2006年11月18日
**74号** 汗かいてマリンカ
===5月9日夕方、マリインスキー劇場内にて====
手を引かれ足早に到着したマリンカ。開演20分前です。私の手を握って、私をここまで連れてきてくださった女性は、マリンカへご自分も入られる予定だったのか、あるはまったく違うところへ出かけるところだったのか、わかりません。
マリンカの入り口前で「ありがとうございます」と、日本式お礼の頭を下げたら、ちょっとびっくりした顔をして笑いながら、さよなら、お気をつけて と、私に言ってくださって人ごみの中に消えました。
感動しながらも、もうすぐ開演だからと焦る私は、日本人です。周りの人々はのんびりと外でタバコを吸ったり、ロビーで話していたり、誰かを待っていたり……。なのですが、本当に焦っている私、汗も流れています。日本でも劇場の席に落ち着くには時間がかかる私は、早めに席に着きたいのですが。
客席に行く前には、必ず金属探査機を通り抜け、ガードマン氏がカバンの中をあらためています。私はカバンはスルーで通されて、OK。
まずは自分の席を探さなければなりません。チケットの裏に情報があります。
1 ЯРУС
Правая сторона
Ложа № 3 Место 4

さてどこでしょうか?
1番 バルコニー
右方向
3番 ボックス
4番席
あちこちにおいでの劇場係員に聞くことが一番です。「あっちだよ」とでも言ったようですが、よくわからなかった。でも、指差した方向へ行き、もう一度別の係員に聞くと、すぐ近くに3番ボックスのドアはありました。鍵がかかってドアが開かない。うむ??
つまり開演時間は遅れているようです。待つしかありません。
近くのベンチで座って眺めていると、3番ボックス席のドアを開けようとしている人が幾人かいます。ちょっと東洋人ぽい顔でロシア語の親子。若いロシア女性は、私に「急いで走ったのよ、ビールを飲んだから、暑いわ」と、笑っています。私も汗の流れがやっと止まったところです。
やっと落ち着いたので、トイレへ行っておきましょう。
はじめてマリンカのトイレに入った1997年、ここのトイレはひどかったのですよ。私が利用した階のそのトイレだけではないはずですが、狭くってドアがぼろで、鍵が上手くかからず、手洗い所はカランが固くって水が満足でなく……。あのきれいな舞台で、どうしてこんなひどいトイレなのかと驚愕したのですが、その後、来るたびにきれいに、進化していっています。
今回は明るくドアもきれいになっていました。手洗い所のカランも変わっていました。混雑は同じでしたが。
各国の人々がそれぞれ開演を待っています。日本人女性3人グループがおいででした。インドのサリー姿の女性もおいででした。でも、顔を見ただけでどこの国からおいでとかは、わかりません。おしゃれをしている人もいれば、若い男女はごく普通の服装ですし、私もまったく普通です。着飾って来たい人はそうすれば良いですし、公衆のマナーに反していない服装であれば、それで良いと思います。長時間の座り姿勢ですから、それが楽であることも大事なことです。
ベルが鳴ってドアを係りの女性たちが開けて。私の4番の席は、舞台も近くとてもよい場所です。隣の5番席は、先ほど「ビールを飲んできた」と笑っていた女性です。私にひとことふたこと何かを言ってくれたのですが、わからなかった。と、彼女が立ち上がって、椅子を下げるようにしています。つまり、私に椅子を少し下げて、向きを軽く変えたほうが見やすいよ、と教えてくれたのです。ありがとう。また親切に出会いました。
ああ、マリインスキー劇場にいるのだわと、うれしくなります。あらためてチケットをよ~~く見ると、「値段300ルーブル」と刷り込まれています。日本円で、1200円です。でも、私は500ルーブルで買いましたが、なぜ500ルーブルだったのかは不明ですが、たぶんチケット屋のおばさんの、夕食のおかずを1品増やしてよ代、だったと思うのですが。
外国人料金でもなく安く買えました。うれしいかぎりです。2001年のオペラ「運命のちから」は、留学生に頼んで買ってもらったのですが、「外国人料金で1,200ルーブル(約4,800円)で、ごめんなさいね」と彼が申し訳なさそうにしていましったけ。
きょうの演目、オペラ「ボリス ゴドノフ」について。
るるぶ情報版「ロシア・サンクトペテルブルク モスクワ」本の“ロシア キーワード ミニ辞典”より引用させていただきます。
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初演1873年。16世紀に実在した苦悩の皇帝ボリスの内面的視点から描いたロシアオペラの傑作。ボリスは皇太子ドミトリーを暗殺し皇帝の座を手に入れるが、偽ドミトリーが現れ民衆の反乱を促す。ボリスは罪の意識からドミトリーの幻影にとりつかれ、錯乱状態となり息絶える。ムソルグスキーによるロシア音楽特有の旋律が特徴。
以上、引用おわり
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壮大な舞台です。奥が深く深く、天井が高く高く。
大勢が出演しています。民衆が本当に民衆と呼べる数です。
ゲルギエフ指揮の音楽はこれまた、素晴らしく心に響いてきます。
英語字幕が出ています。が、あるところから消えてしまいました。
そして、次々と登場するオペラ歌手たちには、ただただ聞き入り、魅入るばかりです。
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