2008年01月04日
13号 ロシア公共マナーについて
開場前の劇場の喫茶室で、「ハムレット」の開演を待つリューバさんと私。喫茶室に自分のコートを持っていくようにと劇場の管理者から言われました。劇場側としては、まだ開場していない劇場のコート預かり所に、客のコートがあってはいけないからです。開場となったら、他の客たち同様に私たちは再びコートを預かり所係りに預けます。外から入ってきた人々はコート預かり所の前でコートを脱ぎます。
ロシアの冬のマナーとして大事なことをひとつお伝えいたしましょう。それは、コートをどうするかということです。
家庭でも当然ですが、劇場、美術館、博物館、レストランや会社など、屋外から室内へ入るときは、コートを脱ぐのが大事なマナーです。必ずコート預かり所があり、係りの人がいます。高級レストランなどはハンガーにコートをかけてから、番号順にならんでいるコート掛けにかけて合い番号札を渡してくれます。帽子やマフラー手袋などは、コートのポケットや袖の中にいれて、いっしょに預けます。女性用の高級なしっかり型がある帽子などは預けるよりも、そのまま会場で被っていても許されます。
ユーゴザーパド劇場もそうですが、多くの施設では、ハンガーではなく、壁にあるひっかけ変形U字型道具にコートの後ろ襟部分をひょいとひっかけます。
日本で買った衣料にはあまり付いていないのですが。北の外国では当たり前にあるのが、しっかり縫いつけられている、ひっかけ鎖か、しっかりひも、です。着た時にちょうど首の後ろぐりぐり辺りにあた
る部分にあります。これがないと、コート預かり係りはとても困ってしまい、変に襟をU字型にひっかけてくれます。冬にロシアへ行こうとなさるお方は、ご自分のコート後ろ襟に、ひっかけひもをしっかり縫いつけられているか、なければひもなどをしっかりと縫い付けるご用意をしてください。

そして、女性のコートは男性が管理するという大事なマナーがあります。例えば、劇場で。ペアでやって来てら男性は自分のコートをいち早く脱ぎ、女性がコートを脱ぐ後ろに回り手伝うこと。女性のコートをしっかり手にした男性は、自分のと合わせてコート係りに預けます。係りから番号札をもらったら、男性が札をしっかりと管理します。これとても大事なマナーです。日本人男女が行って、「僕らは日本人だからね」とばかりに、男性は男性で女性のサポートもせず女性がひとりで全部やっているのを、ロシア男性が見るとそれだけで日本人男性のマナーのなさを幻滅のまなざしでみて「ああ、日本人男はサムライだな」と影で言ったりしています。
終演後は男性が番号札を係りに渡し、女性のコートも受け取り、もちろん私たち女性に、優しく着せてくださいませ。
このときの男女ペアとは恋人同士や夫婦に限るわけではありません。ママといっしょのママよりも背が低い少年が背伸びをしながらでもママをサポートするところは、なんともステキな情景です。職場の男女も同じこと、男性が上司だとか年齢がどうとかはいっさい関係ありません。
男性は女性を優しくサポートする、それが大事なマナーです。建物のドアの開け閉め、車のドアも当然、エスカレーターやエレベーターも男性がサポートします。荷物も男性が持ちます。このあたり、日本人男性のみなさんは、慣れていないと思いますが、どうか旅の前には訓練なさってお出かけください。また女性は堂々と男性に預ける、先に歩くなどなさってくださいね。これも訓練が要るかもしれません。ホテルのエレベーターに男性といっしょに乗り合わせた日本人女性は、降りるとき男性に先に降りてもらおうと待っていますが、西洋男性は絶対先におりません。彼らは女性が降りるのを待っています。ヘンに止まった時間が生まれます。ですから女性がさっさと降りてしまえばいいのです。
そして大事なお酒のマナーをひとつ。お酒の瓶は女性が持つものではありません。必ず男性が持って男性が女性に注ぐものです。そのとき女性のグラスにはやや少なめにして、男性はそれよりは大目に注ぎます。女性が瓶を持ってテーブルを回ったりしている姿をロシア男性は驚異の目で見ています。
劇場のコートの話に戻りまして。コートを預けると同時に、大きな荷物を持っていたら預けます。客席には女性のバッグだけが許されます。また、カメラも持って入ってはいけません。
外が大雪などで靴が汚れているときは、履き替えの靴を持っていき、室内用ハイヒールなどに履き替えて、汚れたブーツも預けてしまいます。
身軽になって、時間があれば喫茶室などでワインかお茶を飲みながら開演を待ちます。そのときのみんなは、ワクワクしてとても良い笑顔です。私の大好きな時間です。
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