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2006年05月27日

** 12 ** 「検察官」を観る Ⅰ

===5月3日 夕方 モスクワ ユーゴザーパド劇場にて ===

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  (シューラ演じる オーシップ )

 ゴーゴリー作「検察官」。ロシアではあまりにも有名な話しで、大小新旧プロアマなどのあらゆる劇場で公演される作品です。今夜もどこかの劇場で公演されていることでしょう。
 「だれでも知っている話しを、ほかと同じような芝居をしていたのではダメだ。新しいものをいつも作っていかなければいけない」とシューラは言ったことがあります。
 それがロシアの芝居です。「僕たちは『検察官』をこういう作品にしました」と、観客の評価を得るのです。観客は、幼いころから芝居をいくつもいくつも見てきた人々です。つまらなけばはっきりと、「なんだい、これはつまらん」と言います。良くできていれば「ブラボー」です。


 ユーゴザーパド劇場がつくった「検察官」は高い評価を得て、2000年秋、日本各地でも公演しました。そのときに私は出会ったのです。このすばらしい芝居はその後の私の人生を変えてくれたのです。
 もしも、あのときこの芝居と出会わなかったら、私は……、いいや、私はこの芝居と出会う運命だったと、いまも強く思っています。

 舞台の上のオーシップ役のシューラの指の先から “光 ” が出ているなどの感想を、友人のロシア人にロシア語訳をしてもらい、手紙にしてモスクワのシューラへ送ったのが、2000年10月のことです。
 彼はそれを読み「僕の指からの光を見た日本人」と私に強い印象を持ったと、いうことをこの3月の来日時、はじめて教えてくれました。

 きょうの舞台、配役がかわり女優のチュルバの演技は、緊張が観客に伝わってしまい少し残念です。先ほど喫茶室でひとり台本らしきものを読んでいたのは、こういうことだったのと、わかりました。

 シューラが、一層しなやかでやわらかな演技となっています。これを円熟と言うのでしょうか。ああ、私にはシューラのすべてが、最高に上手く見えてしまいます。


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