭМИさんが、12月1日のコンサートの評価を、冷静に、心をこめて書いてくださいました。(ЭМИさん、ありがとうございます!)

チケットが売れていないというのは本当で、私は1階のはじの席のチケットだったのですが、1階の中央の席に振り替えになりました。2階席の人も1階に振り替え。みんなが中央につめて、そのまわりは果てしなく広がる空席の海!でした。
「短かったけどコンサートが満足した!」という人もいます。きっとアリーナ席の人は楽しく盛り上がれたと思います。実際盛り上がっているように見えました。

座席がタトゥーとの一体感に大きく差を付け、満足度に差をつけました。

ドームのような空間でアーティストが豆粒にしかみえなくて、コンサートが楽しめるのは、巨大な空間中にファンが満ちていて、<アーティストを生で見られる楽しさ>と<ファン同士で集える楽しさ>、その熱気が広い会場を包むからなんですね。
巨大な空間で空席の海に浮かぶ島(1階席の私たち)を惹きつけるなんて、どんなアーティストでもむずかしいと思います。

DJがえんえんと続いて、今日もドタキャン・・・と不安が最高潮に達した時、聞き覚えのあるメロディーが。そう、今年何度聴いたかわからないあのAll the things she saidのイントロです。「よかった!やるんだ」と思った瞬間、タトゥーの二人がいた。あの時のときめきはずっと心に残るでしょう。

タトゥーの二人はよくがんばっていたと思います。二人の音楽性の高さを感じました。だからこそ、どうして6月〜8月にキャパ1000人ぐらいのスタンディングのライブハウスでコンサートをしなかったのかと今更ながら思います。新しいCDのプロモーションにも連動しない、楽曲のヒット時期からずれた時期のこのコンサート。タトゥーの言動でファンが離れてしまったとしたら、それは二人の自業自得ではあるけれど、<アーティストに対してタイムリーな時期に満席になる環境でコンサートを提供する>というのがスタッフやレコード会社の鉄則。それができなかったスタッフや主催者の誤算が悔やまれてなりません。

タトゥー二人の歌はよかったです。もっと英語じゃなくてロシア語で歌ってほしかったけど。「プラスティエ・ドゥビジェーニヤ(シンプル・モーション)」もやってくれたし! でも、巨大スクリーンはあまり生きていなかったように思いました。演出がいただけない!です。(作詞家兼プロデューサーだった)レーナ・キーペルが離れ、どんどん路線が変わっていくタトゥー。それを象徴するものでした。Loveがテーマになっているとはいえ、映るビデオは男女が性的な動きを見せる露骨な映像だったり、タトゥーガールに選ばれた女の子の体を足からなめるように追ってゆく映像だったり。今までの楽曲のビデオクリップの映像はものすごくセンスいい!と思いましたが、ライブ用に作られた映像はなんか、違うなっていうものが多かったです。

タトゥーが客席の人たちに「キスして」ってリクエストするところがありましたが、あれも「愛を見せて」がテーマなら、「隣の人とハグして」とか、会場中のみんなに隣の人と手をつなぐよう呼びかけた方が(谷村慎司になっちゃうけど!)、日本人には受け入れられたかもと思いました。

しかしながら、「Stars」と「ニ・ヴェーリ、ニ・ボーイシャ」の映像については、日本語の訳詞の断片が、スクリーンの中にコラージュのように現れ、流れてゆく、とてもセンスのある映像でした。
「Stars」で巨大な空間にレーナのしっとりした声がひろがってゆく時、鳥肌が立つほど魅了されました。

それから、後半、金粉のようなものがドームに舞って、濃いピンク色の照明をあびながらユーリャとレーナの上にひらひらと落ちてくるシーンがありました。とても幻想的で綺麗でした。ちょうどスクリーンでも、闇にきらきら光るものが流れてゆく夜桜が散るようなかんじで)映像が流れ、うまく連動してファンタスティックな雰囲気を創りだしていました。

ナマのふたりはかわいかったです。キスをするところも、決していやらしいという感じはしませんでした。何か甘酸っぱいものを感じました。しゃがみこんだユーリャをレーナが女王様のように叩く、ようなふりをするシーンもほほえましかったです。
二人のコンビのよさをあらためて感じました。

タトゥーの歌、とか二人の声の魅力とか、二人の存在の魅力、とかは十分伝わって、再確認できるコンサートだったのですが、きわもの路線をねらった演出のあざとさが感じられたのは、ちょっと残念でした。

新曲「ニチヤ」(レーナ・キーペルの「ニチヤ」とは別の曲)は、あまりいいと思えませんでした。レーナの震える声、せつなくて心に染み入るような。そして痛いほどアグレッシブで、でもナイーブさを感じさせるユーリャのパワー。そんなタトゥーの魅力が生かされていない気がしました。

タトゥー、今後どうなるんだろうと心配です。ロシアでは今回のライブ結果について、どのように報道されているのでしょう?
タトゥーの二人が父イワン(シャポヴァーロフ)を見捨てて、母キーペルのところに戻り、母が親権(クレジット他の権利)を獲得し、養育費(今までの報酬他)を父からもらって、二人の娘を育ててくれたらどんなにうれしいことでしょう!

タトゥーをすごく楽しみにして、これが生まれてはじめてのコンサートデビューになったティーンエージャーもいるのかもしれないなあと思うと、彼女たちの期待が裏切られなかったことを望みます。ファンサイトの掲示板とかで、「アリーナで楽しめた!」という感想を聞くと素直にほっとします。

ЭМИさんの視点からは、サウンド面からみたコンサートやアーチストの評価。遠巻きに見ているのではなく、「輪の中」に入って人が感じるその場の雰囲気や心情が伝わってきます。

タトゥのコンサートに前後して、タトゥのファンサイト/情報サイトは、2チャンネル系の猛烈な荒らしに見まわれ、多くの掲示板が一時運営不能になりました。
12月2日、有名なソルジャーブルーさんのサイトには、大半が2チャンネル方面からとみられる3万件のアクセスがあったそうです。掲示板書き込み禁止の措置がなされました。

たしかに、面白半分な荒らし書き込みを除いても、ファンの声のなかには、

「空席が目立つ」
「広すぎて一体感がなかった」
「開始が遅くていらいらした」
「アンコールがなくもう終わったの?という感じ」
「時間も短かった」

という批判もあります。

なかには、「タトゥーは好きだけど、あまりにも行動が常識を超えすぎていてついていけない」という理由で、ファンサイトを閉鎖してしまった女性もいます。

しかし、ファンの多くはコンサートを高く評価しています。

タトゥのファンサイトのいろいろな掲示板から声を拾ってみると・・・。
(声を紹介させていただいたファンの皆さま、ありがとうございます。この場をかりてお礼申し上げます。)

「ホントに最高でした!!」
「私的には大大大成功って感じです」
「自分の周りで見ていた人達も盛り上がっていました」
「あの場にいれてよかったと思います」
「タトゥーはやっぱり可愛すぎでした」
「生で聴く「シンプル・モーション」と「ニチヤ」は凄い最高でした!」
「とっても楽しかった」
「皆、曲に合わせて歌ったり踊ったりしていて、いい雰囲気で楽しめました」
「周りにも本当に楽しそうに踊ったり見てる人はたくさんいました」
「とても良いライブだったと思いました。」
「最高の思い出になりました」
「私としては大満足」
「この2日間は夢見てるよーな気分でした!」
「かなり音楽的に刺激された!」
「とにかく最高!すばらしいライブでした!」
「歌も最高。パフォーマンスも最高。」
「最後の方は凄く盛り上がった」
「生のt.A.T.u.最高でした!!!」
「めちゃんこにすばらしいライブでした!!」
「tatyファンであることをしみじみ幸せに感じて帰路に着きました。」
「一日目でライブ気分を味わわせてくれて、二日目は豊富なパフォーマンスで楽しませてくれる。二日続けてくるファンのための細かい心使い。いや、最近のがさつな日本人にこの気の使い方を見習わせたいものです。」
「歌い終わった後、ぐったりとリェーナに抱きついたユーリャを見たとき、私は本当に泣くかと思った。」
「とても感動しました。涙出そうでした!」
「嬉しかった。そして、涙が自然と出てました」
「帰ってからも大泣きしてご飯も口に入らんかったくらい」
「本当に感動したしすごい満足でした!」
「彼女達は本当にすばらしい歌を歌うの。」
「切ない!胸が痛いよ〜。 」
「言葉に表せないくらい最高なものでした!」
「聞いてくうちにすごく感動して、鳥肌もたって・・・」
「あの状況で、二人はよく頑張った」
「彼女たちを誇りに思う」

等々… 
賞賛の嵐といっても過言ではありません。

「海外の方」からの、最高だった!というレポートもあります(ぺとれんこさんのサイト)。
愛のこもったレポートと写真がすばらしいです。
祝、t.A.T.u.日本公演 -Show Me Love JAPAN TOUR 2003-

しかし、一般マスコミ報道とファンの声のこの落差はどこから生まれたのでしょうか?

会場面(広すぎる)、興行面(入りが少ない)、進行面(待たされた)での問題は
ファンにいわせると「タトゥー本人のせいではない」ということになります。

確かに、ファンの多くは会場やお客さんの入りを見に来ているのではなく
タトゥのふたりをこの目でみて、歌を聴き、踊りたかっただろうから。

この東京ドームライブで、公式アルバムには未収録、まったくの新曲「ニチヤー」の実質上のお披露目となりました。ロシアでは評価も高いものの、日本ではあまり知られていない「プラストェ・ドゥヴィジェーニエ(シンプル・モーション)」というヒット曲も歌いました。

ニュース記者にとっては些末なことです。しかし、ファンにとっては、嬉しい大事件なのです。。

それよりも、外タレコンサートとしての日本の興行上は「失敗」になるのかもしれません。しかし、ファンにとって

ファンにとっては、興行側の都合や席がガラガラだったということは、どうでもいいこと。

日本で初めてのタトゥーのコンサート、生で歌うタトゥーの姿を見ることができただけでもファンは満足だったのではないでしょうか。

それは彼らにとってはじめて触れるタトゥの生の声だったから。

「ファンにとっては売れていることが一番重要なことではなく、一番重要なのは彼女達の歌が聞けること」
(あるファンの声)なのです。

そこの視点の違いが、スポーツ新聞のマスコミ報道と、ファンサイトの掲示板の声の、180度違う評価となったのではないでしょうか。

「なんだかんだ言っても、最高でしたよ」

というのが、ファンの代表的な感想ではないでしょうか?



「世界で唯一、高い人気を保っている国」日本で、最後のチャンスだった大型コンサート

(世界中で人気が落ちつつある)t.A.T.uに(熱狂的な人気を保つ)日本が「最後のチャンスを与える」と報じていたロシアのマスコミもありました。

私はロシぴろを運営しているのでよくわかるのですが(笑)、外部に働きかける活動をしていると、内部では表には見えない問題が巻き起こっているものです。加えていろんな人がいろんなことを言ってきて・・・。ましてやタトゥのようなスキャンダラスかつ大規模で、個性的なメンバー。あのプロデューサーの指導のもと、内外のあつれきが絶えず、あらゆる方面からの強烈な批判にさらされるプロジェクトだと、内情は想像を絶する世界があるのではないでしょうか? それにあの子たちまだ19才なんですよ。熟年のベテラン歌手ではありません。あの年頃ゆえの心理的葛藤や悩みもいっぱいあるでしょう。たとえガラガラだろうが、遅れようが短かろうが、巨大なストレスを乗り越えて「遠い国」日本でのはじめてのステージ、しかもロシアのアーチストでは前代未聞のドームなんてでかいところで、よくやりとげた。マラジェツ(すごいぞ)!。その点は文句なくほめてあげたいです。

その突飛な行動や、計画の不備、興行的失敗があったとしても、これだけは認めてあげなければかわいそうです。

冷ややかな視線で対象をつきはなして報じることはできます。しかし、それでは「タトゥ現象」の本質とファンの心に触れ、それを伝えることはできません。私は、スポーツ新聞などのタトゥにたいする日本のマスコミ報道は、なにか大切なことを忘れているのでないかと思います。

ブーイングのなか、ライブを最後までやりとげさせた彼女たちのエネルギーの源はなんでしょうか? それは彼女たちの「歌うこと」への愛だと思います。なにが若者たちの心に響くのでしょう? それはなにをさておいても、心の張り裂けるような切ない彼女たちの歌だと思います。

ステージにいる彼女たちから見ても、お客が少ないことは一目瞭然だったはず。会場のあまりの広さにとまどい、野次馬もいるであろう全ての観客をノセることが不可能なことも分かったはず。二日目、ユーリャは泣いたそうです。39度の熱に耐えてのステージだったようです。コンサートに随行したロシアの記者も報じており、近くでユーリャを見た多くのファンの証言しているので、これは本当でしょう。また、レーナな極度の緊張と過労から、ステージで気絶して倒れたとロシアのマスコミが報じています。

そんななか落ち込まずに、最後までコンサートをやりとげたタトゥのふたりは、やはり大物で、プロのアーチストだといわざるを得ません。

想像してみてください。あのようなむちゃくちゃな重圧のなか、あなたは、落胆せず仕事やりとげられますか? しかも言葉の通じない異国で。猛烈なバッシングの嵐のなか、アイディア先行型の強烈な上司(プロデューサー)のもとで。僕は自信ないです(笑)。厳しいロシアで生き抜いてきた彼女たちの底力ではないですか?

コンサートの興行的失敗により、「タトゥはもう終わった」という声があります。
しかし、今回の事件により、ファンのタトゥへの気持ちと団結は、弱まるどころか、ますます固く強まるばかりのように思えます。

実際、ファンサイトではタトゥをますます好きになったという声をよくみかけます。

タトゥの姿に接する時、なんともいえない切なさが心に生まれるのはどうしてでしょう?
大衆(タトゥの歌詞にでてくる『あのひとたち』)の迫害、無理解の嵐の中、小さな身体で、懸命に走り続けるタトゥ。

猛烈なスキャンダルにもみくちゃにされながら、「愛して!」とメッセージを発し続ける彼女たち。

それが、みずから作り出したイメージ戦略の足枷(口の悪い人は「自業自得」と言う・・・)だと分かっていても、はらはらしながら、応援しないではいられない・・・。そんな切なさが「プロジェクト・タトゥ」の宿命だとしたら・・・。

その路線は『ヤ・サシュラ・ス・ウマー(All THE THINGS SHE SAID)』のイメージからかたくななまでに変わらず貫ぬかれています。

イワン・シャポヴァーロフの言葉が頭をよぎります。

「だからこそ、彼女たち(タトゥプロジェクト)はここまで来たし、これからもまだやっていける」
(タトゥ本『t.A.T.u.の意味 - オール・ザ・シングス・シー・セッド』の私たちのレポート参照)

シャポヴァーロフは、そのことを十分すぎるほど意識して、やることをやっているだけなのかもしれません。


タトゥとロシア、ロシアとタトゥ

今回を含め、一連のタトゥの日本での受けとめられ方と騒動を見ていると、僕はやっぱり、タトゥにロシアを重ねないではいられません。

予測不可能なロシア。個性を尊み、自由で「はっ」っと息を呑む独創性を見せるロシア、一方、信義や和を重んじ、コツコツと仕事をきっちりしあげる日本。

まったく対照的な国民性ですが、日本とロシアは似ているところもあります。

「忍耐」を知っていること。文学・音楽・芸術での共通感覚。哀愁を感じ、「情」を重んじ、余韻を楽しむ心。見えない(神秘的な)もの、刹那的なものへの憧憬など。

共感しつつ、自分にないものへのあこがれが、期待を生み、お互いを歩み寄らせます。が、分かり合えると思った瞬間、その絶望的なまでの国民性の違いが表出し、悲劇が生まれる・・・。

こんなに近い距離にあるのに、すれ違いの連続だった日本とロシア。両者の歴史的関係は、こんな繰り返しだったように思います。

信じては裏切られる。それで多くの人は離れていく。しかし、さんざん心配したあげく、結果的には思わぬ底力をみせ、最後までついていった人を魅了するロシア。それゆえ、ますます愛さずにはいられない・・・。

最初、一番熱狂的に受け入れられたと見られた日本で、結局は、マスコミなどに徹底的にたたかれ、多くの人に誤解されたタトゥ。東京ドームで初来日公演を終えて、祖国に帰るふたりに追い打ちをかけるように、スポーツ新聞は「見送りファン数人…タトゥー寂しい帰国」と報じました。

しかし、ファンだけは、そのすばらしさをますます深く確信し、ついて行く。

チュチェフ生誕200年

今年(2003年)チュチェフの生誕200年を迎えました。チェチェフが幼年期と青年期を過ごしたモスクワのガガーリン地所には、銅像板が設置され、外交官として22年間過ごしたドイツのミュンヘンには銅像が建てられました。
「ウモーン・ラシーヨ・ニ・パニャーチ...」(頭ではロシアのことは分からない)からはじまるこの詩は、ロシアでは小学生をふくめみんな知っています。

ロシアの代表的な叙情詩人チュチェフは、生涯の多く(22年間)をヨーロッパで過ごしながら、祖国ロシアについて考え、思いをよせ続けました。

彼の有名な詩が頭に浮かびます。


 頭ではロシアのことは分からない
 共通の物差しでは測れない
 ロシアには特別の味がある
 ロシアのことは信じるしかない



「ロシア」のところを「タトゥ」に置き換えて、僕はやっぱり複雑な気持ちで、心配しながら両者を愛さずにはいられません。





PS.
ところで、コンサートの最中、皆が一斉に携帯電話を頭上にかざしていたという話をききました。
これほんとですか?(新興宗教?) 日本は今、いったいどうなっているのですか?
(ずっとロシアにいるgonza 2003.11.28


タトゥーの東京ライブについては、T-T.Nさんが「あの日、東京ドームで」という詳細なレポートを書かれています。タトゥーの歌詞を翻訳し、その意味について思索してこられたT-T.Nさんのタトゥーへの深い思いが伝わってくる素晴らしい内容となっています。(掲示板に入るにはパスワードが必要)


タトゥコンサートの内容・曲目(二日目)/katzさんのレポート(ありがとうございます)
2日目のТАТУコンサート行ってきました。ロシア人歌手のコンサートなんて、アクヴァリウム以来だ!
今日の内容・曲目をお伝えします。
(英語の歌はアルファベットで、ロシア語の歌はカタカナで表記しました)。

PM6:49 客席の照明が落ちて、DJが登場。5つの巨大スクリーンのうち真ん中のスクリーンにビデオが映る。鉛筆削りとレコードとタトゥーガールズの映像が延々と。きのうの様子を聞いていたので、まだ余裕。
PM7:24 きのうは7時15分に始まったというのに、今日は延びていて、あせり出したころ、5つのスクリーン全部にビデオが映り、バンド演奏始まる。
PM7:27 「ペーチャ・ガトーフ?」(ペーチャ、準備できた?)といいながら、ユーリャ登場。続いてレナも。今日のレナは赤、ユーリャは白の衣装。ユーリャは頭にバンダナ。

1.All the things she said
2.How soon is now?
相変わらずユーリャは英語がしゃべれなくて、MCはもっぱらレナ。「みんなお互いにキスして」と何度もせがむ。
3.Show me love(電話の会話はナマのロシア語で)
4.30 Minutes
ここで「今度は歌わないからビデオを見て!」といって、スクリーンにユーリャが爆弾をつくる例のPVが流れる。ここでお約束の2人のキス。
5.30 Minutes(もう1度)
ところどころ2人が歌うが、後半はちゃんと歌った。
6.Stars(ラップはロシア語)
ユーリャのラップを生で聞けてよかった。
7.プラスティェ・ドヴィジェーニヤ(シンプル・モーション)
一度歌い終わった後、レナが「ビデオを見せるからスクリーンに注目」といって、カウントダウンしてもう一度歌う。2度目では風呂場でユーリャが恍惚の表情をする例のPVが流れる。
8.プラスティェ・ドヴィジェーニヤ(もう1度)
9.Malchik Gay
この後、「クト・マリチック?」(男の子は誰?)と会場を見回し、女子高生風のスカートをはいた茶髪の男子(ヤスさんというんですか)を花道に上げて、一緒に踊る。
10.クロウーヌィェ(人形たち)
ステージ奥のスクリーンには、ソ連の政治家やチェ・ゲバラなどの写真に落書きをしたビデオが流れる。
11.ニ・ヴェーリ、ニ・ボーイシャ(信じるな、畏れるな)
ここでバンドメンバー紹介。
12.Not gonna get us
歌い終わったあと、「すわりましょう!」「どこに?」と言って、2人はステージ奥の坂になっているところにすわり、談笑。マイクなしなので、何を話しているかわからない。
13.ニチヤー(誰でもない)
gonzaさんが記事を書いたキーベル女史の「ニチヤー」とは歌詞もテンポも違う、スローな曲。
そして大きな風船9個とともにタトゥーガールズがステージと花道に登場。
14.Not gonna get usのときに、下から出る花火(マグネシウム?)が何発も上がり、花吹雪が天井から。
そしてPM8:44に退場のときにバンドが演奏していたのは、「プラスティェ・ドゥヴィジェーニヤ」でした。
ちなみにペーチャというのは、ドラマーの人です。

PM8:42 歌終了。
PM8:44 「サンキュー、グッバイ」などといいながら、ガールズとともに花道を退場。
PM8:45 バンド演奏も終わって撤収。

以上でした。アンコールなし。きのうは小1時間と聞いたけど、今日は実質1時間15分。予想はしていたけど、もう少し歌ってほしかったな。でも思ったよりロシア語の歌が多くてよかったです。


追記(2003/1/2)

コンサートから日が経つにつれ、タトゥーライブを音楽面から評価し、肯定的にみる記事もでてきました。

雑誌Rocking onを読み、FMラジオのロック番組を聞いてきた私としては、非常に親しみのある先生のような音楽評論家の渋谷陽一さんは、「音楽的には文句のないレベルのライブ」と評し、

あまり日本で知られていなかった頃から、いちはやくタトゥに注目。マスへの紹介に尽力してこられた四方宏明さんは、「記憶に残るライヴをやってくれた」と評価し、

日本と世界のポップス・ロックを紹介しているBARKSは、「ステージ上の彼女達は確かにプロだった」と、タトゥの実力と努力を讃えています。
(情報提供:T-T.Nさん感謝)


写真の提供はぺとれんこさんにご協力いただきました。ありがとうございました。
(ぺとれんこさんのt.A.T.uファンを応援するサイトt.A.T.u=Тату)


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