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2005年10月05日

【 41号 】 ソフィア聖堂で学ぶ

   ~~~~~8月5日 ノブゴロドにて 雨もよう ~~~~

 雨はちょっと遠のいているようで、その間に「上から街と教会を見ようよ」とオレクに手を引っ張られるように鐘撞堂の上にあがる。さきほどの花嫁達が写真を写していた建物が鐘撞堂です。下ではまた違うカップルたちが写真を写している。
 急な階段を上がったところに小さな売店があり、そこが入場券販売所のよう。オレクもレナも、赤い手帳を見せると受付の美人!!の女性はにっこりと笑って、私たちはもっと上がっていった。
 小さな場所と風の強さに驚き、でも、不思議なことに、建物の角をまがり方角を変えると風は穏やかになるのです。いまから行こうとしている、ソフィア聖堂を見る。オレクは「素晴らしいでしょ?」と私に問うのですが、ちょっと私にはわからないのです。
 教会の美しさというか、偉大さというか、歴史というか、価値というか、そういうものがわからず残念ですが、心に響くそのままを素直に受け止めるのですが、まだ、私には離れたところにある教会からの気を受けとめることはできない。

 どこかから甘い香りが風に乗ってやってくる。どこかから鳥の鳴き声が聞こえる。向うに見える河の美しさ。河の向うにも教会群があるし、ずっとむこうにも教会の尖塔が見える。

sofya sabor.jpg


 下りてソフィア聖堂に入る。私は帽子を被っているのでそのまま、レナはスカーフを被る。もちろんオレクは脱帽(もともと被っていないけれど)、それが大事なマナーです。静かに、静かに。

 教会の中は、美しいアカペラ聖歌が響き渡り、厳かに婚姻の儀式が行われいます。イコンに囲まれて私たちは、黙ってみています。


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 オレクは私を教会の上階へと連れて行ってくれます。そこは、静かで人もいない教会図書館のある階です。図書館は閉まっていますが、堂内へのドアをあけると、下で行われている結婚式の様子こそ見えないのですが声が響き渡ります。教会の天井画がとっても美しく見ほれます。

 オレク博士はスラブ学の専門家ですから、彼に教えていただきましょう。キリスト教がロシアに伝わってきた歴史を、彼は情熱的に語ってくれました。と、言っても聞く私のロシア語ちからがないので、とって残念なのですが、そこは偉大なるオレク博士です。私の持っているノートに書き込んだり、ロシア語辞典を引いたりし、優しい言葉を選んで話してくれます。

 ギリシアで生まれた正教がトルコ→イスタンブール→キエフに伝わり、988年ウラジミール公が国教としてキリスト教文化がますます広まっていった。ノブゴロドは、それ以前の862年に生まれた町で、バリャーク(スカンジナビアから東欧へ移動していた人たち=このあたりがオレク博士の専門研究分野らしい)たちの交易路の重要な町となって、キエフからのキリスト文化も早く盛大に根付いていった町だそうです。ちなみにモスクワは1271年にできた“新しい街”だそうです。
 ウクライナのキエフに1037年に出来たソフィア聖堂の後に続くように、1050年に建てられたノブゴロドのソフィア聖堂はビザンチン様式の教会です。当時のまま建物は残っているものの、ソ連という時代に教会は物置とか武器庫とか荒れ果てたままの時代があった証拠がいまも残っている。このソフィア聖堂の中には、まだ書かれて新しい絵もあれば、これから修復にかかるのだろうものもあった。

 オレク博士の講義はとっても魅力的で、私はずっと聞いていたいし、もっと教えて欲しい。が、その前にロシア語ちからがなければならない。口惜しい。熱く語るオレク博士は、またどうしてこんなに分かりやすく話してくれるのでしょうか。万博ロシア館で館内展示物の説明も、やさしく丁寧に説明をしてくれました。やはり人気の博士です。

 もっと教会内部を見たかったが、きょうは結婚式の多い日のようで、大勢の人で教会は混雑しています。私たちは、外へ出ました。雨がちょっと降ってきました。

 オレクは「たしかレストランがここにあるから、行こう。あれ?どこだったかな?ちょっと聞いてくるよ」と雨の中をどこかへ走っていった。レナは、「オレクは少年のように走るのよ」と笑っている。

 オレクが戻ってきて、雨が小ぶりになった瞬間、私たちはこのクレムリンの中の石のレストランへ入った。暗い不思議のレストランは、混んでいたけれど、まるで私たちが来るのを待っていてくれたように、ステキな席が空いていたのです。


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