2007年12月22日
3号 モスクワへ行くのに、台北?
フィンランド航空のカウンター担当者が端末操作ではじき出してくれた、モスクワへの途、一番早く到着する方法。
CX 531 NGO 16:50
HKG 20:20
CX 285 HKG 23:05
FRA 05:25
LH 3180 FLA 07:20
SVO 12:20
と、メモ用紙に手書きで、「このようになりましたのでよろしいでしょうか」。
ちょっとムッときた私は、 「あのね、もっとちゃんと説明してください。この暗号は私たちにはわかりません。だいたい飛行機に乗るのは私、いったい何時間乗っていることになるのですか?そういう情報がありませんねえ」。
キャセイパシフィック531便セントレア発16時50分で、香港着は20時20分。(以下現地時間)。6時間20分乗る?
同じくキャセイパシフック285便香港発は23時05分、ドイツのフランクフルト着は朝5時25分。13時間20分も乗る。
「えっ、13時間ですか!」と声が大きくなった私に、カウンター女性は頭にくることを言ってのけた。
「フィンランド航空は一番短い時間の10時間でヨーロッパに入る一番早い便です」。
「は?だからフィンエアーに決めたのに飛ばなくちゃあこういうことでしょっ!」と、ここは怒りの声で。
「ハッ、………」。もう彼女はなにも言えません。
ルフトハンザ航空3180便でフランクフルトを朝7時20分発で3時間、モスクワ着は12月9日日曜日の昼12時20分、とのことです。
「当然のことですが確認します。全部フィンエアー持ちですね」。
「ハイ。もちろんです。そして、これがミールクーポンです、24時間以内にセントレアでお使いください」と、1500円とゴム印が押されたそれを渡された。もちろん私は一応言ってみた。「1枚ですか?それでは足りません」と。当然の応えは「すみません、これだけでし…」。
キャセイパシフィック航空のチェックはまだ始まっていないので、大きな荷物や機内持ち込みカバンや厚手コート、なんたって私はモスクワへ行くのです!それらをカートに乗せてごろごろしていたら、ガードマンに「この階はカートお断りです」って怒られて、トランクを短時間預かってくれるところを探したら、お金がたしか600円だったか必要とかで「ビールが飲める!」とまた怒る私。
トランクその他を持ったまま、ピッツアを食べようビールを飲んで待とうと、イタメシ屋さんに入る。1500円のミールクーポンがあるもんね。が、あえなく1500円はピッツアだけで消えてしまい、ビールを立て続けに2杯飲んで、ああ高いと、気分は相当にウツ状態でした。
その後しばらく記憶をなくして、キャセイパシフックのカウンターが開くのを待ったのでした。はじめて乗る航空会社です。あれ?どこの国の会社かしら?
と、私の名を呼ぶ方が。先ほどのフィンエアーのカウンターにいた女性です。「すみません。時間が少々変わっていました」とか。「エッ?モスクワに着くのが早くなるの?」
「いいえ、到着時間は同じです」。で、なにやら説明してくれましたが実はまったく聞いておりませんでした。
そのときの私は、モスクワのシューラへ、迎えに空港まで来てくれるシューラへ連絡を取ることばかりを考えていましたから。
チェックイン時にトランクを預け、モスクワでの再会を祈り、機内ではいつもどおりの真ん中のシマの通路側の席をリクエストして、確保。キャセイパシフックはとても対応が優しかった、それは身に沁みたのでした。
セントレアの売店でJALマークのついたファスナー付き手提げ袋を買ってコートなど防寒品を押し込んでひとまとめにしました。これは大正解でした。その後の乗り継ぎ待ちなどに荷物がまとめやすくなりましたから。
強化されている搭乗前の安全検査で、機内持ち込みのカバンを開けられてこれも不愉快で、酔いがさめてきたら眠くってたまらず。
そのころ日本時間15時半ごろ。モスクワ時間朝9時半。シューラに電話しても良い時間だろか。舞台俳優は夜遅く帰宅する人だから当然朝はゆっくり眠っている。でも、ここで電話しておかねば連絡がつかない事態になり、それはエライコトになってしまいます。国際電話カードを買って携帯電話から、モスクワのシューラの自宅へ電話です。もちろんそれまでに、ロシア語せりふを考えて練習しました。彼を驚かせたり、どうなるのかなどの心配をかけてはなりません。
「おはようございます。シューラさん、私はモスクワに行きますよ。今は名古屋だけれどもね。飛行機が大きなトラブルで私は、明日モスクワに着くのです。だから、あのね、えっと、私は明日ひとりで劇場へ行きますから、空港からタクシーに乗ります。大丈夫ですから」。こんなことをロシア語で。いまそれをここに書きなさいと言われても出来ません。
電話の向こうはすっごく近い声で、最初は元気に「おお、きょう迎えに行くよ!」なんてお応えだった俳優は、急にトーンダウンして「大丈夫か?明日自分で劇場へおいでよ、ぜったいに劇場へ来るんだよ」。シューラは明日私がモスクワへ着く時間は舞台に上がる寸前の時間です。だから迎えに来てくれることは無理なのです。とっても迎えに来て欲しかったのに。
やっと連絡が取れて彼にもちゃんと伝わって、ホッとしたら急に睡魔がやってきました。
ええい、飛行機に乗ったらずっと寝ていましょう、と決めました。
やっと機内搭乗の時間が来て、私は寝る気まんまんでいると、また私の名前が呼ばれました。またさきほどのカウンター女性です。「すみません。香港で必要な訂正印を押し忘れました。さきほどの書類をください」と言います。あら?あれはそんなに大事なものだったのか。「えっと、大事なものならそのように教えてくださいね」と捨ててはいないけれど、手提げの奥に入り込んでいるのを探り出して渡すと、なにやら職員同士がそれを見ながらこそこそと話し合っている。不安になるじゃありませんか。
「この用紙のここに訂正印が要りました。すみませんでした」とかなりしっかりと印を押して紙は返されました。彼女の顔が相当に引きつっていました。きっとあちこちで怒られたのでしょう。
飛行機に乗り込んですぐに私は今回はじめて利用の、U字型首クッションを膨らませて首を安定させたら、もうすぐに眠ってしまいました。飛び立ったのも覚えていません。
でも1回目の食事には起きてしっかり食べました。アルコールも赤いワインをいただきました。ワインの所為でしょうか。いいえそうではありません。飛行機は南へ向っているのです。機内がだんだん暑くなってきました。眠っている厚着の私は、汗をかいて気持ち悪くってブリブリの不快感で起きました。「当機はまもなく台北国際空港へ着陸いたします」。なんだ。香港への直通便じゃあなかったのね。
予定外の台北空港。暑くって眠くって極上の不愉快状態、大きな声で言いたかった。「私は台北に来たのじゃあない。モスクワへ行くのです」って。でも言えるわけはなく、暑い空港待合室で、ただ時間を過ぎるを待ちました。
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