2006年12月25日

●帯研(第31回)

100円のロシア語会話集も売っているが、こういうのは単価を下げるために英語をベースに作られている。全部が悪いとは言わないが、やはりその国の事情がよく反映されていない項目もある。高速道路の料金所(有料高速道路というのは今のところロシアにはない。せいぜい空港の駐車場が有料なのでその料金所ぐらいか)が税関という訳になっていたのには驚いた。和露でも日本の国語辞典に準拠すると、同じようなことが起こる。日本語の語句から無理にロシア語を作って、いくらロシア人にチェックしてもらっても、そういうのは死んだロシア語である。生きたロシア語句を知りたければ、自分でロシア語の文学や小話でも読んで、使えると思う語句を和露または露和の語彙集を作ればよい。エクセルで作れば簡単である。ただ典拠とできれば和訳は分かりやすく書いておけば後で役立つ。書き間違いというのはだれにでもあるからだ。今回の小話は語学はあまり関係なく分かる人は分かるというもの。
Убили чукчи моржа. Взяли его за ласты и понесли в деревню. Идут, пусню поют:
Мы смелые чукчи, убили моржа.
И несём его в деревню,
А деревня всё ближе и ближе.
(Вдалеке уже виднелись юрты.)
Встречают русского. Тот и говорит:
- Чукчи, вы так неудобно тащите моржа. Уже всю землю клыками испахали. Взяли бы лучше его за клыки и несли.
Послушались чукчи русского, взяли моржа за клыки и понесли. Идут поют:
Мы смелые чукчи, убили моржа.
Всей деревне хватит на всю зиму!
И несём его в деревню,
А деревня всё дальше и дальше.
設問1)和訳せよ。オチを解説せよ。

Posted by SATOH at 2006年12月25日 13:32
コメント

初めまして、コウイチと申します。ロシア語は5級(LAMPOPO-「露語階梯」参照)くらいだと思います。
こちらのブログで勉強させていただいておりますが、暫く「コメント」への投稿がありませんので、大変恐縮かつ僭越に存じますが、私の方から投稿させていただきます。何卒よろしくご指導のほどお願い致します。

チュクチ人達がセイウチを仕留めました。足ひれを掴んで村へ運び始めました。歩きながら、こう歌います。
「俺たちゃ勇敢なチュクチ人、セイウチを仕留めたのさ。
だからセイウチを村に運んでいるんだ。
ほら村は段々近くなる。」
(遠くの方にもう家が見えていた。)
ロシア人の一人と出会いました。ロシア人がこう言います。
「チュクチの皆さん、セイウチをそんな格好で引きずるなんて。ずっうと地面を牙で引っ掻いてるじゃないですか。牙を持って運んだ方が良いんじゃあないですか。」
チュクチ人はロシア人の言うとおりにして、セイウチの牙を持って運び始めました。歩きながら、こう歌います。
「俺たちゃ勇敢なチュクチ人、セイウチを仕留めたのさ。
村中これで一冬大丈夫。
だからセイウチを村に運んでいるんだ。
でも村は段々遠くなる。」
話の「おち」は、セイウチの頭の方向が村と反対方向にあるため、牙を持ってそのまま村から遠ざかるように運んで行った、ということでしょうか。
少数民族の持つ純朴さを思わせますが、同時にロシア人のチュクチ人を小馬鹿にしたようなニュアンスを感じます…。

見当違いがありましたら、初心者ということでご勘弁ください。
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新しい参加者は大歓迎です。オチもよく理解されていて、どうして自分を5級と称しているのか理解しかねます。聞き取り能力や語彙、会話用語彙がどのくらいかによりますが、どう考えても中級以上のレベルだと思います。私の訳は、
チュクチの人々がセイウチを仕留めて、セイウチの脚びれをもって村に運び出しました。歩きながら歌を歌いました。
我ら勇敢なるチュクチ、セイウチを仕留めて、
村へと運ぶ。
村はだんだん近くなる、近くなる。
(遠くにパオが見えて来ました)
チュクチの人々はロシアに出会いました。ロシア人が言うには、
「チュクチの人たちよ、セイウチをそんな風に運ぶのは大変だ。セイウチの牙で地面中が削れている。牙を持って運んだらどうだ」
 チュクチの人々はその言うことを聞いて、セイウチの牙を持って運び出しました。歩きながら歌を歌いました。
我ら勇敢なるチュクチ、セイウチを仕留めて、
村へと運ぶ。
(肉は)一冬たっぷり村中に。
なのに、村はだんだん遠くなる、遠くなる。

Posted by コウイチ at 2006年12月29日 20:38

コウイチさんの訳文を拝見して私の拙い日本語が恥ずかしくなります。オチも何だろうと思案していました。私はこの話のチュクチの人のようです。

Posted by takahashi at 2007年01月02日 12:20
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