2007年03月09日

●カザフスタン(人と言葉)その2

2. カザフの言葉

 現在アルマトゥイに住んでいる日本人は50人くらいである。本社からも人が年1回来るかどうかなので、月1度の商工会(16社)において日本語で話すくらいで、ビジネスも含めほとんどロシア語で通す。カザフ語は国語なのにアルマトゥイなどの大都市ではあまり通じない。これはソ連時代に幼稚園教育からカザフ語を外したせいである。今の大都市のカザフ人の母国語はロシア語と言ってよい。しかし、最近はカザフ人の家庭でもカザフ語を話すことが増えつつあるという。
 その国の文化を知るにはまず言葉からと思い、人がやらないことをやってやれという気持ちでカザフ語の勉強を週1回、もう半年も続けている。先生は国立カザフ大学の女性講師ラウシャン・サルセンバーエヴァさんである。ラウシャンはバラという意味で、サルセンブが水曜なので、さしずめ「水曜のバラ」ということになる。上品で、しかも熱意あふれる先生だ。授業もどういうわけか水曜日。予習はしないが、復習は毎日1時間ぐらいはせざるを得ない。そうしないと年で頭が固くなっているので語彙と文法を頭が受け付け拒否するのだ。先生は1週間ぐらい集中学習ラーゲリ(収容所とかキャンプという意味)でやれば、びっくりするくらいカザフ語がうまくなるとしきりに勧めてくれるのだが、「今、日本ではパソコンができないと窓際どころか窓の外に放り出されてしまう。それでパソコンの勉強が忙しいから」と勘弁してもらっている。半分は本当だが、この年になってこれ以上ストレスをためたくない。
 カザフ語はある意味でとてもしつこい言葉である。「私は学生です」というのを「私は学生です、ワタシ」と主語に似た語尾をくっつける。しかも日本語では奈良時代になくなったといわれている母音調和がまだ残っていて、硬母音(ア行)と軟母音(ヤ行)が同じ単語の中で一緒にはならぬとか(例外もある)、「う」と「お」に近い母音が5つもあるとかややこしい。ただアクセントはすべて単語の後ろに来るとか、語順が日本語に似ているのと、文字がロシア文字を変形させて使っているので、それだけは楽だ。

3. おわりに

ここ1年ここで暮らして思うのだが、カザフ人というのは確かに顔はアジア人のようだが、考え方はロシア人と同じである。非常におおざっぱで酒が好き、ただロシア人よりは義理を大事にするし、親族のつながりにも重きを置くようである。年間の気温差が70度で、冬などプラス10度からマイナス20度へなど2日で30度くらい変わるのは珍しいことではない。こういう厳しい環境で生き抜くカザフスタンの人たちはたくましい。このたくましさを見習いたいものである。それでは、サーゥボーヌズ(さようなら)。

Posted by SATOH at 2007年03月09日 19:46
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