めるのロシア日記 調子悪くてあたりまえ

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2005年3月1日(火) 小型の犬は死ぬまで子犬

晴れ。 8:00の外気温−10.3℃、室内23.7℃、湿度24%

今日から3月なのにマイナス10℃をきっとるとはオオゴトや。
先3日までの天気予報もこの調子、バルセロナも大雪、どうなっとん?
さぶいよー
さぶいよー
窓から見える海も、真っ白の氷を砕氷船が割っていく・・・

そんな寒さとはうらはらにオカーサンから熱い電話がかかってきました。
「中国のおみやげあるからとりにきて!」
オカーサンは週末、ロシアとの国境近くの中国の町へ買い物に行ってきたのです。

ご飯を食べ始めたところだったのでゆるゆる食っていたら更に熱い電話が。
「ちょっとアンタたち、何やってんの?オトーサンゆうべ遅かったから
今日は早く寝たいっていうからすぐ来てッ」
はいはいはい、女王様に逆らってこれ以上さぶいトコロに流されるのも嫌やしの。

オッサン浮かぬ顔。
「あ〜またナンカ変なもの買ってきたんじゃないのカナ、オカーサンは。」 ←アンタもです
「中国みやげはヘンと決まっとる。そんなこと思うても言うなよッ」
「言いませんヨ」
ということでご飯をかっこんで両親のアパートへ行きました。

中国帰りの時は一歩部屋へ入った瞬間、なにかしら「中国」なものがその存在を自ら
アピールしておるのです。
それは見なかったことにしよう、と思っても向こうからホレホレと目の前でダンスするほどの強烈さを持っているのですぐわかります。
ところが今回は何も変わったところがないご様子。
ちょっと拍子抜けしているとオカーサンが布のカタマリをひきずってきました。
「車のシートカバーよ、どう、いいでしょう〜」
・・・・・・・・・・・・・
いわゆるクラッシュベロアって生地ですな、シルバーグレーです、ゴージャス×2です。
オカーサン、こんなスーペル・ゴージャス・デラックスムードむんむんのカバーを
あのちっさいジープに装着なさるのですか。
それってミスマッチが素敵、とかミックステイストとかそういう狙いですか?とか
いろいろ質問したい衝動に駆られたのですが、反射的に
「ハラショー」と言ってしまいました。
だいたいヨメが姑に言う言葉はスパシーバ、ハラショー、パジャールスタ、これくらいでいいのです。
どんなにロシア語ができる貴女もそのことは右脳に叩き込んでおいてください。

こんどはでっかいビニール袋からガサガサっと服のようなものが・・・
オッサンにショートコートです。
オッサンのコートをオトーサンが着ることになったのでその代わりに、
というポリ綿のインナーがついた冬用コート。
「ドウデスカ〜?」
「うん、(どうでも)いいんちゃう〜」 にっこり。
オッサンのことはサルよりましならなんでもええねん。

「ほら、みてみて、こっちはアンタよ」
わ!恐れていたことが起こってしまいました。
今回中国へ行くけど何か欲しいものない?と聞かれたとき服を買ってきて欲しくなかったので
「ごま油としょうが買ってきて」と頼んだのです。が。
ロシア人が買い物する一角ではごま油はどこにもなくて、乾燥ゴマと油を指して
やっと欲しいものをわかってもらえたらしいのですが、今使っているやつしかない、
これでも売ることはできるけど、といわれたけど「油だから封を切ったものは買えない」
と言って断ったんだそうです。
しょうがは「名前を忘れて買えなかった」そうです・・・・。 ←ちなみに「インビーリ」
いいんです、ご苦労おかけしてすいませんでした。

それで結局オカーサン「が」買いたかった洋服を買ったんだそうです。
野放しにしといたらオカーサンは絶対服を買います、
そうです、わかっていたんです・・・

全身コーディネイトされていました。
「ほら、これを着て、」 ←黒の皮使いセーター
「これをはくでしょう、」 ←シルバー鋲、シルバーアクセ付き白パンツ
「そしてこれね」 ←蛍光ピンクのベスト。  キマった!!
ナウなヤングの小姐一丁あがりィ〜〜

「オカーサン、すごい、すてき〜!スタイリッシュね、うれしい」
訳:だれがこれを着てこれを履いてそしてコレなんですかぁ〜 ←涙目

「これもいいな、と思って一緒に買ったわよ」 ←牡丹の花のビーズ刺繍のセーター
「わーきれいーありがとう」
訳:更に追い討ちですかぁ〜

「ちょっと着てみてくれない?パンツのすそも直しに出さなきゃいけないし」
というので涙目で全部を持って両親の寝室の方に行ったら、
うあ!!!!!!!!!!
ダブルべッドがえらいことに。
ピンクで刺繍でレースでフリフリでサテンで光ってますがな、ペカペカと!
しかも枕までペカペカと。
無体な・・・
いまどきラブホでもこんなんないやろ・・・  ←知らんけど

「きれいでしょう〜、買ったのよ、ほらこれも」
うあッ!!!!!!!!!
ベッドの横にフリフリのフロアスタンドが!  ←150cm
ゴブランでレースでフリフリでリボンでバラでえらいことに。
無体や・・・無体すぎる・・・。
しかし、さすが中華商人、ロシアのご婦人の好みをよくわかっていらっしゃる!
ハートも財布も鷲づかみですネ。
と、中国人に敬意を表してあっけに取られているうちに
オカーサンにはいはいと着せらてしまいました。
とてもちっさい私なのでロシアで服を調達するのはなかなか難儀、
もしかしたらサイズが合わずに・・・と期待、もとい、心配したのですが
悔しい・・もとい、ありがたいことに難しいパンツのサイズもぴったり・・・
オカーサン、サイズぴったりです、どうしましょう。
この「白パン・金属付き・外パブ系」をはいてしまわねばなりませんか?
しかも目がチカチカするような蛍光ピンクのナイロンにぴったりしたリブがついた
女子小アイドルが着ていそうなコレも着ないといけないですか。
あのー、もうそのくらいの年のムスメがいるオバサンなんですけど?

そこでアタマに浮かんだロシアのことわざがありました。
「小型の犬は死ぬまで子犬」

「まあ、いいわねッ。それ着て今度日本に帰りなさい」
なんですと?
「うん、そうするねっ」 
訳:実家のハハがバッタリです

オッサンはシジュウ無言でした。
(それもどうかと思うゾ)


<本日の夕ご飯>
大根のスープ、きゅうりときくらげの酢の物、シイタケと牛肉の牡蠣油炒め、マカロニとジャガイモのミートソースミニグラタン

※オカーサンの去年の中国買い物は⇒2004年2月11日分

※本日のグルグルソング「МИКАНЬЮТОН/АНОМАЛИЯ」

穴マニア!!

オフィシャル

おろ?ロシアの新人なのにもう日本で紹介してる方が!かぐらさんの

不可思議音楽さん

2005年3月2日(水) ご婦人VS殿方

晴れ。 8:00の外気温−11.3℃、室内22.3℃、湿度25%
    12:43の外気温−7.8℃、室内23.8℃、湿度30%

ほんまになかなか暖かくなりませんねえ・・・・

「スペインやポルトガルも今年はすごく寒いんダッテ」 といって
オカーサンが中国で買ってきたコートを着てオッサン仕事にいく支度。

「もうすぐ国際婦人デーやな〜」  ←3月8日・ロシアの一大イベント
「そーですネエ」
「プレゼント何かな〜」
「ワタシ、赤軍の日に何かもらったっけ?」  ←2月23日(男性の日)
「私、去年の婦人デーに何かもらったっけ?」

ドロー。


<本日の夕ご飯>
鶏手羽と大根の煮物、キャベツとソーセージの煮込、野菜サラダ、赤だし

※去年の国際婦人デーはこんな風でしたという話⇒2004年3月8日

※本日のグルグルソング「МИКАНЬЮТОН/АНОМАЛИЯ・ミカ・ニュートン/穴マニア」
まあッ美香さん、こんな破廉恥な歌、お母様が許しても私は許しませんよッ。(恭子)

穴マニア!!



2005年3月3日(木) 映画よりおもしろかった

晴れ。 7:55の外気温−10.7℃、室内23.8℃、湿度23%

「今晩、映画行きマショウカ」
「え?何観るん?」
「トゥレーツキー・ガンビット。」
「あートルコのバンディッドか〜、ええよ。」
「ガンビット。」
「ああ、ガンビットな、はいはい、ほなご飯早目にするわ」
「じゃ、時間調べておきますカラ。行ってキマース。」

「トゥレーツキー・ガンビット・Турецкий гамбит」というのは
ちょっと前から評判になっているロシア映画です。
めっちゃ話題になったロシア国産初のブロックバスター映画、「ナチノイ・ダゾール」を
あっさり抜いて只今大ヒット爆進中。
露土戦争が舞台で、ドカーン、バシュ、バシュッ、ズドドドドドドドド、ビシッビシッ、
というような場面がふんだんにありしかもロシアは勝つわけでして、
オッサン好きそうやなーと思っていたらやっぱり観ずにはおれんかったようです。

焼き豚を焼いて待っておりましたところ、ご機嫌でおかえり。

「すぐ食べよか。でバンディッド何時からなん?」
「ガンビット。」
「はいはい、ガンビット。」
「9時15分デス」
というので余裕で夕ご飯を食べておりました。
「バンディッドってどんな映画なん?」
「・・・このアリちゃんはどしてそんな頭悪いカナー、バンディッドだと山賊ですヨッ!」
「ほなガンビットって何?」
「チェスの作戦。最初にネエ、こう、弱いやつを犠牲にしてやるんデス」
「ようわからんな。で、どんな映画?」
「観てないのにどしてわかりマスカ?」
「はい。」

まあいつものことですが余裕をもって事にあたってもたいがいぎりぎりになるもんです。
時間ぎりぎりでバタバタと飛んでいったら切符売り場は行列でした。
うちらの前あと2人になったとこで、なんとなくガンビットのポスターをみたところ、
上映開始時間が23:45となっています。
「ちょっとー、時間11時になってるで?」
「でも今日仕事場からインターネットで確認したんデスヨ」
「これ見てみい」
「ほんとダ。変ですネエ、オネーさん、ガンビット何時からデスカ?」
と窓口に呼びかけると
「11時45分です」
「アリャ!!!」 ←日本語

せっかく山から下りてきたし、しかたないので別の映画館に行ってみたのですが
そこも上映時間がほとんど同じだったのであきらめて帰ることにしました。
映画の時間が間違っている事は過去にも数回あったのでもう怒ったり騒いだりする
新鮮さもありません。

途中、新しくできたスーパーマーケットに寄って買い物してみました。
中に入ると販売員さんがお客さんの3倍くらいいて引きました。
この24時間スーパーはモスクワ本社のチェーン店だそうですが、最近店舗数を増やしています。
スーパーは市場より高いという認識だったので、ないものだけと思って手にとってみると
ありゃま、市場とほとんど変わりません。
街の中心の大きな市場に比べたらむしろ安いくらいだったのでビックリしました。
え〜なになに?なかなかいいんちゃう?  ←ちょっと映画のことを忘れた

微妙にご機嫌で帰路についたところ、オカーサンから電話がかかってきました。
「予定変更。今からこのまま両親のところへ行きマス」
「あ、そうなん、ええよ」 
偶然、おとといオカーサンにもらったセーターを着ていたからしめしめと思ったことはここだけの秘密です。

行ってみたら車関係のいろいろやったんですけど、「まあお茶でも」といって
全員座ったら「ちょっと聞いてくれる?」 とオカーサンが話し始めました。

少し前、両親のアパートの上の階の人が留守中にバスルームにお湯をあふれさせて
両親のアパートが水浸しになってしまい、
天井材や壁紙がほとんどダメになってしまったので交換修理したのです。
もちろん、修理費は上の階の人が負担することになりました。
オカーサンは業者任せでなく自分の気に入った壁紙じゃないと嫌だから自分で選ぶ、といって
オトーサンと買出しにいき、壁紙、糊、塗料や道具、を買って業者を待っていましたが
いつまでたっても来ないので結局ほとんどを自力で修理しました。

一番被害がひどかったのはキッチンです。
壁一面にシステムキッチンが組み込まれているため業者にきてもらって
取り外し・取り付け作業をしなければならなかったのですがそれもオカーサンが自分で
電話して支払いもしました。
上の階の人がよこした業者は修理の後半にちょっと来て、
壁紙の一部を貼っただけでほとんど仕事らしい仕事をしなかったのです。
それで修理が全部済んだのでオカーサンは上の階の人に自分で払った修理費のことを電話したら
いきなり、
「なんだ、まだ何か払えというのか、えっ?」
みたいな態度に出られたのです。
怖いですねーーーッ。
そんなことを「うちのオカーサンに」言うなんて怖すぎますよ、
ニコラエフ市長でも言いませんよ。

更に、
「300ドルも払ったんだぞ!これ以上どうしろって言うんだ!」 と、オカーサンの
スイッチをONにしてしまったご様子。

「300ドル?あーん?アンタのよこした業者のあんな仕事で300ドル?
いい加減にしなさいよ!あんな仕事で300ドルなんて!北朝鮮の労働者に頼んだら
これぜーんぶやって100ドルでおつりがくるわよ、あんたの業者がぜんぜん仕事しないから自分で買って自分で修理したのよ、うちが自腹きって払った分、
いくらあると思ってんのよ、それでも払う気がないって?
そういうことならいいです、わかりました、裁判にでも持ち込ませてもらいますから」
と言ったところ、相手は何か慌てた様子で電話を切ったようです。

しばらくしたらその上の階の人が現金掴んで飛んできたそうです。

オカーサンが自分で買ってあれした、これした、と列挙したとき何か変だな?と
思って業者の領収書と明細を引っ張り出してきて見たら、
オカーサンが買った壁紙やキッチンを取り外し取り付けした代金等、
うちで払ったあれこれが全部その業者がやったことになって請求されていたことがわかったのです!

怖いですねーーーッ!!!
その業者、上の階の人ばかりかオカーサンも騙そうとするなんて!
うちのオカーサンを騙そうなんて対独60周年より早いですよ、  ←?
未熟すぎます、モグリです、怖いです。

あっぱれなオカーサンの話に映画の時間がどうの、というような些細なことは
すっかり忘れてしまいました。
いや〜オカーサンってほんっとに素晴らしいですね、
それでは次回作、ご紹介しましょう。   ←無いように願います

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

帰りに車の中でオッサンと話していました。
「やー、でもオカーサン上の階の人に言ってってよかったな〜、
言わへんかったらそのまんまやで!」
「業者もまさかオカーサンが言っていくとは思わなかったんでしょうネエ、
でもオカーサンああいう人ダカラ」
「そんなん、悪くもなんともないやん、だって相手が悪くて修理費出すっていう話やったんやろ?」
「それはそうですケド、オカーサンは争いになっても言うのが好きっていうかなんていうか、
あれはどう、これはどう、これは変とかあれは変とかどんどん言うタイプで大事になっちゃうんデスヨ」
「いいんちゃう?オトーサンああいう風やから。  ←オトーサンは家の光
これでオカーサンが言わへんかったら両方騙されまくりやん!そんなん許せん!」
「でも日本ならきっとこういうこと起こらないでデショウネエ。責任とか支払いとかしっかりしてるじゃん。」
「さあどうやろ、こんな単純にはやらんと思うが。でも業者だけやのうて、
上の階の人もチンピラっぽいやん」
「ホント言うと、あの人をネ、ワタシは知ってマス。向こうは気づいてないと思いますケド」
「あ?」
「大学の同級生で一緒にクラブもしてマシタ。」

やっぱチンピラやん。

明日はバンディッド観ます。
チッサイコエデイイマスケド、「ガンビット。」



<本日の夕ご飯>
焼き豚、赤だし、野菜サラダ

※本日のグルグルソング「S.O.S / Невезет」

パチム、ニズナーユ♪


2005年3月4日(金) トルコのガンビット

晴れ。 7:55の外気温−13℃、室内20.4℃、湿度23%

朝10時くらいに水が止まりました。
今年も水不足の季節が始まったかと思ってイヤ〜な気分になりましたよ・・・。
気温もちーとも上がりませんし・・・
ホンマ今年はいつまでも寒い!

さぁ〜今日こそは観に行きますよ、バンディッド。 ←「ガンビット。」
いつも休みの前日は映画館が混むので避けてるんですけど、
明日の土曜日は来週の国際婦人デーの連休のために振り替え出勤日ですから
今夜は混まないと踏みました。

ロシアで映画館に行くと(というか浦以外は行ったことがないのですが)カフェが大盛況です。
カフェスペースが広くとってありみんな映画前の時間をそこで飲んだり食ったりして待っているんですねえ。
指定席を買っているのにわざわざその時間を過ごすために早めに行ったりするんですから
最初ナニゴトかと思いました。
映画は好きで日本でもよく観ていましたがだいたい仕事が終わって駆け込むとか、
休日に朝から大きな街まで電車で出かけ一番で入って、夜まで映画館を次々はしごして
最終で帰るとかそういう余裕とロマンのない見方だったので
ロシアのこの余裕はなんだ?と戸惑いましたよ。
え。私だけの話ですか?

浦でも映画館はビデオの普及とともにほどんと廃れて転業してしまい、
今日行く予定の映画館も私のむかーしのガイドブックではレストランになっています。
それが劇場映画再燃ブームで大々的に改装して再オープンするところが増え、
ここもまた映画館に戻りました。
ちいさいけどきれいですヨ。

冬に人気映画に行く時は毛皮コートを着ないようにするのがポイントです。
コートをクロークに預けると映画が終わって帰るときすごい人で、なっかなか受け取れなくて難儀するからです。
女性達はそんな事は気にならないらしく、みんなおしゃれして素敵な毛皮コートを着ているというのに・・
やはりロマンがないですか、自分。
というわけでダウンをプシュっと丸めクッション代わりにして快適シートのできあがり。
ちなみに映画のお値段ですが、シートによって3種類あり普通席440円、ちょっといい席480円、
2人掛けのソファ席ちゅうのが一番後ろにあってそこが2人分で1040円。
どこを買ったかって?
そんなん、ほっといてくれんか。

で、ガンビットですよ、ガンビット。
や〜〜、予想したよりずっとおもしろかったです!
大キャンペーンのブロックバスターやったらしいナチノイ・ダゾールや、
FSB肝入りのリチノイ・ノーメルよりずうーーーっとおもしろかったです。
CGはかなり幼稚なところもあったんですけど何せハリウッドの十分の一の予算なので
大目にみましょう〜
この映画は日本でも有名なボリス・アクーニンの原作で、エラストというモスクワ警察特捜部の
若い刑事が活躍する人気シリーズ「エラスト・ファンドーリンの冒険」という小説のニ作目、
「トルコのガンビット⇒トルコの捨て駒」です。
一作目「堕ちた天使」は日本語に翻訳されて発売されていますのでご存知の方も多いでしょうか。
今度はエラストがトルコ戦争に参加して大活躍という話です。
以下、ネタバレですので未見の方はご注意下さい。
(・・と映画系サイトのように書いてみたけど日本で誰が観るというのか?)

1877年、露土戦争(ロシアトルコ戦争・第六次)のセルビア戦線に義勇兵として赴いていたエラストは
トルコ軍に追い詰められ結局捕虜になりますが運よく逃げ出す機会を得ます。
しかし逃走のために使った馬車に乗っていた人物は実はトルコのスパイだったのです・・・
さあ〜何か起こりますね!
もちろん起こりましたよ!
美女も出てきますよ!
ロマンスもあります!
コメディタッチの笑えるところも!
推理も冒険も戦闘もてんこ盛り盛りでロシア人も日本人も大喜び!
そして戦争も終わりエラストとヒロインの別れのシーン。
「これからどこに行くの?」
「どこか遠い所、戦争のない所へ行きたい。たとえば日本。それより遠い所はないだろ」
そうなんですかー
日本、そんなに遠いところですかー
戦争ないですかー
でもその二十何年か後にロシアと戦争しちゃうんですわ、エラスト君。

はい、たいへんおもしろかったですね、ガンビット。
ネタバレどころかキャスト、ストーリーさえ書いてアリマセンでしたね。
いいんです、こーゆー話は興味ない人にはぜんぜんおもしろくないので
きっと今日の日記は読み飛ばされると思いますから引っ張るだけ引っ張って
あとは↓こんなことにしたいと思います。
この映画に興味のある方はロシぴろさんの「ロシア映画・アニメ・音楽の森」にお越し下さい。

この映画で一番気に入った場面は最初のひまわり畑での戦闘のシーンでしたが
一番驚いた事は上映中、お客の携帯が一度も鳴らなかったことです。


ロシアンぴろしきさん・ロシア映画アニメ音楽の森


トルコの捨て駒・公式サイト


ノーグ・スヴィローの挿入歌

「Идем на Восток!」


ボリス・アクーニン(悪人)さんは

こんな人



<本日の映画前バタバタ夕ご飯>
サザエとカニときゅうりの酢の物、豚キムチ、サリャンカ

2005年3月16日(水) ペンギンカメラ

晴れ。 7:50の外気温−2.5℃、室内24.2℃、湿度31%

明日は彼岸の入りだというのにまだ寒いです、浦。
窓から見える海も流氷で真っ白、砕氷船の通った跡が青い帯になっていきます。

浦は半島ですが凍るのはアムール湾だけで反対側のウスリー湾は凍りません、
ウスリー湾が冬に真っ白の時は河口近くの流氷が流れてきているだけです。
春になると、この海の影響で半島の両側で気温が違ってきます。
うちはアムール湾側にあってしかも山の上なので冷たい風がびゅうびゅう吹いて寒いのなんのって。
と思ったら!
昼は+8.2℃!!
日陰なのに!
窓開けちまいました。

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

最近日課になっているのが
「南極ペンギン観察」

2人してハマってます。

南極にあるライブカメラをインターネットで覗くだけなんですが、
「いち、に、さん・・・・・今日は8羽!」
「ワタシがみた時は15羽イマシタヨ」 ←ペンギンは一羽二羽と数える事を覚えた
「あ。真っ黒」 ←夜 

などと言いあって和んでいます。

このライブカメラはドイツのもので30分更新の停止画像なのですが
いつでもペンギンが見れるというわけでなく見れたらラッキvvってなもんです。
ペンギンカメラは犬とかネコとかたまごっちとかアイボとかPCゲーム等、
世話をすれば応えるとか育つとかグレるとか説教するとかと違って
自分の意思ではどうにもなりません、「ペンギンさんにおまかせ」です。
いたら→喜ぶ。
いなかったら→残念。
このへんがロシア暮らしの慰めポイントです。

ロシア暮らしで一番大切なことは「運がいいこと」です。
もうすぐ異動の時期ですねえ、
ロシア暮らしがこれから始まる方は、努力してもジタバタしても仕方ないという事が多いことに
打ちのめされるかもしれませんが安心してください、
そんな時はペンギンカメラ。
浦にてお仲間、お待ちしております。

                                                                                                                                                                  

南極ライブカメラ


※このカメラはかぐらさんに教えて頂きました。かぐらさんの

不可思議音楽さん


<本日の夕ご飯>
カレーライス、ポテトサラダ

++++++++++++++++

★本日のグルソン「エミネム/ライク トイ ソルジャーズ」 ロシアでも売れてます。
や〜なっつかしーですね〜マルティカですよ、日本語もありましたね。

トーイソールジャァ〜♪


2005年3月17日(木) 勘違いしてしまいました

曇り。 7:48の外気温+1.2℃、室内23.9℃、湿度26%

「あとでヴァレリがDVD借りに寄るって」
「そうなん?ご飯食べるかな」
「うちでご飯なんか食べてたらエレーナ(奥さん)に殺されるデショウ〜」
「そうか、レーナ一生懸命ご飯作って待ってんねんな」
「チガイマスヨ。ヴァレリが作るからデス」
・・・・・そうですか。

それでご飯を食べながら待っていたんですけど、ヴァレリはなかなかやってきませんでした。
「遅いなあ、ヴァレリ」
「ソウデスネー、仕事の帰りに寄ると言ったんですケド」
と、そこへベルの音。

「や〜〜こんばんは!遅くなっちゃって。仕事がなかなか終わらなかったんだよー、
現金の患者さん(賄賂とも言う)が遅い時間にやってきてー。
でもおかげで今日一日でロシアの医者の2か月分の給料を稼いだよ。」
「わあーーっ、すごい〜!やったね!!」
「ふむ。君が何についてすごいと言ってるのか予想できるけど、それは多分間違ってる。
驚くべきはロシアの医者の2か月分の給料がいくらか、ということだ。」

・・・・・・・・そうですね。
同情いたします。


<本日の夕ご飯>
カレースープ、カリフラワーのサラダ、揚げペリメニ、ハム玉ねぎパン

★本日のグルグルソングはオランダでデンマークでフィンランドでロンドンでイタリヤのグローバルでセクシーな 「Global Deejays/ Sound of Sanfrancisco」

サーンフラーンシスコォ〜♪

そのPVを観たいという邪まな輩はオフィシャルから覗いてみるべし。

ココ



2005年3月18日(金) 誰か止めてやらんか

晴れ時々曇り。 11:48の外気温+0.1℃、室内24℃、湿度24%

今日オッサンは頼まれ仕事の通訳で外メシなので気楽な一人ご飯です。
・・・と思ったら帰ってきてしまいました。
「さ、ご飯、ご飯」 と言ってます。

ゆうべオッサンはこのお客さんと電話で話しておったんですが、
「あ〜久しぶりですネエ、お元気デスカ?」
と言っていたので誰―?ときいたら
「ワカリマセン。ワカリマセンけど向こうはワタシの事を知ってるみたいだったカラ
あなた誰ですか?って聞けませんでショウ〜。」
「それもそうやな」
「ソウデスヨ」
そして「ことわざ辞典」を出してきてなにやら繰っておりました。

「月日に関守ナシ。 明日会ったら月日に関守ナシ、って言ったらどうでショウ?」
「それは使い方が微妙に違うと思うが。」
「どしてデスカ?時間がたつのは早くてそれをさえぎるものは何もない、って書いてありますケド」
「アンタのことを忘れてしまったのは何もさえぎることのない時間のせいです、
ワタシのせいではありません、ごめんなさい、って言いたいわけ?」
「・・・そうじゃアリマセン、ただすごく久しぶりですネエと言いたいだけデス」
「ほな、すごく久しぶりですねえ、と言うたらええんちゃうん?」
「ソウデスカ・・・何かことわざを言ってみよカナーと思って。」 ←ちょっと淋しそう
懲りずにことわざ辞典をめくっていました。

「月に叢雲、花に風ってどういうことデスカ?」 ←どうも月というところをみているらしい
「そりゃ、月に雲がかかるっちゅうんはこれから天気が悪くなるちゅう事やろ、
そんで鼻風邪ひくかもしらんで気をつけろ、ってこっちゃ。」
「月夜に釜を抜かれる」
「明るい月夜でもカマをほられることもあるから気をつけろ、ちゅうこっちゃ」
「月夜に提灯」
「あかるい月夜に提灯までつけてもやっぱりカマをほられるかもしらんで気をつけろ、ってこっちゃ」

誰か、止めてやってくれんか。


<本日のひとりのはずが2人の夕ご飯>
牛肉と野菜のスープ、海苔巻きごはん

+++++++++++++++
★本日のグルソン「Arash/ Boro Boro アラッシュ・ボロボロ」
小奇麗で怪しいアラブ人はユーロ産と相場が決まってますがこちらイラン生まれのアラッシュさんはスウェーデンから。誰がゲーハーやねんの

ボーロボロディゲディゲハー♪

こちら公式ボロボロサイト



2005年3月21日(月) ダーチャは寝て待て

薄曇り。  7:50の外気温+3.2℃、室内24℃、湿度25%

寝ていたらダーチャが転がり込んできました。

ダーチャとは何でしょう??
ロシアに多少なりとご興味のある方はご存知だと思いますが、
チンケな島国でぬくぬくお暮らしの大勢の方とかフランスで焼き栗売ってる
インド人の方とかはご存知ないと思うので簡単にご説明いたしますと、別荘です。
いえ週末農業や田舎ムードを楽しむ郊外ハウスです。
いえ畑付き簡易ハウスです。
いえ作業小屋付き畑です。
いえ、ただの畑です。
いえ、山の木を切っただけの更地です。

どれも正解なのですがうちに転がりこんできたのは「作業小屋付き畑」でした。

もともとダーチャというのは帝政ロシア時代、郊外に広大な土地や建物を持っていた
貴族達が自然を満喫したいという街暮らしの人にそれらを貸していたことから始まるそうです。
ソ連になって土地や建物は全部国の物になりましたから今度は国が国民に貸し付けるようになりましたが
優雅に過ごす別荘というわけでなく食糧を確保するために畑を耕して自給自足する
意味合いが大きく、
気分転換と実益を兼ねたものでしたから簡単に寝泊りできる小屋と畑というのが
一般的だったようです。
そしてダーチャはソ連崩壊とともに貸与されていた人の物になりました。

今ではなんでも店で買うことができるのでダーチャは趣味の意味合いが大きくなり、
豪華なコテージを建てたり逆に放置されて草ぼうぼうというところも多くなり
若い人は農作業より楽しい事がいっぱいあるので嫌う傾向がありますが、
それでもせっせとダーチャに行く人は多いです。
ある程度耕作したら夏秋に収穫した野菜で冬を越せるくらいは十分ありますから
食費もかなり助かりますしね。
ほとんどの人はアパート暮らしですから誰にも文句を言われない自分の土地で、
土をいじったり火を焚いたりベリーを摘んで食べたりは楽しいじゃありませんか。

というわけでずっとダーチャが欲しかった私なのですが
家族は飽きっぽいタイプなので海や山にガンガン行ける夏の時期、
農作業で毎週ダーチャに縛られるのはまっぴらごめんといってだいぶ前に売ってしまっていました。

ところがイリーナおばちゃん一族がカリーニングラードに移住のため、アパートは売るけど
ダーチャはなんともならないからもらってくれ、と言ってきたのです。
隣町なので近くは無いんですがタダでくれるってゆーんだからもらっとけ、ということで
もらうことになりました。
よっしゃーーーーーダーチャGET!!!!
ウーーーーラァーーーーーーー!!!!!

でも海や山はいままで通り行くそうです。

・・・・・もしかして私ひとりダーチャで労働ですか?


<本日の夕ご飯>
鶏と野菜の赤ワイン煮込み、もやしと海苔の炒め物、野菜サラダ

++++++++++++++
★本日のグルソン「Перцы / Марина ペルツィ/マリーナ」

マリーナマヤ〜♪


2005年3月22日(火) サマータイム25周年の国の場合

曇り。 7:57の外気温+4.1℃、室内24.2℃、湿度30%

オッサンがお腹の調子が良くないから今晩は粥にしてというので、
「ん?マンナン・カーシャ?オートミール?」  ←ロシア風インスタントかゆ
「チガイマスヨ、日本風米のかゆ。ロシア風かゆは夜に食べたくないもん」
「あ〜おかゆな、はいはい」  ←チッ。

というので鶏粥を炊きましたところ、オカーサンと一緒に帰ってきました。
ご飯時にうちにくるとオカーサンはオトーサンに連絡しなくてもさっさと食べますが
オトーサンはオカーサンが待っているからと言って帰るか、
オカーサンに電話してからでないと食べません。
・・・・・・・深い意味はありません、
だから何だ?っていう話です。

「コレおいしいわね、何の味つけてあるの?」
「鶏、鶏。うすーい鶏のブイヨンで炊くんですよ」
「へー、どうやって?」
「ためてある鶏ガラを洗って野菜くずと一緒に煮てブイヨンを・・」
「もういいわ」

・・・ま、オカーサン、そう言わずに〜。

帰り際、ダーチャに植えるつもりの枝豆の種(豆)を渡そうとしたら
「まだ早いわよッ、雪積もってるわよ!」
と言われてしまいました。
すいません、頭ん中がすっかり「ビールと枝豆」になっておったもんですから。
夏、夏ですね、夏になったらたらふく枝豆にありつけるんですね、
長い道のりです、
クーーーーッ。

夏といえば今週で冬時間は終わり。
来週からサマータイムになります。
雪もたんと積もってますけどサマータイム。

サマータイムは3月の最後の日曜になる、って頭があったんですが
今朝、一応確認のためウチのロシヤ人にきいてみました。
「さぁ〜わかりマセンネエ、多分そうだと思いますが。」
「去年もおんなじこと言うてなかった?」
「だいたいそんなこと誰も意識してイマセン。テレビとかで言うからあ〜ソウネ、って感じデス。」
「ほんまにそうなんかー?今日仕事行ったらみんなにきいてみい」
「多分だれも知らないと思いますケド」

そんなアホな・・・と思ったけどすっかりそのことを忘れていたら、もう寝る頃になって
「あ、今日ネエ、サマータイムの事みんなにきいたけど誰も知らなかったヨ」
「・・・・・あんたんとこ9人やったな」
「そう。でもそんなこと誰も知らない、って言ったじゃないデスカー、その通りでショウ〜」

ホンマにこんなもんなんですか?
私騙されてますか?


<本日の夕ご飯>
鶏粥、粥用の具(茹たカレイのほぐし身、温泉卵、大根おろし、刻みねぎ) 枝豆←ないない

++++++++++++++
本日のグルソンはグリュコーザも大好きな「Moby/Lift Me Up モビー・レフトミーアップ」

レミアッ、レミアッ♪


2005年3月23日(水) そんなん嫌や。

晴れ。 7:40の外気温+4.1℃、室内24℃、湿度30%

ベッドに転がって本を読もうと思ったらベッドサイドのスタンドがつきませんでした。

「なあ、電気つかへんわー」
「ランプ切れてマセンカ?」
「それがランプとちゃうみたいやねん」

オッサン何かゴソゴソやってましたが、
「うーん、ダメみたい。配線から直さないと。でも壁の電源に直接コードがつないでありますから
メンドクサイので今度にシマショウ〜今日はあきらめてクダサイ」

むぅ。

ところで壁の電源に直接コードがつないであるってどういう事でショ?

それはですねえ、電気スタンドの差込コンセント部分をチョンと切ってとっぱらってしまい、
コードから銅線をむき出しにし、壁の中を通ってコンセント穴にきているコードと直接つないで
あるってことです。
うちにはこういう仕掛けが数箇所あります。
うぅ。
思い出してしまった・・・
おととし船でロシアに帰ったときのことです、
「退屈ですネエ、パソコンでVCD観マショウ〜」 と言っておもむろに爪切り鋏を出し、
私のノートPCの電源コードをチョンと切り、銅線をむき出しにして船室のコンセントに挿した・・・
切って挿した・・・
切ったヤツは誰だああぁぁぁぁぁぁーーーーーッ!

めちゃめちゃ怒る私に信じられないーという顔で
「何怒ってんデスカ〜?、ウチ帰ったらもっかいつなぐからダイジョブですヨ?」

あの赤いビニールテープでぐるぐる巻きにするつもりかああぁぁぁぁぁぁぁーーーッ!
そんなん、
嫌や。  ←現在グルグル巻き

・・・・・ま、バッテリが逝ってなかったらあんなことにはならへんかったんですけどね。
ふう。

話しを戻しましょ、
電気コードをちょん切って他のコードとつないだりなんてやつはこの家のあちこちにあります。
そういうビニールテープで巻いてあるドッキング電気コードがその辺の床に無造作に這わせてあり、
その上に絨毯なんか敷いてるんですから最初怖くてしかたありませんでした。
部屋の隅を歩いていたら「ポッ」という音がしてパソコンの電源がぴゅーんと落ちたり
絨毯の下にコードがある部分に掃除機をかけていると「バチ、バチ」という接触の音がしたり
これって「漏電で火事」っていうのが頭に浮かびませんか!
こわいっちゅうねん〜!!

・・・・・・ま、慣れてしもたらどっちゅうことないんですけどね。  ←いいのか?

「でもスタンド困ったな、なんでココ、こんな風にしたん?」
「オトーサンですヨ。ここは両親の寝室でしたでショウ、オトーサンはソユやりかたが好きですネエ」
「いっつも思うねんけどコレ、危なくないか?」
「オトーサンは電気の専門家ですからダイジョブだと思いマス。」

電気の専門家だから危険と言うと思うがの。

スタンドが切れたのも何かのサインかもしれません、
現状復帰の修理だけはどうか勘弁願います。


<本日の夕ご飯>
卵粥、蒸鶏の和え物3種(梅和え、ゴマ和え、きゅうりとゴマ醤油和え) トマトとわかめの味噌ドレッシングサラダ

++++++++++++++++
本日のグルソン「SKY・Под запретом スカイ・パザプレータム」

アラブ風のコラージュがいい感じ♪


2005年3月24日(木) ホームベーカリーを虐待する

晴れ。14:26の外気温0.0℃、室内23℃、湿度23%

室内温度と湿度が一緒ってどういうことでしょうネエ・・・
お肌にシワが・・   ←別の理由という事は黙ってやっておいてくれんか。

「さ。くるみでも炒るかな」

最近しょっちゅうレーズンくるみパンを焼いています。
といっても働き者のホームベーカリー様が捏ねたり焼いたりしてくれるんです、
ありがとう、ベーカリーさん。
さて、くるみは薄皮を剥くのがめんどくさい!
お湯につけて皮をやわらかくして剥き、乾かしてから炒るので
焼こう!と思ったときすぐできないのがもどかしいですね〜
きのう剥いておいたやつを今から炒ります。

オッサンは
「くるみは薄皮がないとおいしいですネエ、皮を剥くなんてロシアでは普通やりません」
と言ってくるみを食べるのがすごく気にいっています。
いつもは私がパンを焼く時に用意する炒りくるみを横から手を伸ばして
カリカリ食っているだけなのですが、我慢できなくなったのか
「ワタシは炒りくるみを簡単にいっぱい作る。」 と元気に宣言なさいました。

ほう。
ではやってもらおうではないか。
オッサンは皮付くるみをガッと掴むとそのままフライパンに放り込みました。
しゃらしゃらとフライパンをゆする音がしています。
パチパチいってきました。
皮に焦げ目が付いてきました。
「おいしそうーーーー」  ←嬉しそう
ゆする音が乾いた感じになってきたので火からおろし、新聞に広げています。
「アイ、アイ!熱いですネエ、もちょっと冷やさないと」 ←得意そう
棚から剥いたくるみを入れる皿を出してきました。
触れるようになったくるみをひとつひとつ指をこすり合わせるようにして皮を剥き始めました。
カサカサいっています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
静かになりました。
カリカリいっています。
食っとるな。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
また静かになりました。

「あ〜〜〜ダメぇ〜〜平らのとこしか剥けマセン、シワのとこはだめデス、
焼いたら皮がカサカサになってぽろぽろ取れると思ったのにィ!」

やっとおわかりになったようです。
どうして私がめんどくさくてもお湯につけて剥いているのか。
最初に説明しないで実際にやらせてみると体で覚えますね。 ←待て待て。

でも皮を剥きかけのくるみがたくさんできてしまったのでなんとかせなあきません。
しょうがないので2人で爪楊枝を使ってしわ部分の皮をほじくることにしました。

ぽと、ぽと。 ←剥いたくるみを皿に入れる音
カリカリ
ぽと、ぽと。
カリカリ

「あ〜〜もうこれ以上できないワ!」
「なに。まだこんだけあるやん!」
「お腹イッパイだも。」
「へ?」
「上手に剥けないやつはメンドクサイから食っちゃうもん。」

そうですか。

さてと、オッサンごとホームベーカリー様に放り込むか。


<本日の夕ご飯>
ビーフシチュー、茹カリフラワー、カバチョクのソテー

+++++++++++++
本日のグルソン「Балаган Лимитед / Тик-так ходики バラガンリミテッド/チクタクホーディキ」

チクタクホディキィ〜♪


2005年3月25日(金) 考えなかったり考えたり

晴れ。 8:08の外気温−5℃、室内24℃、湿度24%

うあ、今日も気温と湿度が同じですよ・・・・

「なんとかスタンず」のおひとり、キルギスタンがえらいことになっています。
と、思ったら。
今はキルギスが正式名称なんですねえ〜
1993年に改正したんだそうですね、知りませんでした、
ずっとキルギスタンだと思ってましたよ。
というようなノンキな話ではありませんで、野党勢力が政権を倒し、
大統領は国外脱出しちゃいました。

グルジア、ウクライナにつづいてキルギスよ、お前もか!ですが、
CIS諸国の民主化どうのこうのでいつもわからないことがあるんですが
あの〜、ソビエト連邦崩壊してそれぞれの国は独立したはずなんですが
独立国っていうのは独立して運営していいんとちゃうんですか?
どしてロシアがあれこれ言うんでしょう?
と、思ったら。
どっかの国を思い出したのでこれ以上は考えんとこ。

○  ○  ○  ○  ○

オッサンがトマトときゅうりをたくさん買って帰ってきました。

「早めに帰れたから市場寄ってミマシタ、きゅーりとトマト買いましたヨ」
「おいしそうやな〜ありがとう!」
と言って目の前ですぐざくざく切ってサラダにしました。

冷蔵庫にトマト6個ときゅうりが8本あることは言う必要ありません。


<本日の夕ご飯>
さざえの炊き込みご飯、ニシンの一夜干、味噌汁、トマトときゅーりのサラダ

++++++++++
本日のグルソン・ロシアで今最も売れているグループ「Уматурман/Проститься 馬トゥルマン/プラスティッツァ/ビデオ」

プラスティ〜ツァ♪

馬トゥルマンオフィシャル

2005年3月26日(土) ポーレシュカ・ポーレ

晴れ。 11:00の外気温+3.3℃、室内24.8℃、湿度25%

「さ、出かけたいでショウ〜」
「いえ。別に。」
「そんな事言ってェー、ホントは森に行きたいでショウ〜」
「や。行きたくありません。」
「もう両親待ってるし。車とってきますから10分で用意してクダサイ」

ぼんやりしていたらさっさと森生活がスタートしていたようです。

「用意できマシタカ?ダーチャも見に行くんだから絶対連れてきますヨ」
「はい。」
気が早いと思いましたが一応枝豆の袋も放り込んで・・・。

両親のアパートに行ったらもう外に出て待っていました。

海の方を振り返ると氷がほとんど溶けて沖にヨットが浮かんでいます。
行きすがらモーターボートを引っ張ったランクルや
ウインドサーフィンのボードを積んだ車にもすれ違いました。
森生活どころか海生活がもうスタートしていたんですねえ・・・

まずダーチャを見に行こうというので向かいましたが
だんだん山の中に入って行きます
谷が深くなってきました・・・

浦あたりはロシアときいて思い浮かべる、延々となだらかな丘が続く大陸的な風景でなく
日本とよく似た地形なので郊外は山また山の三頭火です。

そういえばうちの者は郊外の木が茂っているところを総じて「森」と呼びますが
私の感覚からすると森というのは緩い丘に木がうっそうと茂っている感じです。
日本にはそういう平たい森がほとんどないので大概木が茂っているところは「山」なのですが。
ロシアも内陸や西のほうを走ると緩やかな丘が延々と続く中にこんもりと木が茂っているところがぽつんぽつんとある風景が広がっていて
ああ〜あれこそが、あのカタマリこそが森である!と感動してしまったりします。
見渡しても見渡しても「山」というものが見えないんですねえ〜。
この浦あたりの、こう、急斜面で地面からぽんと出ているカタマリは「森」というより「山」やろう、
といつも思うのですが、この辺のロシア人にとって山というのはもっとこう、
険しくて何々山と名前がついているようなたいそうなやつのことをいうようです。
そのあたりはどうも感覚が違うようですね。

「ほら、あのへんですヨ」
と言われて見た先には急斜面に張り付くようにしてある
畑、畑、また畑。
もう少し傾斜がきつかったら段々畑になりそうな「畑」でした。
覚悟はしておったつもりなのですがあまりにも娯楽がなさそうな「畑」なのでちょっと萎えました。

谷の橋を渡り、まさにラスプーチッツアの泥道にタイヤを取られないようにやっとやっと上って
いよいよ到着しましたよ、はたけ。
はたけです。
この畑の上はもう山しかありません。
隣の人は何年も耕作を放棄しているらしいので隣の畑も勝手に半分使って
ジャガイモを植えていたそうです。

車から降りてみました。

「はたけ〜はたけちゃん〜♪」  ←ポーレシュカ・ポーレ♪
「その、日本語訳で歌うのやめてくれんか。ここにふさわしすぎる」
「この歌は日本人はなぜかよく知ってますネエ、でもロシア人はほとんど知りマセン」
「そういう話とちゃうねんけど。」 ←脱力

いちおう有刺鉄線で囲ってあり門がついていたので早速中に入ってみました。
雪解けで土がゆるんでいます。
そう思っての、ちゃんとゴム長もはいてきたんじゃ〜
隅から隅まで歩きながら何を作っていたのか観察して、
「トウモロコシ!」  「オー」
「キャベツ!」    「ダー」
「インゲン豆!」   「ダ、ダ」
「スベクラ!」    「ハラショー」
「ジャガイモ!」   「アッアー」
「野いちご!」    「アットリーチナ」

待て、コラ。 

だれも畑にこないではないか!!
みんな車の横に立って遠巻きに眺めて返事しているだけではないか!
そんなに楽しい家庭菜園が嫌なのか! ←そんなぬるいものチガウ・・・

戻ってきた私にオカーサンが
「どう?気に入った?アンタが気に入ったなら正式にもらうけど」

・・・ちょっと考えました。
「アンタが労働するならもうらうわよ、できた野菜は食ってやるわよ」と意訳されたからです。
でもタダなんだしもしかしたら耕してる最中に小判が出てくるかもしらんしと
ケチ臭いこと考えて
「気に入った!もらう!」 と言ってしまいました。
一瞬、頭の右の隅−ぃのほうで「しまった」と思いましたが気づかないふりをしました。

畑をどうするか決まったならこんなところはさっさとオサラバしたいとみんなの目が訴えていたので
「じゃ、森行きますか」と言って車に乗りました。

「どうでしたか?土の質はいいみたいですヨ。はーたけー、はーたけちゃーん♪」

その歌、やめいぃ!!


++++++++++++
★「Полюшко, поле/ポーリュシュカ・ポーレ」
オリガさんの美しい歌声でどうぞ

ポーリュシュカ・ポーリェ〜♪



<本日の夕ご飯>
森の帰りにオトーサンの幼馴染の家でごちそうになりました。
サケのソテー、サリャンカ、ジャガイモ炒め、血のソーセージ、きこのと玉ねぎの和え物、ホロジェッツ、自家製木苺酒、自家製どぶろく(若いウオッカ)


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