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2006年06月17日

** 23 ** バラの花を持って

 ====5月5日 18時ごろ まだ明るい混雑のユーゴザーパド駅周辺 ===

 俳優や歌手、舞踊家など舞台関係者へ花を贈る日本の風習では、「誰が誰に対してこの花を贈ってきたのか」を名札を立てて、人目のつくところへ飾ります。受け取った舞台人は、それはうれしいことですし、花を見る人々も心穏やかになります。時には「これは相当奮発した花飾り」と値勘定をしてしまったりして、楽しみます。

 ロシアでの花を贈る・飾る文化に興味があります。花の本数は、奇数が基本で、1本だけ贈っても失礼ではないこととか、茎は長くしたまま贈ってもらい主が自分で長さを調節するとか、女性→男性、男性→男性もありとか、葬式の赤い花はソ連時代に流行ったとか……、花を贈るロシアも含めた各国の文化をちょっと検証してみようと、いま思っています。

 さあて、俳優に贈る花を買い求めましょう。
 町に花屋が多いです。ワゴン車に花を満載にして寒い季節でも、街角で売っている光景はこの国の人々も花が大好きと、わかります。サンクトペテルブルクよりもモスクワのほうが、人口当たりの花屋の数が断然おおいのじゃあないですか。と、ちょっとだけ歩いた旅人が見た目だけのものですが、花屋は多いです。

 ユーゴザーパド地域の商店街にもいくつも花屋があります。出合った花屋。ドアを開けるとバケツの切花が満載、ブーケもたくさん作られ並べられている。
 「こんにちは。俳優に贈る花を買いたいですが……」
 「このあたりのバラはいかが?」
 「うーむ、赤いバラか黄色か、それとも違う花か、どうしようかな?」とは、心の中で。

 「ブーケもすてきでしょう」と笑顔の花屋の女性は、飾られているブーケを手にして見せてくれる。
 「たしかに、きれいで豪華……、でも値が高いなあ」とは、心の中で。

 「きょうは、このバラにします」と、ブーケはやめて、ちょっと紫ぽいピンクのバラを1本買う。すでにおしゃれにラッピングされているので、すぐに受け取り代金は、……、忘れてしまった。旅手帳にも書きとめていなかった。80ルーブルだったかな?320円くらいだったような。

 マンモス展示場で、アリョーシャからいただいたおみやげの大きなビニール袋!!を下げ、バラの花を1本大事に持って、劇場へ歩いている。と、ハンドバッグの口が開いているではありませんか!
 ぎょっとして、バッグの中を見ると…、なにも異常はなかった。なぜバッグの口が??
 花屋でお金を出して、おつりをもらって、そのままバラの花に気をとられていて、バッグの口は閉めなかったのでしょう。花を持ったまま、バッグの口を開けたまま、隣の八百屋の店先や化粧品屋ものぞいていたのでした。あれだけ「スリに気をつけよ」と刷り込まれてきたのに、いつも細心の注意を払っているつもりなのに。スリさんと遭遇しなくて、ホントに良かった、その幸運を喜びます。

 劇場の前に付けば、ちょうど劇場入り口ドアが開けられたところで、待っていた人々が劇場の中へと入っていくところでした。


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