ロシアの生活・音楽・映画・アニメ情報サイト
「ロシアンぴろしき」トップへもどる

2007年12月29日

11号 こんにちは!シューラ

 12月9日モスクワ時間午後5時半ごろ。モスクワ南西部の住宅街にある小さくても熱気あふれる劇場。その地下にある暗い喫茶室の丸いテーブルを囲むのは、ロシア女性と日本女性のふたり。俳優シューラのママ、リュボフィ(愛称リューバ)と疲れているけれどもヤケに元気な私です。

 「少し眠りたい」と私は言っているけれども、やはりリューバさんは語ってきます。と、彼女は、「あ、そうだった。あなたにとても大事なお知らせがあるのよ。私の家もシューラの家も新しくなるのよ。来年の春には新しい家だからねえ」と、すっごくうれしそう。

 モスクワの住宅の多くは、ソ連時代に建てられた集合住宅です。シューラもリューバさんもモスクワ中心部から南西部へ走る朝夕すごい大渋滞の起きる大通りから少し入ったところにある、古い集合住宅、親子の住まいは歩いて10分ほど離れていますが、まったく同じ造りの部屋つくりです。窓は木枠、壁はところどころ剥がれていたり、水周りも使い難そう。暖房も効きが悪いと言う。「寒いときはヒーターが必要なんだよ」とも。「新しい住まいが欲しい」は、以前からシューラがいつも言っていたこと。当然、高騰を続けるモスクワでは、簡単な買い物ではありません。
 モスクワ市は、いよいよこの老朽化している住宅街を新しい街につくりかえると決意したようで、住宅建設は着々と進められています。後日、シューラのご家庭に招かれたとき、その新しい住宅群を見て「ぼくはたぶんあそこに住むよ」と指差したシューラは、それはうれしそうな顔でした。

 話しがそれました。喫茶室はその時間、俳優やスタッフたちの休憩&喫茶室です。本当は私などは入っていてはいけないのですが、俳優シューラのママとごいっしょでしたから、俳優たちが集まるそこで、シューラを待つことができました。

 ああ、眠いなあ、ここでたとえ15分でも眠ると、私のこれからの時間はどれだけ楽になるのでしょうか。

 が、それは許されませんでした。後ろから「プリヴィエト!」と大きな声をかけてくれる俳優が登場したからです。「は~い」。でもさっきから私は会っているのですが、舞台で活躍するシューラの姿に。

 飛行機の話し、日本のことや家族のこと、仕事のことなど質問攻めです。そして、俳優は軽く食事をしたいから「なにか食べるか?」「ええ、私はとても空腹です」。「ここはレストランじゃあないからねえ……」と、言いながら、喫茶室が俳優たちのために作る軽食をわけてもらいました。
 つくりたてマカロニのマヨネーズあえ、ロシアンハンバーグ、蕎麦の実のお粥仕立てと熱い紅茶。これですっごく生き返りました。もう身体の奥から元気が出るのが判りました。と、同時にやや満腹になると、観劇中の睡魔が私を襲うのではないかしら?急に不安になりました。と、それを判ったかのようにシューラが言います。「『ハムレット』は音楽が大きい音がするから眠っていられないよ。僕も出演するからね」。

 俳優たちは18時30分前にはこの喫茶室を退去します。客が入ってくるからです。シューラもさっさと食べて「じゃあ後で。劇場の前で待っていなさい」と、なにやらママとも話して、楽屋に行きました。

 リューバさんは「『ハムレット』をこの劇場で観るのがはじめてよ。他の劇場のものは観たことがあるけれどもね」と、私にはちょっと驚きのご発言です。いままでよほど観るご縁がなかったのでしょうか。俳優は家族に自分の仕事をいつも見せているようです。他の俳優が家族を連れてきていることも知っていますし、以前から何度もリューバさんもシューラの妻や子どもたちもこの劇場で会っているのです、が。そうですか、リューバさんが初めてとは、じゃあいっしょに楽しみましょうね。


Trackback on "11号 こんにちは!シューラ"

このエントリーのトラックバックURL: 

"11号 こんにちは!シューラ"へのトラックバックはまだありません。

Comment on "11号 こんにちは!シューラ"

"11号 こんにちは!シューラ"へのコメントはまだありません。

Post a Comment

コメントする
(HTMLタグは使用できません)
ブラウザに投稿者情報を登録しますか?(Cookieを使用します。次回書き込み時に便利です。)
  •  
  •