2007年03月16日

●帯研(第66回)

ロシア語の日本人研究者でロシアやロシア人を活字でしか知らないという人(旅行や3年未満の短期留学というのも、図書館通いが主では同様であろう)は、ロシア語の読みのほうはプロだからかなりのものだが、受身のロシア語(読む、聞き取る)のうち、聞き取る力は不足しているし、能動的なロシア語(話す、書く)はそういう環境に触れた経験が不足していることから不得手であることが多い。読むのに偏る勉強ばかりしていると、自分のロシア語の実力が検証できないことになる。文法を学んでも受動的な読みばかりではなく能動的な話すや書く能力がなおざりになっている。このような人たちは一見読んで100%理解したと思う文章を日本語に訳して、それを露訳してみると20~30%もできないことに気づくはずだ。ロシア語を教えるだけで実戦で使ったことのない人は自分の真の実力が分からないままでフラストレーションが溜まるばかりではないか。一方ビジネスでロシア語を使う人は、受動的なものでは聞き取る力と能動的な力である話すのは十分ではあるものの、読む力や書く力が不足していることが多い。その上、日本でロシア語の研究をしている人たちは、ロシア人について具体的なイメージを持てない。ロシア人といってもいろいろで、数多くのいろいろな職種のロシア人と接触する必要が語学専門家には必要であろう。日本に来るロシア人はある意味では日本に興味を持っているか、利害関係のある人であり、ロシア語でも分かりやすく話してくれる。そういうロシア語ばかりに慣れて通訳も大丈夫だなと思って、ロシアに行って日本など何の興味もないロシア人のロシア語に触れてみると、これがロシア語かと思うぐらい全然分からないことがある。つまり本場のロシア語の洗礼を受けることであり、それが実力アップのチャンスでもある。
Молодая женщина спрашивает пожилого мужчину:
- А сколько вам лет?
- Восемьдесят.
- А я бы вам не дала.
- А мне и не надо.
設問1)オチが分かるように訳せ。

Posted by SATOH at 2007年03月16日 12:24
コメント

новичокをお迎えしているようで嬉しいです。今回は日本語が難しかったです。ちょっとしんどいかも。

若い女性が熟年(年寄りの)男性に尋ねました。
「おいくつですか」
「80だよ」
「まあ、とても考えられませんわ」
「おれだって無理だよ」

датьの「女性が身を許す」と「年齢を決める/~に見える」とをかけたものだと思います。
それにしても男は幾つになっても身勝手なものですねぇ。ははは。
А мне и не надоの и がдажеなのか強調なのかに悩みました。
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オチの理解も正確です。小詞のи = даже, именно, такということで強調です。この場合は強いて言えばименноに近いと思います。私の訳は、
若い女が年配の男の人にこう尋ねました。
「おいくつですか?」
「80です」
「お見えになりませんね」
「わしも行かんよ(いらんよ)」
解説)датьに「体をあげる」と「年齢について言う」をかけたもの。

Posted by メイ at 2007年03月17日 15:40
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