2005年09月16日
【 38号 】 ショートケーキ教会のある町へ
~~~~~8月 5日 サンクトペテブルクからノブゴロドへ ~~~~
早くから朝があける北の町のホテルの部屋で、6時ごろ目を覚まし、大急ぎでバスの旅に出かける用意をします。窓の外の空はちょっと曇っており「ちょっと寒いかも?」と着るものに悩みます。が、あれこれ選ぶものもなく時間もないので、トランクに詰め込んできたちょっと厚めのパンツと長袖上着を着て、1階のフロントへ急いだ。
6時30分きっかり、レナは待っていた。「おはよう、さあ、バス乗り場へ急ぎましょう」
私は、昨夜から水分をとっていない。水が飲みたい、コーヒーが飲みたい。でも、急ぎます。市電に2駅くらい乗り、レナの後を歩きます。途中小さなお店が開いていて、中へ入ります。レナは「バスの中で飲みましょうね」とジュースでもを買うつもりだったようです。
私は水・紙パック入りジュース・バナナ5本・ヨーグルトそしてネクタリンは1個だけ買いました。
とっても水分を欲しがる私の身体ですから、店を出るとすぐにネクタリンにかぶりつき、むしゃむしゃと食っております。お上品なレナはちょっとイヤな顔をしていましたね。そのネクタリンの美味しいこと、瑞々しいこと。身体中に染み渡るネクタリンエキスです。「わあ~美味しい!!」。目も覚めましたね。元気がすぐにいっぱい出てきました。もう1個買ってくるべきだった!!
歩きながらネクタリンを食べ終わると、もうバスターミナルです。ここから各地にバスが出発するのですか。いくつか行き先別に看板が出ています。人も多くいます。売店もコーヒースタンドもあります。
まだ出発までに余裕があります。コーヒースタンドで、コーヒーを飲んでホットしていると、白い半そでシャツのオレクがやってきました。笑顔のステキな人です。
「半そでで寒くないの?」とレナが心配をしています。たしかに。気温が夏としては低いようですが、まだ早朝だからでしょうか?薄手長袖だけでちょっと心配をしている私です。もう1枚長袖シャツを着てくるべきだったかな?空は雨が降りそうです。
「ノブゴロドはステキな町だよ。きっときょう良い旅ができるだろう」とオレクもレナもうれしそうです。オレクはノブゴロドの町に長期調査活動をしていたそうですし、ノブゴロド博物館には友人も働いており、彼も久しぶりに行きたかったノブゴロドのようです。レナももちろん、もう何度も行ったこともある町で「とっても静かな美しい町ですから、あなたに見せたいのです」。
日本からレナに電話をしたとき、彼女は言いました。「ノブゴロド知っている?行きましょうね」と。もちろん知らない私ですが、その地名だけは記憶のなかにありました。
「芸術新潮」2003年12月号の特集は「ロシア・イコンへの旅」です。発売と同時に買い、大事にしている本です。その表紙を飾り、特集記事でもとりあげられいるノブゴロド市内にある、「美味しそうな教会」と作者がなずけた小さな教会の写真が目に浮かびました。
出発前とっても忙しかったので、「芸術新潮」を読み返すことができなかったが、表紙だけを見て、ここへ行けるかもと、期待をしたのでした。

生クリームで壁面を仕上げてあるようなショートケーキのような美味しそうな教会がある町、ノブゴロドへ、2年前に本の中で出会った町に、いまから出かけます。
バスが停留所に入り、けっこう多くの人たちが乗り込むの見て驚き、運転手の貫禄のある姿に驚き、はたまたみなが座席の取り合いをしないことに驚いている私です。
出発時間はしっかり守られて、朝の町をバスは郊外へと走ります。いまから3時間後にはノブゴロドです。
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