2011年01月01日

●19.間違いやすいロシア語

С Новым годом! 九州の由緒ある神社に志賀海神社というのがあり、昔鹿の角を祈願成就の御礼に奉納され1万本あるという。また戦国時代の武将が兜に角をあしらったものも多数見受けられ、古来から角は日本人にとっては力や権力の象徴であったことが分かる。19世紀中ごろのロシア人作家で1880年代に訪日したこともあるクレストーフスキーは、長崎の諏訪神社を訪れたときに鹿の角のお供えを見て、Это жертва радости по случаю смерти супруги.(これは奥さんが亡くなったことへ喜びの供物である)と思ったと冗談めかして書いている。рогатый муж (рогоносец) というのはロシア人に限らず西洋では「寝取られ夫(妻に浮気された夫)」ということで、由緒ある武将の角の生えた兜を見て、西洋人がどう思うかはこれで分かる。「世界の」という形容詞にはвсемирныйとморовойがあるが、同義語で若干の例外を除き、語結合にはどちらも使われる。その例外というのは、мировая война(世界戦争)、всемирная история(世界史)、всемирная литература(世界文学)である。вселенскийやвсесветныйも同義語だが、文語ないしは皮肉交じりに使われる。

Posted by SATOH at 2011年01月01日 10:15
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