2006年08月08日
** 41号 ** モスクワの寿司
~~~ 5月7日 夕方~~~
前号の続きです。俳優シューラと「寿司を食べよう」となって、寿司屋へ。寿司店の名前は伏せますが、モスクワ南西部、ユーゴザーパド劇場から歩いてもいける距離にある、ある建物の中の寿司屋です。
午後9時半近くで、ちょっと風が冷たく、やっと陽が沈んであたりがほんのり暗くなってきたころ、たそがれ時、建物周りには、なにか若者が集まっています。アジア人の顔つき、どこか懐かしく思うのはやはり私もその仲間ですから。
シューラは言いました。「ここは、韓国・朝鮮系の人たちが多く集まっているところだよ。君は彼らがなにを話しているかわかるかい?」
「いいえ。彼らの言葉は知らない」
「日本と近いよね。僕も彼らの言葉はわからない。韓国の演劇祭に行ったのはいつだったかな?」
ユーゴザーパド劇場は、韓国でも人気が高く、シューラも何度も韓国へ行っています。96年~99年は毎年韓国公演もあり。韓国の俳優たちとの共演舞台は、露韓ともに大きく話題になったそうです。
2002年8月には、コチャン演劇祭も出演しています。当時、追っかけて韓国行き、との計画は、頓挫してしまった私でしたが、彼らは、いろんなトラブルに遭遇して散々な目にあったとか。「来なくて良かったよ」と、言われたのがうれしかったとは、私には複雑な韓国思い出。
ああ、寿司屋の話題が進まない。では、お店に行きましょう。
店の入り口には、「はあ~~????」のマネキン人形、あまり驚いて写真を忘れてしまったのは、後悔です。ちょっと薄汚れた性別不詳の人形が着ているのは、暑い夏におっさんたちが着ている甚平上下セット、白地に絣に似た模様が、すでに汚れてまあ、気持ちが悪いもの。なんでこれがここに立っているのか。立てるならもっと美しくして欲しい……。
寿司屋の各テーブル席は、白いオーガンジー布が天井と隣との仕切りにもなるよう覆われ、なんとも怪しい、いや美しい。(イメージはこちら)
われらのテーブル担当の若者は、キム君。白いシャツと黒いズボンは、日本の高校生みたい。黒い短髪と私たちと同じ肌の色は、思わず日本語で声をかけたくなるのですが、「僕は日本語知りません」と言われてしまいました。もちろん、ロシア語は、シューラとさかんに「おすすめの寿司はこれが良い」「いや、あれも食べたい」ほか、私にはわからないやりとりもしながら、キム君は、まじめにテーブルアシスタントを務めています。
まずは、ビールです。「舞台を終えたあとのビールはとても美味しい」とうれしそうです。
「舞台の成功を祝して、かんぱい」

運ばれた寿司を見て、「これはロシア語でなんと言ったかな?」と悩んでいるのは、俳優シューラです。ゴマはあまり食べないので、知らないとか。「日本人はこれ好きでしょ?日本ではたくさん見たけれど、僕は食べないから……、あっ、思い出した、кунжут (クンジュート)、中国の油もあるね」。
ゴマ油のこと、俳優仲間のひとりが中国料理に凝っているらしいから。

さあて、お味は??
私はもう日本人をナン十年とやっていますし、もう何度も寿司を食べておりますし、各地を歩き回って寿司屋を探すのも好きですし、魚に関しては少々薀蓄も持っております。ですから、許せません!!
シャリが甘いところと、味のないところとあって、混ぜきっていないみたい。
海苔がねえ、品質悪しです。
ネタの新鮮さは、ありませんし……。
ああ、これが寿司の味と伝わるとなにか、怖いなあ。でも、目の前の人はバクバクと食べております。
「日本でたくさん寿司食べたから、僕は寿司を知っているから、まあ、まあかな」。
寿司の次は、うどんを食べました。温めた、だししょうゆにおぼれたうどんでした。
日本酒をたのみました。看板は日本では超有名な銘柄ですが、違います。これは超安酒です。そして、熱燗すぎです。ロシア語がわからなくシューラに説明できません。「日本酒は人膚が美味しい温度よ」。ああ、冷酒でも良かったかな、と、酒にこだわりながら飲んでみましたが、ああ、美味しくない。
途中、シューラの携帯電話がなりました。そこで私はトイレへ行くチャンスとばかり席を立ちました。と、シューラが電話をしながら笑いながら、トイレまで追いかけてきます。「君に電話だよ」。
※↓ こんなコメントが出ます。なぜなのかよくわかりません。続きはありません。
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