2006年03月13日
50号 ロシア国立民族学博物館 (2)
===1月6日 午後===
サンクトペテルブルク市にある、ロシア国立民族学博物館(以下、博物館)について、少し学びましょう。
おなじみ「地球の歩き方・ロシア04~05」誌には、観光おすすめ度☆☆で、たった2行で、「ロシア民俗学博物館」と表記してあります。
最近発行の「るるぶ・ロシア」では、まったく登場しません。おまけにサンクトペテルブルク市内地図の、民族学博物館の位置には囲み記事が入り、博物館そのものが消えている!!
日本の旅行会社などが企画するツアーには、この博物館見学は入っていません。隣りの「ロシア美術館」見学は、組まれていることもありますが。
だから、私はみなさまに「民族学博物館」をご紹介したいです。
1902年「ロシア博物館」の民族学部門として開設され、1934年独立の学術研究・文化的啓蒙の機関として、ロシアの中心的博物館となりました。ロシア国が誇る著名な民族学者、歴史学者、地理学者がこの博物館で働き、研究をしてきましたし、しています。
この博物館の資料所蔵は、約50万点(2002年発表)、150余の民族の民族学的資料や写真などです。それは、東ヨーロッパ、シベリア、コーカサス、中央アジア、などの18~20世紀の貴重な資料です。
60人の研究者と180人のスタッフ達がいま、博物館に所属しています。小学校から大学院まで多くの児童・学生達の勉強や研究の場となる博物館なので、所属する彼らは、常に教育者としても活躍します。世界的に貴重な資料も所蔵しているため、関わる世界各地の研究機関などとも共同して調査研究もしています。
いまも収集の活動は積極的にすすめており、研究者たちはロシア国内各地をはじめ、世界各地へも資料収集や研究取材活動をしています。
日本と関わりも大きく、とりわけアイヌ資料は、この博物館に多く所蔵されています。19~20世紀はじめサハリンと北海道で収集されたアイヌ資料は、約3000点、世界最大の量といわれています。が、残念なことにアイヌ専門研究員はいない。21世紀が近づいてきてやっと日本との共同資料調査などが進み、アイヌ資料が公となったのです。2001年5月には「島の人々ーアイヌ人」という展覧会も開催され大人気となりました。
愛知万博には、この博物館所蔵の民族資料も数々展示されました。民族衣装・アクセサリー・道具・飾り物そして、人気でした「民族人形群」もこの博物館の重要な所蔵品です。
宮殿のような博物館の建物の中は、荘厳ですが、明るく一部は新しくなっています。入場してすぐ目の前には、吹き抜けのホール。高い天井と惜しみなく使われている大理石の柱や床や壁。イベントホールです。これはすごいホールですよ。
民族資料の部屋はいくつにも別れており、多年にわたって使われてきた温かみの残る道具類や家具類などが、テーマをもって並べられています。貴重な写真も豊富に展示されています。
だいたいに英語説明文が付いています。求めれば展示説明を受けることもできるでしょう。
ロシアの大地の豊かさや厳しさ、民族それぞれが大地とともに生きている息吹と情熱と、生きることの苦しさを和らげる工夫なども、展示説明がなくともよくわかります。
寒いときの暖かくなる工夫、狩に生きる人たち、漁に生きる人たち、やすらぎのひと時に楽しむ舞踊や演劇、生活の1単位家族の役割、知恵や伝統など、生まれて死ぬまでのひとりづつの命。それらが延々とつながって文化・文明を作り出していることなど、「人間ってすごいなあ」と熱くなりました。
日本とちょっと似ていると思ったり、まったく違うなあと思ってみたり。不思議なものや珍しいものもいっぱいあります。
ぜひおすすめです。もし、サンクトペテルブルクで時間がありましたら、見学に行ってみて下さい。きっと満足されるはずです。
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