2005年09月01日
【 32号 】 ここはサンクトペテルブルク !
~~~8月4日 サンクトペテルブルクにて~~~
時間はまだ午前中のことです。ホテルにチェックインをして着替えて、私はふたりに手をとられて、ペテルの町へ歩き出しました。
ふたりは、この町で生きている人たちです。なにもかもを知っている人たちです。いつも私に話し掛けてくれます。私のロシア語能力も全開です。3人は、わいわいと町を歩きます。私たちは、エルミタージュ美術館へ向かって歩いています。
ネフスキー大通りは、ペテルの繁華街です。行き交う車も、世界から訪れる人もたちも多い。それはモスクワも同じなのだが、どこか微妙に、イヤはっきりとサンクトペテルブルクの町の賑わいです。モスクワとペテルが同じであってはいけません。違ってあたりまえです。
賑わう大通りを曲がると喧騒はウソのように静かな町となります。オレクは、建物の中庭に連れて行ってくれ、庭の静けさと落ち着きを私に伝えようとしてくれます。どうも、オレクさんの大好きな場面のようです。「ここで座ってビールを飲みながら、のんびりすると気持ちが良いよ」。
また、大通りを歩きます。と、私はパスポートをホテルから受取ることを忘れたことに気がつきました。パスポート不携帯です。彼らに伝えると「心配いらないよ。オレクがいるから」とレナ。「僕に任せなさい」と、オレク。これは、大安心です。

町のところどころで写真を写して歩きます。そうそう、ここペテルでも風に乗って飛んでいます。タンポポの綿毛を大きくしたようなものが、たくさん飛んでいます。ちょっと幻想的な雰囲気です。妖精が私の周りを飛んでいるような、そんな錯覚をしています。
あまりの気持ちよさに、もう何もかもを忘れている私です。日本が暑いって?万博だって?家族のことも仕事のことも、あれやこれやも、な~~~んにも私の頭にはありません。あるのは目の前の美しい町並みとオレクとレナの優しさと、青く素晴らし夏の空だけです。なんという幸せものでしょうか!涙が流れます。
が、おなかも空いてきました。暑くって喉も渇いてきました。
「食事しましょうよ。ビールを飲みましょうよ」の私の提案にふたりはすぐに答えてくれました。ネフスキー大通りに面したレストランに入りました。
オレクは日本にいるときから「ペテルに来たら、ブリヌイのスメタナとイクラ添えをいっぱい食べさせるよ」と言っていました。私が「ブリヌイ大好き」と言ったからですね。
ブリヌイとは、パンケーキのようなもので、もっと油濃いものですが、これにスメタナ(サワークリーム)をたっぷり載せて赤いイクラでもあれば最高です。
もちろん、レストランでの注文は、それです。サラダも、冷えたビールも、です。あらためて再会の喜びを乾杯して、私たちはあれこれと近況報告です。
オレクは日本から戻ってから、リトアニアの近くプスコフ湖方面を歩き回って研究活動をしているとか。「毎日とっても忙しいよ」。ちょうど研究論文のまとめにかかっているようだが、あまりわからない。
「万博のみんなはどうしているのか?コスチャは?オリガは?アリョーシャは?」と次々と万博で寝食をともにした仲間のことを気使っています。
「そうそう、モスクワでコスチャのお姉さん、ユーリャに会ったよ、きれいな人だよ」と伝えれば、「僕も会いたいな」。レナは静かにそんな話を聞きながら、「私も日本へ行きたいわ。日本に行くのが夢よ」。いつか日本でレナを歓迎したいと思う。
日本とペテルはどれくらい距離が離れているのかしら?でもそんなことは関係ありません。私たちは、時間も距離も言葉も飛び越えて、いっしょの時間を仲良くしています。最高のひとときです。
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